【経験者は語る】ITエンジニアはなぜきつい?3年間エンジニアをしていた私が本音で語ります
社会の急速なIT化に伴って、需要が年々増加しているITエンジニアですが、調べてみると「きつい!」ということをよく見かけますね。
基本的にパソコンの前でひたすら作業をしているイメージの強いITエンジニア。
しかし、肉体労働をしているわけでもないのになぜそこまではきついと言われるのでしょうか?
そこで、実際に3年間ITエンジニアとして働いていた私(現在フリーランス)が、「ITエンジニアはきつい」と言われる理由を包み隠さずリアルにお話していきますので、ぜひ参考にしてください。
ITエンジニアの仕事内容とは
実際にITエンジニアというと、システムやサイト等、様々な電子コンテンツを生み出す仕事のことを指しますが、電子コンテンツを生み出すといってもどのような手順で生み出しているのか簡単に説明していきます。
顧客の要望に沿ったシステムを構築する仕事
ITエンジニアの仕事の本質は、
「顧客が作って欲しい電子コンテンツを要望通りに構築していくこと」
これが全てです。
細かい工程はありますが、顧客からヒアリングを行い、実装して欲しい機能などを事細かく引き出していく要件定義から始まり、最終的に実際に作り上げたシステムの運用テストまでの流れが基本となります。
規模が大きくなると1つの案件で複数のメンバーが従事するようになり、顧客からの要望を細かく分析し、そこからどうやってシステムに落とし込んでいくか考え、設計書を作成していく上流工程を担当するSE(システムエンジニア)とその設計書を元にプログラミングから動作の確認までを行う下流工程を担当するPG(プログラマー)に分けられます。
細かい担当は違えど、顧客からの要望をチーム一丸となってシステムを作り上げていくというところは、完成したときの達成感は中々味わえないものです。
これだけ見るとかなりやりがいのある仕事だと思うが・・・
顧客の要望に合わせてチーム一丸でシステムを作り上げていく。
これだけ聞くとやりがいがあるように感じますが、現実はこんな単純ではなく、様々な問題が生じ、紆余曲折を経て完成させなければならないのがITエンジニアの宿命です。
他の職種と比べて比較的高い確率で理不尽な経験をするのがITエンジニア
必ずしも理不尽なことが起こるというわけではありませんが、ITエンジニアでは結構な頻度で理不尽な問題が発生します。
ではどのような問題が生じるのか、そこで発生する理不尽なことは一体何なのか、
数年間システム業界で働いてきた私が実際に体験したこと、それ以外にも見たり聞いたりしたことを全て包み隠さずお話ししていきます。
私が経験・聞いたITエンジニアでのきつい体験談
中学生、高校生の将来なりたい職業でも上位にランクインしているITエンジニアですが、他の業種に比べて理不尽なケースに見舞われることが比較的に多いです。
しかしどんな理不尽なことが起こるのか想像しにくいと思いますので、ここからは私が実際に経験、聞いたITエンジニアのきつい体験談を解説と共にお話ししていきますね。
1.新卒の経歴詐称
いきなり経歴詐称という爆弾発言をしましたが、私が経験した限りでは、中小企業のITエンジニア業界ではそこまで不思議なことではありません。
まず前提として、IT業界だけではなくどんな業界でも新卒には一定期間の研修があります。
その後、様々な案件に割り当てられ、実務を行いながらどのような仕事を行うのかを理解していきます。
この前提を把握してもらって、ここからは私が実際に経験したことをお話しします。
【経験談】新卒入社でありもしないプロジェクトに2年近く携わったことになっていた
当時私は中小企業の派遣型システムエンジニアとして就職しました。そこでまずは1ヶ月程度ビジネスマナーや電話対応を行った後で、案件に参加するために顧客との面談を行いました。
ここまではあまり不自然な箇所はありませんが、問題はここからでした。
面談にはスキルシート(就活での履歴書のようなもの)を相手先企業に渡すのですが、その時は上司に準備してもらっていて、その時に初めて見たのですが、約2年間大きな案件に携わった、自社案件に数ヶ月携わった等の身に覚えのない経歴が見え、ここで私の経歴を詐称されていることが分かりました。
これで何がきついのかというと、本来であれば、自分の能力によって適切な仕事を受けることができれば、学びながら仕事ができ、多少きついことはありますが成長することができます。
しかしながら、経歴詐称をされてしまうと、本来の自身の能力以上のことを理不尽に求められてしまい、それができないと能力が低いと身勝手な評価を受けてしまいます。
実際に入社2ヶ月目からかなりの仕事量を求められ、毎日のように残業をしていました。
