【将来性】ITエンジニアの人口と需要はどうなる?将来最も需要が高い種類は○○エンジニア?
ITエンジニアといえば、若い世代のなりたい職業ランキングでも常に上位帯を維持しており、最近では、小学校、中学校でもプログラミングの授業が義務付けられたりと、注目度が高くなりつつありますね。
そんなITエンジニアですが、本当に将来は明るいのか。
私自身、今働いているITエンジニアの半数以上は明るい未来を掴めないと考えています。
今回はその理由から、今のITエンジニアに置かれている現状を解説していきますので、ぜひ参考ください。
ITエンジニアの人口と需要
将来のことを知る前にまずは今のITエンジニアが立っている現状を見てみましょう。
現在ITエンジニアとして一体どれほどの人数が働いているのか、IPAが公開している「IT人材白書2020」によると、日本のIT業(ITエンジニア含む)は約150万人と言われています。
それが多いのか少ないのかと疑問に思われるかもしれませんが、他の業種を参考にすると、
業種 | 従業員数 |
IT業 | 1,495,508名 |
製造業 | 4,901,962名 |
卸売・小売業 | 2,457,006名 |
医療・福祉 | 2,754,258名 |
運輸・郵便業 | 1,642,056名 |
参照データ:IT人材白書2020
このような差になり、日本の社会の中では、運輸・郵便業と並ぶほどの人口がIT業界にはいることが分かります。
しかし、ITエンジニアの仕事を経験された方で聞いたことがあるかもしれませんが、
「ITエンジニアは常に人材不足」
このようなことを常々言われてきています。
なぜITエンジニアが不足しているのか?
まずは、様々な企業がITについて前向きにとらえ、自分の企業でもIT化(業務のシステム化、デジタル化)をしたいと仕事が圧倒的に増加したことが関連しています。
その分、人材を入れなければ仕事を請けることができませんが、それが毎年新卒などで新しい人材が入ってくる以上に増加しているので年々人材不足が顕著になってきているのが原因です。
さらにこれは私の経験を交えお話ししていきますが、ITエンジニアという人材の使い方にも問題を抱えているのは間違いありません。
技術を持っているITエンジニアも圧倒的に不足している
画像出典:IT人材白書2020「独立行政法人情報処理推進機構社会基盤センター」
2030年には最大で79万人不足すると言われているITエンジニアの人口はこれからも増加するのは間違いないと思いますが、それ以上に深刻なのが、ITエンジニアの質です。
中小企業に多く、私も経験したことがありますが、一切技術のない、そもそもパソコンすらあまり触ってこなかった人でもITエンジニアとして就職することができています。
今の人材が不足している環境では、新卒の場合、最初の研修で様々なことを教えていき、会社で使える人材として育てるという目線で採用をしています。
そのようなこともあり、毎年ある程度まとまった人材数が新卒で採用されますが、その中でも全く技術力のない人材がいることもあり、人材不足に拍車をかけています。
学校教育授業でプログラミングを教える要因
小中学校でもプログラミングの授業が必修化される等、教育に関してもITが導入されています。
それは一体何故なのか?
