エンジニアの方ならば、一度はこういった広告を見たことがあるのではないでしょうか?
「個の時代」「風の時代」「働き方改革」といった言葉が流行り、コロナが蔓延しリモートでの勤務も増えたことからエンジニア業界でもフリーランスに転身される方は増えています。
しかし、上記のような広告に関して、エンジニアの方に直接お聞きしたところ
そりゃ広告だし良いところだけ見せようとしてるよね。
案件の詳細がないしイメージがつかない
案件の単価であって、実際の報酬は違うんでしょ?
と、割とネガティブな意見が多いです。
本記事では
- こういった広告の案件は本当に存在するのか?
- 都合のいいことばかり話しているのではないか?
- 結局騙そうとしているだけなんじゃないか?
という疑問にフリーランスエンジニアを支援している、弊社テックフリークがすべてお答えします。
フリーランスエンジニアの現実を事細かに記載しておりますので、フリーランスを考えておられる方、エンジニアとしてのキャリアを考えておられる方は是非参考にして頂ければ幸いです。
※テックフリークとは・・・島根県に本社を置くITエンジニアの独立支援サービス会社です。ITエンジニアの方への案件提供、エンジニア向けのメディア運営を行っています。
フリーランスエンジニアは何故年収が高いのか?
結論からお話しますね。
フリーランスエンジニアになった場合、基本的にエンジニアの年収は上がります。
実際、弊社でもご相談頂きフリーランスエンジニアになる方は最低でも100万円以上年収を上げることを念頭に案件をご紹介しております。(ロースキルの方、事務系のお仕事に就く方は除きます)
さらにいえば「100万円」はあくまで最低ラインです。もちろん数は多くありませんが、高ければ年収は+500万ほど変わる方もいらっしゃいます。
こんな事をお話すると「それは人によるよね、自分に当てはまるとは限らない」とおっしゃる方がいますが、金額はその通りですが真面目に業務にあたっている方ならば99%年収は上がります。
これは希望的観測ではなく、今まで1000人以上のエンジニアの方とお話し、今まで案件を提供させていただいているデータからお話しをしています。
大切なのは、何故年収がそこまで上がるのか?という部分ですよね。
その理由は【業界の還元率】が一番の理由です。
一般的なSES会社とフリーランスエンジニアの違い
会社によって数字の変動はありますが、一般的なSES会社の還元率は55%と言われています。
例えば月単価100万円の案件があるとしましょう。
この案件をSES会社に務めるAさんが受託した場合、Aさんに支払われる報酬は55万円になります。
対して、弊社のような業務委託型の案件サービスを提供する会社の場合、還元率は70〜90%となります。
ここでは、仮に弊社の還元率が75%としましょう。
この場合弊社から同じ案件に出向した場合、Bさんの報酬は75万円になります。
これが、エンジニア業界でよくある「給料が全く違う状態」が発生する原因です。
同じ仕事をしているAさんとBさんですが、二人の報酬には月に20万円の差があるのです。
エンジニアの給料はこの「還元率」によって大きく変わります。
実際、弊社が関わったエンジニアでは、弊社経由で出向した55万円の報酬をもらうエンジニアが、35万の報酬で雇われている正社員のエンジニアから業務内容を教わっていた。という事例もありました。
これは弊社に限った話ではなく、基本的にフリーランスになって弊社のようなサービスを提供している会社を経由すれば還元率は上がります。(案件が「何次受けの案件か?」によっても大きく変わります)
なので、基本的にはフリーランスエンジニアになると年収は高くなります。
例外があるとしたら
- 既にフリーランス市場においても十二分の給料を会社から貰えている方(比率は圧倒的に少ないです)
- ロースキルな案件や、事務系統の案件を請け負っている方
- エージェントの力が弱く、6次受け、7次受け以降の中間マージンが抜かれまくった案件しか提供されていない方
が、該当します。
もちろん案件ごとの単価ではなく正社員として給料をもらっている方は別の計算となりますね。
では次にあがってくる疑問として
なぜそれなのにフリーランスならないエンジニアが多いのか?
なぜ上記のようなSES会社は無くならないのか?