最終的に割り振られた作業を完了するまでに時間がかかり、さらに進捗状況もあまり良い状態ではなかったため毎日怒鳴られ、その常駐先は長くは続きませんでした。
中小企業の場合、実務経験を積むために客先常駐という形で社員を派遣するのですが、新人の場合、実務経験がないので中々常駐先が決まりません。
常駐先が決まらないということは、その間は売上が上がらず赤字になります。
そういった際に売上を上げるために行われるのが経歴詐称です。
新人社員の場合、もし常駐先が見つかったとしても契約費用は2~3年の実務経験ある社員に比べて約20万ほど安い単価で契約するのが一般的です。
そこで経歴詐称を行うことで、新人社員ながら実務経験がある技術者として扱うでき、客先からは即戦力と認識され、新卒より高い契約になり自ずと売上が上がります。
さらに新入社員はそもそもの基本給が最低ラインから始まるのでその分会社としても利益が残る仕組みになります。
そのため、ただの使い捨ての人材を使っていると思っている企業にこのような傾向があります。
実際にこのような企業に就職してしまった場合は得られるものは確かにありますが、その分メンタルや体力が擦り減っていきますので、適切な時期に辞めることも検討したほうが良いでしょう。
2.急な炎上案件へのアサイン
どの業界でも納期が厳しかったり、進捗が芳しくない案件があった場合には、人員の追加をして対応することがあります。
ITエンジニア業界も同様に人員の追加や、タスクを増加して対応していきます。
では、ここでお話しするのは私が体験した炎上案件へのアサインについてです。
あまり馴染みのない単語が出てきているのでまず始めに解説すると、
炎上案件
炎上案件とは、大きなトラブルが発生し、円滑な業務遂行が不可能な状態に陥って、関係者が残業続きの状態になったり、場合によっては顧客との料金返金などの交渉や裁判などが発生したりしている案件のことをいいます。「デスマーチ(死の行進)」と呼ばれることもあります。
引用:日経XTECH「頻発する「炎上」、避けるか成長の糧とするか」
アサイン
主にビジネスシーンで「任命」や「割り当て」の意味で用いられる表現。英語の assign をカタカナ読みした外来語である。日本語では「割り当てる」「与える」「命じる」といった言葉で訳出されることが多い。
引用:weblio辞書「アサイン」
この用語を頭の中に入れておくとこれからの話がよく分かります。
【経験談】炎上案件へのアサインが続くと相対的に評価が落ちる?
私自身、このような経験は非常に多く、会社の中では、一定の案件に従事するのではなく、都度進捗が芳しくない案件にアサインをされていました。
この中で特に酷かったのが、この後にも経験談として紹介しますが、当時のプロジェクト責任者が仕事を放棄するということが起こりました。
放棄するとどうなるかというと、当たり前ですが、他の人がその負担を担わなければいけません。当時別案件に従事していましたが、私もその案件へアサインされました。
細かい内容は伏せますが、初日から3時間以上残業、その後は基本的に終電近くまで残業が当たり前、毎週1回は徹夜、このループが2ヶ月程度続きました。
この体験を話すだけでも、体力的、精神的にきついと思われてしまいますが、さらに追い打ちをかけたのが、人事評価です。
炎上案件へのアサインされるとなぜか人事評価が落ちる?
これは会社目線で考えると至極当然のことなのですが、会社員からするとメインの案件は別にあるにもかかわらず、ボーナスの査定面談を行った際に、上司から言われた内容は「あの〇〇案件(炎上案件)の成果がよろしくないから評価は低くしました」という少し理不尽な評価でした。
正直・・・この時は会社に心から怒りを覚えました。
とはいえ、それまでもずっと長い時間会社に拘束され、仕事しかしていないのです。
転職も移動も考えられず、ただ泣き寝入りするしかありませんでした。
それこそフリーランスで働いている今なら「絶対におかしい!」と声を上げられますが、基本的に会社に務めている人は、フリーランスや起業をしたことはなく、一度も経営者目線に立ったことのない方がほとんどだと思います。
現に私自身もこの時は新入社員3年目程度でこの会社の世界しか知りませんでしたし、同じ様にこの不公平な人事評価に涙をのんでいるエンジニアの方は少なくありません。
3.定時で帰ると不評を買ってしまう
これは2つ目の炎上案件からも繋がってくるのですが、当たり前ですが、全ての企業には、始業時間と終業時間があります。
この時間が何度も炎上案件や繁忙期になれば、曖昧になりがちです。
実際に仕事が終わったから、外せない用事があるから事前に定時で帰ると報告している時でも、定時になっても数人が少し慌ただしくなるだけでそれ以外の方は一切気にすることがなく仕事を続けているという光景を見たことはありませんか?