考えてみたらわかるかもしれませんが、私が体験したことや感じたことも踏まえて解説します。
日本人の基礎能力の向上
まずは、真っ先に思いつくであろう、日本人の基礎能力の向上です。
何かとニュースでは「日本人の技術力は世界トップクラス」と取り上げられますが、それはあくまでも一部の技術です。精密機器や、建築技術などが、世界でも有数のトップクラスとして取り上げられています。
一方でIT技術(デジタル技術)は、スイスのの国際経営開発研究所(IMD)の世界競争力ランキングによると日本は63ヵ国中62位という結果です。
日本と中国の「IT化」に大差が生じた決定的要因
デジタル技術では、2020年に日本は62位でした。対象は63の国・地域ですから、最後から2番目ということになります。
引用:東洋経済オンライン
数十年前には、英語は必修科目ではなかったが、現在では必修科目であるように、子供のころから、情報処理能力を身に付けさせるために必修科目になっています。
外国人の方が能力が高い傾向にある
実際に私が以前働いていた企業で、中国人を2人雇用されていたのですが、その2人の能力が他の同じ年代の方と比べても突出していました。流暢な日本語を話せ、ただの作業者として働いているのが勿体ないと思ってしまうほどです。
私はシステムエンジニア(SE)としてその方と一緒に働いていましたが、コーディング(プログラミングのこと)をしていても、作業スピードが10倍、20倍以上違っていました。
それは年齢による経験の差ももちろんありますが、同年代の方でも、何か分からなかったらその方に質問するなど、そのプロジェクトが終わるまで実質リーダー的存在になっていました。
これだけではなく、
「コーディングは海外に任せた方が安く早く納品される」
という理由で海外に外注をしている企業もあります。
このように私の場合は中国人でしたが、日本より海外の方が持っているスキルや知識が多い傾向にあると感じてしまいました。
ITエンジニアの不足人数を解消するために
ITエンジニアの人口でもお話ししてきましたが、ITエンジニアの人口は増加傾向にあることは確かですが、それでも人材不足が目立っているのが現状です。
そこで学生のうちにITに触れることで、ITエンジニアへの興味付けをさせて、今後、ITエンジニアが不足するということを解消していくために若い世代から情報処理能力を身に付けさせています。
しかしこの施策は、10年~20年単位で変化がしていくので、今すぐにはあまり効果が無いということは知っておきましょう。
ITエンジニアの半数以上は今のままでは将来生きていけない
それでは、ここから本題である、今働いているITエンジニアの半数以上が、このままでは将来ITエンジニアとして生きていくことができない。ということについてお話ししていきます。
今まではITエンジニアと言えばかなり専門的な知識を持って、それが個人の価値になり、様々な仕事を請けることができていました。
しかし現在はその前提が崩れかけているのです。
ITエンジニアのスキルが簡略化している
例えば、ホームページ制作ですが、十数年前は、Webデザインエンジニアがデザインや内容を決めて、コーディングをして、ホームページが作られるという流れが一般的でした。
しかし今はどうでしょうか?
ホームページ作成と聞くと、ほとんどの人が「WordPress」というテンプレートを思い浮かぶと思います。実際Web系のITエンジニアでも最初にWordPressを利用して、そこから改良する流れを取っている企業も存在しています。
「ホームページ作成」とネットで調べても、WordPress以外に、ブラウザ上でホームページ作成が実際の画面を見ながら作ることができています。
さらにこれらのテンプレートやツールは基本的に無料です。
このようにホームページ制作でも、今までは専門的な技術を持った方しか作れなかったものが、たった10年近くで多くの人が高額な費用をかけずに無料で手軽に作成することができています。
ホームページだけではなく様々なスキルが簡略化されつつある
簡略化した例としてホームページを出しましたが、これはホームページが簡略化されているわけではなく、ITエンジニアで専売特許といってもいい「プログラミング」が簡略化されています。
最近販売された、Nintendo Switchのソフト、「ナビつき! つくってわかる はじめてゲームプログラミング」では、人形の動作が準備された箱があり、それに対して人形と接続することで、独自の動作を行うという、子供でもナビがついていて分かりやすくゲームプログラミングができるゲームが販売されています。
今までは、自分で作るのは非常に難しいと思われていたジャンルでさえも、PCではなくゲームの中でゲームを作ることが現実になりました。
これからも今まで以上に簡略化のスピードは速くなっていくことが予想されます。
プログラミングスキルの価値が落ちる
プログラミングスキルが簡略化されるということは、今一般的に使用しているプログラミングスキルには価値が落ちていくということです。
しかし、ここで勘違いしてはいけません。
全てのプログラミング言語の価値が落ちるということはありません。
プログラミング言語は、常に進化を続けており、私が働いていた頃は、JavaやC言語を覚えておけば困ることはないだろうと言われている時代でした。
それが、約5年近く経った今では、RustやGo、Pythonといった言語が主流になりつつあります。
最近Pythonを求める案件が増えておりますね!Javaは安定しておりますが!まだまだIT業界の動きは加速して、勉強が絶えません。。。
— テックフリーク@年収アガル【公式】(ITエンジニア専用年収診断/無料あります!) (@Tech_Freak_Inc) August 19, 2021
このように、常に新しいスキルの取得をしていかなければ、価値が落ちた市場で働くことになり、極端な話だと、仕事が無くなったり、生活ができないという事態になりかねません。
ITエンジニアの将来性
ではここまで今のままでは生きていけないというお話しをしてきましたが、ITエンジニアという職業は将来どのような変化があるのかを考えてみます。
人材供給過多に陥る
まず最初に考えられるのは、近い将来、どこかのタイミングで人材の需要と供給の曲線が交わります。
そこで起こることが、「人材供給過多」です。これはどの業界でも、どの会社でも起こっています。
例えば、10名の人材募集をして、15人が応募してくると、募集に対して応募人数が多いですよね?
