【回避事例有】SESの案件ガチャとは?起きる原因とメリットを徹底解説!
ITエンジニアと聞くとお洒落なオフィスで最先端の技術やガジェットを活用して楽しく仕事をしている姿をイメージされる方も多いでしょう。
しかしながらITエンジニアにはさまざまな契約方法や労働環境があるため、一概にすべてのエンジニアがお洒落な雰囲気で仕事をしているわけではありません。
そしてエンジニアの中にはブラックな環境で働いている方が一定数いるのも事実です。
特にSESという働き方の場合にはその契約方法からか、ブラックな環境が多いのも事実です。
今回の記事ではそんなSESの働き方の中でもよく話題に上がりやすい案件ガチャについて、なぜ案件ガチャが発生してしまうのか、そもそも案件ガチャとは何なのかについても詳しく解説していきます。
そして、もしも案件ガチャに出くわしてしまった場合であってもしっかりと回避できる方法も合わせてご紹介します。
SESの案件ガチャとは
案件ガチャとは、自分が参画するプロジェクト(案件)が運で決まることが多いため、案件ガチャと呼ばれるようになりました。
もちろん運任せでプロジェクトが決まってしまうため、天国のような居心地の良いプロジェクトもあれば、精神的にも身体的にも辛い環境で働かされてしまう地獄のようなプロジェクトもあります。
そして何より恐ろしいのが、契約前に聞いていた業務内容、待遇面と実際にプロジェクトが始まった時の業務内容や待遇面に格差が生じてしまうことです。
特にSESエンジニアの場合には、自分で参画するプロジェクトを決めることができないため、就労前と後のギャップが生じやすく、案件ガチャが発生しやすい環境になっています。
一般的なSES企業の場合には、エンジニアごとのキャリアプランやスキルアップのために参画させるプロジェクトをエンジニアと面談を重ねながら決めていくことが一般的です。
SES企業の場合にはプロジェクトを獲得してくるのは営業担当者の仕事であるため、営業担当者と実際の現場については面談することが多いです。
しかしながら、こうしたエンジニアごとの適性や目標を図るための面談やサポート体制が整っていないため、人員に空きができたタイミングで半ば強制的にプロジェクトにエンジニアを参画させるSES企業が存在しているのも事実です。
そのためもしもこれからSESエンジニアとして勤務したいと考えている方は、エンジニアとの面談やサポート体制が社内で整っているかどうかを面接時に確認しておくことをおすすめします。
SESの案件ガチャが起きる原因
ではどうしてSESの場合に案件ガチャが発生しやすいのでしょうか?
それはSESならではの契約方法やビジネスモデルが起因していると言われています。
ここではSESで案件ガチャが発生する原因を4つご紹介します。
1.自社の営業担当者の営業力が低い
まずSES企業が案件を獲得できるかどうかは自社の営業担当者の営業スキルが強く影響します。
そのため優秀な営業担当者が所属している企業の場合、良質な案件を獲得することができるため、よりエンジニアの働きやすい環境やスキルアップできる環境を用意することができるでしょう。
しかし反対に営業担当者の営業スキルが乏しい場合には下流工程の仕事や労働環境の良くない案件しか獲得することができず、エンジニアにとっては辛い案件で仕事をするしかなくなります。
入社する前に営業担当者の営業スキルを把握することは難しいですが、ホームページなどに記載されている取引先一覧を確認することによってどれくらいの規模の案件やプロジェクトが多いのかを把握することはできます。
反対に取引先がホームページに記載されていない企業や有名企業との取引が少ない場合にはあまり営業担当者の営業スキルが高くない可能性もありますので、案件ガチャの当たり外れが大きくなる可能性があります。
2.エンジニアに対するサポートが充実していない
SESのビジネスモデルはほとんどリスクがなく、利益を上げることができます。
自社開発をおこなっている企業のエンジニアの場合には、成果物に対して品質保証や納期保証をすることが当たり前です。
しかしながらSESの場合には労働した時間に対して報酬が発生するため、成果物に対しての品質保証や納期を保証する必要がありません。
そのためSES企業はエンジニアを常駐先で働かせれば働かせるほど利益を上げることができます。
こうしたビジネスモデルであるがゆえに、エンジニアをただの駒として扱い、エンジニアの待遇が最低限しかないというSES企業も存在しています。
こうしたSES企業にとってはエンジニアが快適に働ける環境を無理して用意することを重要視しておらず、より利益の高い案件を獲得することに躍起になっているケースがほとんどです。
こうしたエンジニアを大切にしないSES企業の場合には、案件だけではなく待遇面でも満足できない部分がある可能性があります。
SES企業を選ぶ際にはエンジニアとの定期的な面談の有無、エンジニアのキャリアプランやスキルアップに対してどのように考えているかを確認するようにしましょう。
SESの案件ガチャの回避事例
ここまでは案件ガチャの概要やどうしてSESでは案件ガチャが発生してしまうのかについてご紹介してきました。
では実際に案件ガチャを回避する方法はあるのでしょうか?