私はかなりの頻度でこの光景や雰囲気に遭遇し、常に帰りづらい雰囲気になっていました。
こういった「定時で帰ること」を良しとしない企業風土の会社もありますし、ひどいところでは定時で帰ることで人事評価にマイナス査定が入る会社もあります。
極端な話ですが、この1日あたりの仕事が消化できれば毎日固定で8時間拘束される必要も一切ありません。
むしろ、早く終わったならばその分自己研鑽やストレス発散の時間に当てたほうがパフォーマンスは高くなると考えています。
特にエンジニアで先程述べた定時で帰りにくい会社の場合は自分の仕事が終わっても定時以降も残らなければいけない。なんて事態もよくありました。これでは仕事を早く終わらせようというモチベーションは上がりません。
自分の仕事を早く終わらせても他の人のサポートをしなければならない
これはどんな企業の社員でも一度は経験したことがあるのではないでしょうか?
どんなITエンジニアの企業、どんな案件でも、まず最初にスケジュールを組むことから始まります。
そこで月あたり、週あたり、1日あたりの仕事が決まってきます。
極端な話ですが、この1日あたりの仕事が消化できれば毎日固定で8時間拘束される必要も一切ありません。
【経験談】サポートを安易に請けるとほぼ定時で帰れなくなる
それでは、ここからは私の経験談になりますが、それこそ先ほどお話しした炎上案件についてです。
自分に割り振られた作業を全て消化し、帰ろうとすると上司から、
「〇〇君のタスクが芳しくないからフォローしてもらえる?」
と言われ、仕方なくフォローしましたが、それが完了すると同時に別の遅れているタスクを割り振られ、結局夜遅くに帰らなければいけなくなった。
ということがこの案件だけで週に1、2回は発生していました。
最終的に定時で帰ることができた日は、上司が用事で別の場所に行っている時にしか帰ることができませんでした。
酷い場合だと、帰りの電車を待っている中、電話が掛かってきて「ちょっとヘルプ入ってくれない?」とも言われたこともあります。
最終的に自分のタスクに進捗まで影響し始め、非常に辛い期間を過ごしていました。
今の企業は要領がいい人ほど損をするシステムになっている
「1日の仕事を1時間程度で終わらせることができるような仕組みを作ったから、8時間かけてこの仕組みを稼動させる」
こういった投稿であったり、話を聞いたことがありますか?
私はこのような話を会社員時代よく聞いていました。
今の日本企業の特徴なのですが、年功序列で、できる人、できない人関わらず、基本給は同じ、昇給タイミングで少しの誤差が生じるかもしれないが、月に数千円程度しか変わらない。
このような仕組みなので他の人の2倍働いても得られる給料はほぼ変わらない。
この仕組みが適用されている内は、ここでお話ししたように要領のいい人ほど、仕事に対する正当な成果をもらえません。
だからこそ、優秀な人がどんどん転職や退職をし、フリーランスになったり、起業をする傾向はより顕著になってきています。
関連記事:【現役体験談】ITエンジニアとフリーランスの仕事内容の違いと待遇/収入面の差は?
4.一人の仕事容量以上の仕事を振られる
特にこれがITエンジニアがきついと言われている最たる理由です。
ITエンジニアの企業の多くは一般的に、
- 営業が案件を請けるか交渉を行う(営業、もしくは役員がその案件に対しての見積もりを行う)
- 見積もりを行っている最中、見積もり後にスケジュールやタスクの詳細部分を確定させる
- 案件にアサインする社員のピックアップ
このようなフローで進んでいきますが、経験豊富な方や、単純に能力が優れている方ではない限り、そのスケジュール通りに行くことはまずありません。
何かしらの追加タスクであったり、作業のボリュームなどでスケジュールにズレが生じていきます。
一般的な傾向として、重い作業もあれば軽めの作業もありますのでそこで相殺して最終的にスケジュールを調整することができます。
しかし、そもそものスケジュールが破綻しているにも関わらず案件を受注してしまうことがあります。
例えば、
- 〇万円でしか案件を受注できなかった
- クライアントがタイト(短い・きつい)なスケジュールを要求している
このようなパターンで案件へアサインされた場合には、1人が1日の作業量以上の仕事が降りかかってくる可能性があります。
作業する社員は実際にクライアントと交渉することはなく、実際に交渉するのは営業や役員の方なので、現場の技術者がそのスケジュールだとかなりタイトになると思ったとしても、現場の声が聞き入られることはありません。
このような状態で案件を進めていくと、作業量が多くて日々残業をしながらタスクを消化してきたが作業のクオリティが低くなり、そこでバグやトラブルが発生すると、それをリカバリーするために、別の作業が発生する・・・
このような悪循環に陥ってしまう可能性があります。
ここで一つ経験談をお話させてください。
私の話ではありませんが、以前働いていた私の上司の話です。
【経験談】残業しすぎて離婚の危機?