これが業界全体で起こり得るということです。
今はITエンジニアは引く手あまたと言われていますが、いずれはITエンジニアはしっかりとした知識と技術が無いと就職は難しいという時代に突入する可能性があります。
先進的なスキルが求められるようになる
これは先ほどお話しした供給過多にも関連しますが、IT業界は、日々新しい技術が出てきます。
今はAIや人工知能といった「自動化」がトレンドではありますが、将来は更に別の技術が出てくるかもしれません。
例えば、2021年8月後半にアメリカの大手自動車メーカーであるテスラCEO イーロン・マスク氏が人型ロボットを開発中と発表しましたね。
テスラが8月19日に開催した「AIデー2021」では、同社のAI(人工知能)に関する様々な取り組みが紹介された。幹部たちのプレゼンのテーマは、コンピュータビジョンや「計画と統制」、シミュレーション、データインフラストラクチャ、自動車用スーパーコンピュータ、データセンター用スーパーコンピュータなど多岐にわたるものだった。
イーロン・マスクは最後に登場し、テスラが開発中の人型ロボットを発表した。
さらに今のようなスパンで新しい技術が出てくるわけではなく、今後はデジタル機材の進歩で毎日のように新しい技術が出てくるかもしれません。
企業はほぼ変わらない給料で人材を雇うのであれば、先進的な技術を持った人材を雇う方を選びます。
だからこそ、今のようにある程度の知識やスキルがあれば就職できるわけではなくなり、さらに深い知識が必須になる可能性があります。
将来生き残るITエンジニアになるためには
それでは、将来的に生き残るであろうエンジニア、そして、生き残るためにはどのようなことをしなければいけないのかをここで解説していきます。
データベースやネットワーク系のエンジニアは生き残る
まずITエンジニアには様々な業種がありますが、その中で、
- データベースエンジニア
- ネットワークエンジニア
といった職種は生き残る可能性が高いです。
データベースエンジニア
その理由として、まずはデータベースエンジニアですが、WordPressだろうが、どんなシステムでも必ず裏にデータベースが存在します。
では、このデータベースが不要になることはあるのかというと、それは絶対と断言してもいいですが、無くなることはないでしょう。
変わると言ってもデータベースの場所がクラウド上に変わったりするのみです。
さらに、数年前からビッグデータといった言葉も出るようになり、さらにデータベースエンジニアの需要は増加傾向にあります。
ネットワークエンジニア
そしてネットワークエンジニアですが、企業のIT化が進められており、今でもかなりの需要がありますが、このIT化の流れが一段落したらネットワークエンジニアの需要は減るのかというと、その後には、運用や、保守・管理も行わなければ何かトラブルが発生しても、ネットワークエンジニアがいないと対応できないでしょう。
そして、IT化もですが、その先の情報のクラウド化といった業務もありますので、ネットワークエンジニアは今後も必要とされる職業の一つになるでしょう。
人間から代替できない職業が生き残っていく
今は少し落ち着きましたが、一時期「AI」という言葉がニュースでもよく取り上げられ、AIに仕事を奪われるのではないか?という危機感を持たれた方も多いのではないでしょうか。
AIでなくとも、今回お話ししたようなツールやシステムの存在でコスト削減だったり、自動化ができるような仕事は、近い将来ほぼ無くなると思った方がいいでしょう。
システムエンジニアのコーディングという作業であっても、現在は仕様書を読み込ませることでかなりの精度で自動化することができるようになってきています。
だからこそ、このコーディングという作業は将来は人間ではなくツールやAIが行うようになり、一部のプログラマーやコーダーといった職業は無くなっていく可能性があるでしょう。
あなた自身の今の職業は将来のビジョンはどうでしょうか?