ここではSESの案件ガチャにおける回避事例を5つご紹介します。
1.営業担当者とこまめにコミュニケーションを取る
SESの場合には営業担当者が案件を探してくることが一般的です。
そのため営業担当者とこまめにコミュニケーションを取ることはかなり重要になります。
SESエンジニアはブラック、辛いなどといったマイナスイメージを持たれており、ネット上でもさまざまな体験談が記載されています。
しかしながらSESの営業に関するブラックな話題はそこまでネット上では見受けられません。
また営業と仲良くすることによって社内の裏話やパワーバランスに関する話題を聞くことができるのはもちろん、仲良くなったことによって良質な案件を優先的に担当させてもらえるチャンスも広がります。
特にスキルのある営業の場合には良質な案件をかぎ分ける鼻がいいことが多く、劣悪な案件を引っ張ってくることも少なくなるでしょう。
裏を返せば、営業担当者と社内でコミュニケーションを取るチャンスがないSES企業やまともな営業担当者が社内にいないと感じるSES企業の場合にはすぐにでも環境を変えるために転職することをオススメします。
2.別のホワイトSES企業に転職する
ブラックSES企業があれば、ホワイトSES企業もあります。
ホワイトSES企業の特徴は何と言ってもエンジニアを大切にしているということ。
エンジニア個人のスキルアップやレベルアップ、経験を積むために案件にアサインを考えるために定期的に面談やサポートをおこなっていることが多いです。
エンジニアによってキャリアプランは千差万別であるため、ホワイトSES企業ほど、優秀な営業担当者を抱えており、エンジニアが働きやすい環境を社内だけではなく、常駐先でも整えることが一般的です。
またSES企業の場合には多重下請け構造になっているため、所属しているSES企業の立ち位置を上げるだけでも簡単に年収を上げることもできます。
SESの闇として語られることも多い部分にはなりますが、SESからSESへ転職されるときにはホワイト企業を選ぶことはもちろんのこと、現在所属しているSES企業よりも上流工程の企業に転職するようにしましょう。
3.社内SEに転職する
現在はどこの企業もIT人材の確保に注力しているため、IT系の企業だけではなく他業種の企業の社内SEとして転職することもおすすめします。
基本的には自社内で使用しているシステムに関する問合せ対応や不具合修正などがメイン業務になるため、案件ガチャとは無縁の生活を送ることができます。
最近ではDX化に取り組んでいる企業も多いため、経営者に近いポジションで仕事をするチャンスも少なくありません。
社内SEには社内システムに誰よりも詳しいなんでも屋になることができれば、SESエンジニアとして働くよりもストレスなく楽しく仕事をすることができるでしょう。
4.自社開発をおこなっている企業へ転職する
今も昔も自社開発をおこなっている企業への転職の人気は高いです。
SESの場合には未経験であっても正社員として雇用されることが多く、IT業界にチャレンジしたい方にとっては業界への足がかりになる雇用形態になります。
反対に自社開発をおこなっている企業の場合にはSESと比較すると求められるスキルレベルが高いことが多く、未経験からはなかなか正社員として就職することは難しいです。
しかしながらSESエンジニアとしてある程度の経験を積んだ後であれば、経験もスキルも身についていることが多く、十分自社開発をおこなっている企業へ転職することは可能です。
自社開発をおこなっている多くの企業は、システムの開発だけではなく企画立案やマーケティングなど幅広い業務を自社でおこなっていることが多いです。
そのため、エンジニアとしてのキャリアを活かしてマーケティングに挑戦することや、営業担当者として製品をPRするなどたくさんのキャリアプランを立てることができます。
エンジニアとしての自分も好きだけれど、他の業種にもチャレンジしてみたいという方は自社開発をおこなっている企業へ転職を検討してみることをおすすめします。
5.フリーランスエンジニアとして独立する
スキルも経験も十分にあるという方の場合にはフリーランスエンジニアとして独立することも1つの手段です。
SESで大きなプロジェクトに参画した際に複数の企業からエンジニアが集められ、プロジェクトを推進していくこともあります。
こうしたときに企業に所属しているエンジニアだけではなく、フリーランスエンジニアの方も参画されることがあります。
こうした出会いをきっかけに自分もフリーランスエンジニアとして独立したいなと考える方が多いのも、フリーランスエンジニアと知り合うことができるSESエンジニアならではの特徴です。
フリーランスエンジニアとして働くには2つの働き方から選ぶことが一般的です。
1つはSESエンジニアと同じように客先で勤務する方法。
もう一つは案件を受託して在宅ワークをするという方法です。
どちらの場合にしてもSESエンジニアと大きく異なるのは、働く時間や期間、参画するプロジェクトに関して自分で決めることができるという点です。
自分で上手く交渉していくことによって大きく年収を上げることもできますし、何より会社の人間関係に縛られることもなく自由に働くことができます。