私もこのようなスケジュールに無理がある案件にアサインされたことがあり、私が入った数週間後にその上司がアサインされました。
非常に腰が低い人で、部下であっても丁寧な対応で素晴らしい人だなと感じていましたが、仕事をしていくうちにその人の欠点が浮き彫りになりました。
それは、どんな作業であっても
「私も手伝いますよ!」
と安請け合いしてしまう所です。
私も頼ることがありましたが、自分の作業を止めてでも相談に乗ってもらえるので私自身の作業は進みましたが、当の本人は止まった状態、そういったこともあり、毎日残業をしていました。
上司自体も私以上にかなりのボリュームのタスクがあり、毎日終電、さらに、土日も当たり前のように出社していました。
その状態で1ヶ月近く経つと、上司の目がどんどん虚ろになっていったのを今でもよく覚えています。
月終わりに上司の勤務表が気になり見せてもらうと、残業時間が170時間という見たこともない数字でした。
土日も休み無しで働き、月に5日程度しか休んでいませんでした。
その休みに気晴らしに軽くお酒を飲みませんか?と誘ったところ、承諾してもらって少しぶっちゃけた話をしていたところ、既に既婚者で子供もいるようで、奥さんからは、
「土日も仕事ばかりで平日は深夜にしか帰ってこないってどういうこと?」
と詰められていたようです。
その時点で奥さんは子供と一緒に実家に帰っているようでした。
そこで「時間的に無理なことは無理って言わないといけない」と私と上司で決意しました。
最も大切なものを失うために仕事をしているわけではないので、何を優先させるのかを明確にしておく必要があります。
5.休みが勤務先によって変動する
これも意外ときつい要因になります。
就職活動をしていく中で重要な箇所として挙げられているのが、「週休二日制」なのか「完全週休二日制」の2パターン。
その次に確認すべき点が、自社内で開発をするのか、それともクライアント等の他社で開発をするのか、そして休みは勤務先に準拠するのか、自社で決まった休みが取れるのかを確認しなければいけません。
【経験談】同期と休みが一切合わない・・・
私が以前常駐した企業では、「工場休み」といって、祝日はなくその分お盆や年末年始の休暇が長くなる休み方で、私の会社でもその方針に準拠しなければいけませんでした。
しかし、会社で行われるイベントは、基本的に祝日込みの3連休で組み立てられていたため、結局私はその間一度も参加することができませんでした。
さらに私の同期が10名程度入っていたのですが、同期も休みを利用して一緒に旅行をしたりするなど、楽しそうにしていたのを今でも覚えています。
いざ私が休みになると会社は通常通りなのでどこかに行こうとしても、私一人で遊びに行くことが多かったです。
一体何のために仕事をしてお金を稼いでいるのだろうと精神的にきつい要素の一つでした。
きつい=理不尽な事案が集結して総合的に「ITエンジニアはきつい」と言われている
これまで5つの私が経験した「きつい」ことを挙げましたが、この中であなたが一つでも心当たりのあることはありましたか?