自分自身の業務内容を振り返ってみるのも良いでしょう。
常に新しい知識・技術を取り入れる
次に職業ではなく、個人視点で考えていきますが、常に新しい知識や技術を取り入れていきましょう。
ITエンジニアの中で一つだけを職業としなければいけないというルールは存在しません。学んで技術を取り入れたもの勝ちというのが、どんな社会でも共通です。
そして、ここで大前提ですが、職種ではなく個人に価値を持たせることができれば将来的に生き残ることは可能です。
今生き残ると言っているのは、あくまでも「生き残るであろう職種」であって、その中でも、個人的価値が下がってしまい、その職種で働けない方もいます。
だからこそ、自分自身の価値を磨くことを行いましょう。
私の場合は、働き始めた頃はシステムエンジニアとして仕事をしてきましたが、今はフリーランスになり、Webデザインのスキルであったり、業務効率化のコンサルティングといったシステムエンジニアではあまり行わない仕事も行い、個人としての価値を向上させています。
他にも、その業界でプロフェッショナルレベルの技術と知識を身に付けるだけでも、将来生き残る可能性は大きく向上します。
能動的に活動する
私が、日本のITエンジニアの半数以上が将来生きていけないと言っている最大の要因はここです。
これを見て頂いているあなた自身にも質問しますが、
- あなたは何のために仕事をしていますか?
- また、与えられた仕事は何のための仕事なのか理解していますか?
- その仕事は、どれだけの利益を生んでいますか?
この質問に答えることができるでしょうか?
意外とこの質問に完璧に答えられる方は少ないです。
ただ毎日会社に行って、仕事を与えられるからその仕事をこなして、定時になったら帰るだけ、そして一定の給料をもらう。
よっぽど難易度の高い仕事が来ない限り、毎日全てがルーチンワーク化してしまいます。
どんな職種でも常に思考を巡らせて、先ほど質問したことに明確に回答できる方ほど、どんどんキャリアアップしていき、自分自身に価値が生まれていきます。
しかし、このような人は中々おらず、基本的に半数以上が受動的な仕事をしています。
だからこそ、受動的な半数以上のITエンジニアは将来生きていけません。
受動的な姿勢から能動的な姿勢に変えるのは、今からでは遅いということはありません。
気づいたらその活動姿勢を変化させましょう。
根本的な問題が無くならない限りITエンジニアに未来は無い
ここからは、日本のIT業界の将来についてお話ししていきます。
今まで個人としてITエンジニアで将来生きていくには、ということでお話ししてきましたが、そもそもの日本の企業形態が変わらない限り、将来はあまり明るくないのではないかと思っています。
人材を育てるのではなく使い捨てる慣習
私が中小企業で働いている時に毎日のように感じたのが人材を育てるつもりがない。とにかく、その案件をどうにか終えればその社員の体調や精神状態なんて気にしない。
という企業が多いということです。
「冗談だろう」と思われますが、これが中小企業の現実です。
私が入社して、半年後から約1年間大企業の大きなプロジェクトにアサイン(任命する)されましたが、この案件は本当に業界の闇と言っても過言ではありませんでした。
次にその案件を細かく紹介していきますね。
【経験談】大企業の経験上最悪のプロジェクト
私がSEとして入社して、約半年後、会社の別案件にアサインされていましたが、急に今回の話に出てくる大企業のプロジェクトにアサインされることが決まりました。
そこでは、SEの業務の上流工程を行っており、一般的に上流工程を任されるエンジニアは年収が高くなる傾向にありますので、かなり期待して、そのプロジェクトに参画します。
仕事としては雑務ばかり
実際に参画して、すぐに要件定義で一つの業務を任されるわけもなく、簡単な資料作成だったり、コーディングを学んだりと実際の作業としては、要件定義とは程遠いものでした。