自分にはフリーランスエンジニアとしてのスキルはあるのか不安な方の場合でも、現在ではフリーランスエンジニア向けのエージェントなども増えてきていますのでフリーランスエンジニアにチャレンジしやすい環境は整いつつあります。
会社の人間関係にとらわれることなく、自分のペースで働きたいという方は、フリーランスエンジニアとして独立することも検討してみてください。
ここまで5つの案件ガチャの回避事例をご紹介しました。
営業担当者とこまめにコミュニケーションを取ることによって、良質な案件を担当させてもらうチャンスを増やすことも大切ですが、そもそも社内に優秀な営業担当者がいない場合には話になりません。
そして案件ガチャを回避する一番の方法は環境を変えることです。
SESの案件ガチャのメリット
SESの案件ガチャはもちろんデメリットだけではなく、ちゃんとしたメリットもあります。
ここではSESの案件ガチャのメリットの中から代表的な物を3つご紹介します。
1.さまざまな業種を経験することができる
SESの何よりのメリットはさまざまな業種で必要に応じたプログラミング言語を活用して仕事ができる点です。
さまざまな業種に触れることができるため、幅広く専門知識を身に付けることができます。
また、経験した業種の中から自分が興味を持った業種に特化してその業種のスペシャリストになるなど、キャリアプランにある程度の幅を持つことができるのもメリットの1つでしょう。
参画するプロジェクトによっては要件定義などの上流工程の仕事を任せられることもあるため、案件ガチャのあたりによってはなかなか経験できない業務にも携わることができます。
2.プロジェクトごとに勤務場所が変わる
一般的な会社員の場合には企業から辞令や転勤の命令が出ない限りは勤務地を変更することはできません。
その反面、SESの場合にはプロジェクトごとに常駐先が変わることになります。
勤務地が変更になることによってリフレッシュすることにもつながり、プロジェクトが変更になるたびに新たな気持ちで仕事をすることができます。
また外れのプロジェクトに参加させられた場合であっても、契約期間だけ我慢すればすぐ次の案件に移行できるのもSESのメリットの1つでしょう。
特にどうしても仕事をしていると人間関係トラブルに巻き込まれてしまうリスクはありますが、契約期間が終了すればこうした面倒な人付き合いを続けることも必要ありません。
1つの場所にとどまることなく、いろいろなところで働きたい方にとってSESは特におすすめの働き方になります。
3.人脈を広げることができる
さまざまな業種、常駐先で勤務することができるため、たくさんの人と知り合うことができるというのもSESならではの特徴です。
プロジェクトによっては、大手企業やメガベンチャーで常駐することもあり、そうした企業の方と知り合いになることによってヘッドハンティングされることもあるかもしれません。
エンジニアと聞くとパソコンに向かってプログラミングをしているという印象を持たれるかもしれませんが、エンジニアに求められる一番のスキルはコミュニケーション能力です。
コミュニケーション能力が高いエンジニアの場合には人脈をどんどんと広げていくことができ、最新の技術をエンジニア同士で共有することができるのはもちろんのこと、将来のキャリアプランについてもしっかりと先輩エンジニアや常駐先の社員の方に相談することができるでしょう。
一般的な会社員では経験することができないようなことが経験できるため、特に将来的にフリーランスエンジニアとして独立したい方、起業したい方の場合にはSESエンジニアとして経験を積むこともおすすめします。
SESの案件ガチャのまとめ
今回はSESの案件ガチャについて、そもそも案件ガチャとはという基本的な話から、案件ガチャが起こってしまう原因や回避事例、案件ガチャのメリットについてご紹介してきました。
SESの場合にはエンジニアが案件を自分で選ぶことができないため、こうした案件ガチャが他の業種よりも起こりやすくなっています。
就労の前後で業務内容や待遇面が変更になることがしばしばあるため、SESエンジニアはブラック、辛いというマイナスイメージを世間から抱かれているといっても過言ではないでしょう。
案件を獲得してくるのはSES企業の営業担当者になるため、営業担当者とこまめにコミュニケーションを取ることによって辛い常駐先の案件ではなく、優良な天国のような常駐先を担当させてもらうこともできるでしょう。
しかしながら営業担当者の営業スキルが乏しい場合にはそもそも獲得してくる案件の質が高くないリスクもあります。
こうした自社の営業担当者が信頼できない場合には、他のホワイトSES企業に転職することや、自社開発をおこなっている企業へ転職、フリーランスエンジニアとして独立することをおすすめします。
案件ガチャから脱出するためには環境を変えることが一番です。
現在はIT人材の不足が話題になっているためある程度のスキルや経験がある方であれば、エンジニアの転職はさほど難しくはありません。
辛い環境を我慢しながら続けていくことは精神的にも身体的にも良くありませんので、過度なストレスを抱えることなく今回ご紹介した回避事例を参考に案件ガチャを上手く回避してみてください。