ITエンジニアだけでなく、どんな業種の方でもあり得るようなこともあり、一概にITエンジニアだけがきついということではありません。しかし、仕事柄理不尽なことが起きやすく、それが他の職業に比べて総合的に多いのできついと思われやすいのではないでしょうか。
どんな仕事でも理不尽は存在する
先ほども軽くお話ししましたが、今回お話ししたことがITエンジニアでしか起こりえないということはありません。
ITエンジニア以外でもこのようなことはいくらでも起こってしまいます。
その内容の度合いは変わりますが、あなた自身が仕事をしている限り、上司や顧客からの理不尽な要求など、理不尽な出来事は必ず起きてしまいます。
そういったことがストレスの原因となり、積み重なって最終的にはきついということに繋がります。
ITエンジニアは理不尽な出来事が顕著に起こりえる
ではなぜITエンジニア=きつい仕事だと言われているのか。
その要因の一つとして理不尽なことが起こりやすいことが考えられます。
これは何故なのか、私がITエンジニアとして数年働いてきて感じたことは、そもそもITエンジニアは開発するとだけ知られており、簡単に開発できると思っている方が多いからこそ、単価を絞られたり、納期を絞られたりする傾向があります。
実際にどのようなことが起こりえるのか、例として2つのパターンを挙げてみます。
急な仕様変更
元々決まっていた仕様に対してプログラミングやコンテンツを作成しているにも関わらず、急に
「このような仕様に変更したい」
ということが起きます。
例えばWindowsで動くシステムを開発するように進めており、それに対してプログラミングまで行っていた時に、急にMacでも仕事をするからその仕様に変更したいという要望が出てくるというイメージです。
ITエンジニアでない方は、
「中身は変わらずに見た目が変わるだけだから特に問題ないよね?」
と思われがちですが、実際には、動作確認も2倍になり、テストも2倍、さらにMacだとそもそも動作しないということが起こってしまうと、また一から作り直しということもざらにあり得ます。
顧客が簡単にできるという認識だと、納期を延ばしたり、追加の費用を請求することが非常に難しく、かなり根気強い交渉が必要になります。
ここで間違った対応をしてしまうと、「炎上案件」になりかねません。
相手の都合で急に納期を早めさせられる
ITエンジニアに訪れる理不尽は仕様変更だけではありません。それは、納期の短縮です。
経験談でもお話ししていましたが、基本的に納期に沿ってタスクのスケジュールが決定します。
その中で、
「この日からシステムを使いたいから納期を早めてもらえないか」
といったことも起こります。
始めはある程度納期まで余裕がある案件だったとしても、実際にはバグが発生したり、先ほどお話ししたような仕様変更などもありえるため、そこまで余裕はありません。
その中で納期の短縮があると今までの余裕が全て無くなり、地獄のような忙しさになります。
人員を追加するだけでいいと思われてしまいますが、その案件の内容を理解しなければアサインされても使い物になりません。
そのため、基本的には納期の短縮を提案された場合でもその要望に応じないことが多いのですが、なぜか納期短縮に応じてしまう決定が下った場合、職場は地獄となります。
どんな案件でも私が経験したことのようになってしまう可能性がある
ITエンジニア業界では納期や予算との兼ね合いもあってタイトなスケジュールの場合が多く、このような急な仕様変更や納期の前倒しが発生すると、それまで何も問題がなかった案件でも終電まで残業、休日出勤が当たり前、さらには会社に泊まり込んで朝まで仕事という状況にもなりえます。
どれだけ個人で注意を払っていたとしても運が悪いとどこでも起こり得る問題です。
入社前に「基本的に定時で帰れるよ!」と話している会社でも、実際のところは入社しないとわからなかったり、本社は定時上がりだけど常駐先は一切定時上がりの制度はない。といった話も聞きます。
実際の所、ホワイト企業かどうか?は入社しなければわからないのが実情です。
ITエンジニア業界は企業や人によって当たり外れが大きい
ITエンジニアに就職をして、私が経験したようなことがあり、別な企業に転職をしたいという方は意外にも数は多いです。
その理由としては、
- 上司の質が悪い、そのせいで仕事量が増加している
- 取引先に問題があり、その取引先と関わりたくはない
このような理由があります。
現に私が新卒として就職した企業を退職した理由が、2つ目の取引先に問題があるパターンでした。
当時私が就職していた企業が中小企業です。取引相手は誰もが名前を聞いたことのある大企業。長く続いている取引先でも有り、企業同士のパワーバランスがあることから会社で働くこと=その取引先と働くことでもありました。結果的に、関わりたくないのであれば私自身が辞める選択肢しかありませんでした。
その相手先の方もかなりきつかったようで、私が関わっていた案件だけで数名の若い方が退職されていました。
「就職前に口コミとかでわからないの?」という意見も聞きます。