今でも覚えている業務は、手が空いたので仕事がないか探していたところ、昔の書類整理という体で1時間以上シュレッダーの前で書類を捨てる業務です(笑)
他の同期はプロジェクトで基幹業務を行っているのに、自分だけ常に雑務をさせられるというのは、ちょっと理不尽に感じました。
どれだけ良いプロジェクトでも上司やマネージャー次第で最悪に変わる
ITエンジニアだけではなく、全ての仕事で言えることが、上司やマネージャー次第でその会社が良いか悪いかが決まります。
企業の業績や給料がどれだけ良くても、ここが悪ければ経験上長持ちしません。
もちろん、自分自身の実力が足りてないから、上司やマネージャーが悪いというのは論外です。
それだけ期待されているということを理解しましょう。
実力をつけると、上司やマネージャーがどのような人間なのかが分かってきます。
しっかりと人間を見て、その人のメンタルや体力が落ち込んでいたらサポートを出して、回復に努めさせる人なのか、もしくは、その案件が消化できればいいので、人間のメンタルや体力は度外視でとりあえず割り振られた仕事は絶対に消化させる。
基本的にこの2パターンに分かれるかと思います。
実際にどちらが悪いというわけではなく、時と場合に応じて使い分けることができる人が理想の上司像になっていきます。
要件定義が終わると・・・
話を戻しますが、要件定義が終わると次に詳細定義・詳細仕様という工程に進みます。
ここからは間に中間企業が入り、二次請けになり、オフィスもその中間企業の会社に常駐するようになりました。
この工程では、要件定義で決めた内容をもとに、実際に開発するためにはどのような仕様で進めていくかを決めていきます。
実際の作業としては、要件定義とほぼ変わらず書類作成です。
責任の押し付け合いになり、作業者はどんどん逃げていく
スケジュールもかなりタイトで、リスクヘッジも何も考えられていないスケジュールでした。
私自身は下っ端でしたので、あまり細かい内容は見えませんでしたが、何かトラブルが起きたら完全に破綻する計画です。
では、この後そのスケジュールで進めると、どうなったのか。
容易に想像できると思いますが、案の定破綻しました。
そして、誰が責任を取るのか、中間企業が責任を取るのか、自社が責任を取るのかという争いを目の前でされながら、私のような作業者は毎日終電、もしくは夜通し仕事をし続けていました。
このルーティーンが当たり前になり、週に1回~2回程度夜通し作業、日付が変わってからしか帰ることができない。それが約3ヶ月近く続きました。
こうなるとどうなるのか、そのプロジェクトに関わっている人はどんどん逃げて(退職)いきます。私が覚えている限りでは、
- 中間企業のプロジェクト責任者2名
- 自社でプロジェクトにアサインされた社員4名
- 業務委託で自社プロジェクトに参画したフリーランス8名
詳細定義・詳細仕様が終わった段階でこれだけのメンバーが離職していきました。
マネージャーが人海戦術に頼ってしまった
ここで最大の悪手だと思ったのが、マネージャーが人海戦術をとったことです。
人海戦術とは
多くの兵力をくり出し、損害に構わず数の力で敵軍を押し切ろうとする戦法。転じて、多人数をくり出して物事に対処すること。
引用:コトバンク/人海戦術
ビジネスシーンで人海戦術というと、計画よりも、マンパワーで押し切るというもの。あまりプラス思考で使われる言葉ではありません。
スケジュールの遅れを知恵でカバーするのではなく、残業や人員の増加によって対処するので、会社の売上は下がってしまいます。
私が働いた企業でもこの人海戦術を利用し、人員を補充し続けました。
その結果、納品物のクオリティが下がり、また中間企業から指摘され、改善を行うというループに入り、その頃にはプロジェクトメンバー全員が、定時になっても帰ることはなく、基本的に夜9時~12時に帰るという生活を送っていました。
そうなってくると、全員疲弊し、どんどんとプロジェクトから外れたいからと退職を選択するようになりました。
自分の身を守るために行動するように!