この2つの疑問にもお答えします。
なぜフリーランスにならないエンジニアが多いのか?
上記の話を聞くと、
これだけ年収が変わるのに何故フリーランスにならないエンジニアが多いのか?
という疑問が生じますよね。何かしら裏があるんじゃないか?と。
これは実際にエンジニアからお聞きした内容ですが、自身のスキル的に年収が上がるとわかっていてもフリーランスに転進しない方は数多くいらっしゃいます。
一例としては、現在の年収が600万ほどで、スキルをお聞きした所、年収として1200万の案件は十分に提供できるエンジニアの方もいらっしゃいました。
しかし、既に家庭もあり、生活には困らない報酬を得ていて、福利厚生を含めた現状に満足しているならば、無理に転職やフリーランスへの転身を検討される必要はありません。
この方も「年収が上がることはわかるし魅力的だけど、今の状況でリスクをとる理由が見当たらない」とのご意見でした。
また、日本の環境面、日本人の性格面も「フリーランスエンジニアが一般的にならない」大きな理由だと考えられます。
例えばアメリカでは正社員雇用よりもエンジニアはフリーランスであることが一般的です。基本的にエンジニアは案件ごとにアサインし、数ヶ月、長くとも数年の単位で職場を変える。
こういった働き方が浸透しており、サポート企業も充実しています。
対して日本でフリーランスエンジニアとしての働き方はまだまだ浸透しておりません。
「フリーランス」という言葉や「働き方改革」という言葉は流行っており、市民権を得た肌感覚はあるものの「仕事とは企業に務めて働くものだ」という概念は若いエンジニアの方とお話していても根強く残っています。
流石に「一生涯その会社にいる!」と考えている人は少なくなりましたが、フリーになって色んな会社の案件を受ける働き方。はまだ浸透していないのです。
別の話になりますが、日本人は不安を感じる遺伝子の率が多国より多く、66%以上の人が不安遺伝子を持っているとされています。(自然災害が最も多い国なのでこの環境に適応するためだとも言われています)
古きを愛し一貫性を大切にする日本人の性質。
そして正社員がマジョリティである日本の環境と新しい働き方の性質が相反していることは日本において未だフリーランスエンジニアが増えない大きな理由の1つだと言えるでしょう。
なぜ還元率の低いSES会社が無くならないのか?
では、次の疑問としては「なぜ還元率の低いSES会社が無くならないのか?」です。
様々な理由がありますが、一番の理由は「会社に残る利益率の高さ」です。
個人に還元する率が低い分、会社に残る利益は圧倒的にSES会社の方が高くなります。
先ほどの例を上げれば
このAさんに渡されなかった報酬の、差額の20万円は会社の利益となるわけです。
同じような社員が10名いたら、毎月200万円の利益額になります。
もちろん諸経費は掛かりますが、フリーランスエンジニアに案件を提供するよりも、一般的なSES会社は利益率的に優れたビジネスモデルと言えます。
反面、弊社のようなサービスの場合、一般的なSES会社よりも案件にアサインしてくださるエンジニアの数は多く必要になります。
還元率が低い以上、ビジネスモデルとしては薄利多売のモデルとなります。
また、SES会社の場合、基本的には案件アサインは会社の意向で出向してもらうことが殆どです。
しかし、弊社のように業務委託契約でエンジニアと契約を結ぶ場合、案件へのアサインはエンジニアの自由意志に委ねられるため、案件を取ってきても働くことを強制することはできません。
一般的なSES会社は諸経費こそかかりますが、エンジニアに動いてもらいやすく利益率の高いビジネスモデルであること。
そして先ほど記載した通り、日本では「正社員」の肩書は未だに強く、正社員であることを望む方が大多数です。
上記のようなSES会社は今後しばらくは無くなることはないでしょう。
フリーランスエンジニアとしての現実もお伝えします。
ここからは実際に弊社がエンジニアさんとお話する際によく聞かれる質門にも回答いたします。
Q.案件が途切れることはないのか?