最終的に私はこのプロジェクトがほぼ完成直前に退職しましたが、このような経験はしなくてもいい経験です。
しかし、知らず知らずのうちにこのようなプロジェクトに入ってしまって、その中の人員として動くこともあるかもしれません。
だからこそ、まずは自分を優先しましょう。
私は会社員からフリーランスに転向しましたが、フリーランスになるまでその当たり前のことすらわかっていませんでした。
単純に考えてください。プロジェクトで数か月~数年間、馬車馬のように働かされるだけでそれはあなたの将来のためになるでしょうか?
なるとしたら貯金が増える程度です。
SEとして働いてきて、SE企業の将来は、限られた人員の中でどのように効率的に知恵と技術を用いて、プロジェクトを遂行するかで生き残る企業は決まってきます。
自分自身も将来企業に必要とされる人材になるためには、どこで攻めるべきなのか、どこで引くべきなのかを見極める力が必要になります。
ITエンジニアの将来は働き方が多様化するかもしれない
これまでITエンジニア業界全体の問題をふまえ、私の経験、そして、業界がどのように変化していくのかについてお話ししましたが、次に「個人」視点でITエンジニアの将来はどのように変化していくのかについて、お話ししていきます。
今までは普通に会社に通勤して、エンジニアとして何年も働き、何度か転職もあるかもしれないが、定年までこのようなルーティーンで活動するというのが一般的でした。
しかし、今後は、私と同じようなフリーランスという働き方がどんどん普及していく可能性が大いに予想できます。
将来生き残るITエンジニアでお話ししたように、
- 新しい技術
- 能動的な活動
これができるのであれば、会社に所属して活動するより、フリーランスとして活動した方がいい場合もあります。
フリーランスとして働く選択肢に未来はあるのか?
ではITエンジニアとして働く選択肢でフリーランスを出しましたが、フリーランスの方が業界の将来以上に自分自身の将来に不安があるのではないか?と思われる方も多いです。
確かに、自分の行動で何か問題が起きた場合には、会社が責任を取るのではなく、全て自分自身で責任を取らなければいけません。
保険や年金も会社員の場合は会社と折半で支払っていましたが、フリーランスは満額支払わなければいけません。
仕事も誰か上司のような存在から、「この仕事をして」と渡されることは絶対にありませんし、最低給料の保証なんて存在しません。
これだけマイナスなことを言うと、絶対に嫌だと思われるかもしれませんが、私がフリーランスになってまず最初に感じたことは、
今までの理不尽なストレスから全て解放された
これが真っ先に出てきます。
さらに自分のやりたい仕事をいつでも選ぶことができる点が会社員では絶対に体験できることのない最大のメリットです。
IT業界の将来はまだまだ明るいですが、個人としての将来も明るくするのであれば、フリーランスとして働くという選択肢も十分に選択肢として捉えてもいい時代になってきています。
「仕事が見つからない」というデメリットがありましたが、現在はクラウドソーシングサービスや斡旋サービスであったりと、多種多様なプラットフォームがあります。
今までは、顧客との人脈が無いとフリーランスとして活動できないとまで言われてきた働き方ですが、まっさらな状態からフリーランスとして働くことができます。
将来を決めるのは自分の行動次第
最後にフリーランスについてお話ししてきましたが、ITエンジニアとしての将来を重要視するあまり、自分の将来についてあまり深く考えない人が多い気がしています。
確かに生きていくためには、働いてお金を稼ぐことが重要です。
しかし、働き方は自由に選べます。
今までのように、会社員になって何十年も勤続して、年金をもらって生涯を過ごすという時代は終わりを迎えています。
業界の将来は予想しやすいですが、自分自身の将来を見据えるのは現実的に不可能です。
私自身、「会社員として働いて10年ぐらいで転職して・・・」と考えていました。
しかし現実はそうではなく、私が経験した最悪のプロジェクトを機に退職、そしてフリーランスとして活動するなんてその頃は一切想像していませんでした。
だからこそ、自分自身の将来はその時の行動次第で劇的に変化します。業界の将来については全てお話ししました。
ここからはあなたの将来を考えてみてはいかがでしょうか?