A、もちろん可能生はありますが、心配されるほどに案件が途切れた事例はございません。
フリーランスになると案件に入らないと収入が0になります。なので案件切れを懸念される方は多いです。
しかし、実際弊社と提携しているエージェントがサポートしているエンジニアに関して、ここ3年間で提供できる案件が途切れたことはありません。
もちろん、ロースキルの方、事務系統の方、ご自身で案件を断っている場合などは該当しませんが、基本的には3年以上、仕事をされつつスキルを磨かれている方ならば案件面で不安を持つ必要はないと考えています。
Q.連絡する前に案件を確認することは出来るのか?
A、会社によりますが、弊社の場合は可能です。
弊社の場合は、独自の案件サイトにて常にどんな案件があるか?を確認することが可能です。
案件サイトに事前登録などは不要ですので、実際に働きたい条件があるか?給料はいくらになるか?などをご確認ください。
Q.SES会社のメリットはないのか?例えば福利厚生が優れている。など。
A、福利厚生や研修面のメリットは確かにあります。
それこそ初回時の研修があることなどはフリーランスでは得られない福利厚生です。
しかし、エンジニアご自身の観点からみて「月額20万円の報酬を超えるメリットがあるのか?」は各々ご検討の余地が有ると考えています。
もちろん「所属会社のビジョンや未来に共感している」「ご恩やご縁を大切にしている」といった情緒的な要素で会社を選択されている方も多いです。
先述の通り「年収が上がることはわかるけども、今でも十分だし家族もいるのでリスクを取る必要がない」とお話される方もいます。そういった働き方も素晴らしいものだと考えています。
あくまで年収は働き方を考える一要素に過ぎません。
様々な側面からご検討されたうえで自身の働き方を判断されるのがベストだと弊社も考えております。
Q.フリーランスになると税金が増えるのでは?差し引き年収が下がるパターンは?
A、個人事業主になるため、同じ年収でも税額の変動はございます。
そのため、経費にいくら計上できるのか?もシュミレーションをした上でフリーランスへの転身を検討されることをおすすめします。
また税理の計算はご自身でやられる方もいますが、弊社からは税理士のご紹介もさせて頂いております。
基本的にはフリーランスに転身して上がった報酬の一部をそういったアウトソーシングにまわしておられるエンジニアが多いです。
フリーランスエンジニアとしての市場価値を確認してみませんか?
本記事を最後まで読んで頂きありがとうございました。
実際は様々な事情がありますし、一概に弊社としても全てのエンジニアの方が「フリーランスになったほうが良い!」とお伝えしたいわけではありません。
しかし、多くのエンジニアの方とお話して課題と感じている部分は
日本人はあまりにも自分のスキルを低く見積もりすぎている方が多い。ということです。
メタバースやNFTの加熱が世界中で広がり、世界ではエンジニアの案件単価は年々上昇しています。
本来ならば日本でももっとエンジニアの単価が向上しても良い状況にも関わらず、日本のエンジニア単価は大きくは上昇していません。
不適当な単価で仕事を受け続けることは日本全体のエンジニアの単価を下げていることに繋がっているかもしれません。(もちろん、本人が満足ならば大きな問題はないとも考えています。)
上記のことをお伝えした上で、弊社ではITエンジニアの方と対等な関係性を意識して関わっています。
具体的には
- ITエンジニアの方とお話(ZOOM)をして本当に年収が上がるのか?を納得してもらう。
- 150万円以上年収が上がることをベースに活動してもらう。
- 年収が実際に150万円以上上がった場合は、ITエンジニアに関しての情報を1つだけ教えてもらう。(2022年5月段階で100%)
- 頂いた情報を元に、サポートの質の向上に努める。
こういった形でITエンジニアの方のサポートをさせてもらっています。
もちろん、無理な営業は一切致しません。
最初のような広告が増えてきており、エンジニアの方の警戒心が強くなることも理解できます。
しかし「自身の市場価値がどれくらいなのか??」
フリーランスエンジニアの市場から情報を集めておくことは今後のキャリア形成の一助となります。
現在働いている報酬単価はあなたにとっての適正価格ではない可能性があります。
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いつでも気軽にご連絡ください。