確かにネットで調べると、大企業の情報はかなり多く出てきますが、中小企業であれば企業サイトぐらいしか見つけることができません。
大企業より中小企業に就職する方が圧倒的に多く、その中から外れを引かないようにしてもそれこそ時の運になってしまいます。
何のために働いているのか分からなくなって日々がきついと思い始めたら思い切って行動してみよう
新卒として就職して、私のようなきつい思いをして体力的にも精神的にも辛くなってきたら、その現実を享受せずに誰かに相談する、最終的に退職することも考えてもいいです。
ここで、例えば上司に相談した際に「とにかく頑張れ!」と根性論に走るような上司であれば退職や転職を検討することをおすすめします。
反面、「何がきついのか明確にして、その原因を軽減させる」ように行動する上司がいらっしゃるのでしたら、残るべきかを検討しても良いでしょう。
理想的なのは「何がきついのか明確にして、その原因を軽減させる」ように行動する上司です。
このような上司がいる企業は当たりの企業です。
感情のキャパシティは人によって異なります。このような相談をすると、「もうちょっと頑張ってみよう」というアドバイスをする方が非常に多いのも現実です。
最終的に私も精神的に辛くなり退職しましたが、その経験は一切公開していません。
むしろ今まで無くなっていた向上心も復活し、これからに向かって前向きになることができました。
退職して気になるのはお金の話になりますが、うつ病などの精神的な要因であれば傷病手当金も退職後でも支給されますし、次に進もうとした際には失業給付金も申請できるので落ち着いて企業探しが行えます。
一度うつ病などの病気になってしまうと回復するまでに時間がかかったり、その仕事が二度とできなかったりと様々なトラウマが生まれてしまいます。
だからこそ本当にまずいと思ったのであれば自分が行動を起こすこと心がけましょう!
ITエンジニアは自分次第でリスクを回避できる
これまでにITエンジニアの理不尽なことやきついことをお話してきました。
さらにその理不尽なことを回避することはその時の社員だったり請けている案件次第なので運次第です。
しかし、自分次第である程度の回避は可能です。
そのためには自分の技術スキル以外にも身に付けなければいけない能力があります。
それが交渉能力です。
交渉できるようになれば自分の要望に沿って行動できる可能性がある!
私も会社に務めている時にこの交渉術を身に付けておけば少しは状況が変わったのではないかと感じました。
ここで言う交渉とは、
- 自分の意見を明確に伝えられること
- 自分の意見を通すためにはどのように話せばいいのか
このようなことです。
会社員の内は、本格的な交渉術を手に入れろということではなく、自分の意見を正確に伝えられ、どのように承認してもらうのかを考えられれば、仕事に対するストレスは軽減されるでしょう。
そして、その交渉術をスキルアップさせることで、転職やフリーランスになった時の単価交渉も問題なく行うことができます。
フリーランスになって年収が上がるエンジニアの必須要素
一部の方はフリーランスになるということを一度は考えたことがあるのではないでしょうか?
私もその時貰っていた給料に満足できずにフリーランスになることを考えました。
フリーランスになると、完全に企業に所属するわけではなく、仕事以外で上司との関わりがあるというわけではありません。
フリーランスは面談の時点で、「どのような仕事をするのか」「どれだけの単価、期間で雇うのか」を決め、そこから実際に仕事を行うという仕組みになります。
理不尽に仕事が増加することや、上司からの理不尽な要求に答えなければならないといったことは無くなります。
しかし、フリーランスになることによって発生するリスクに付いても考えなければいけません。
次にどういったリスクがあるのかピックアップしていきます。
一定の能力が必須
当たり前ですが、企業に所属しているITエンジニアと違い、フリーランスは完全な実力主義です。
能力があればどんな企業からの案件だろうが、受注することができます。
しかし、臨んだ実力や単価のフリーランサーではない限り、見向きすらされません。
それだけではなく、いざ仕事が受注できたとしても実力が低いと判断されると、その月で解雇されます。
そうなると自分の信用が失われたり、最悪の場合には二度とフリーランスとして活動ができないようになる可能性もあります。
交渉力がなければ話にならない
次に交渉力です。
交渉力についてはこの前にお話ししましたが、会社員の頃から身に付けておいた方がいいスキルであり、ここでは会社員と同様のスキルだけではなく自分のスキルに対してどれだけの費用を請求するのか、そこで相手に対して自分自身を売り込まなければいけません。
この売り込む力がなければ相場より安い単価になったり、労働条件、例えば残業時間のみなし時間を何時間にするのか等、自分に対して不都合な条件で請けなければならなくなります。
私がフリーランスとして様々な案件を請けてきた中で、能力を培うことももちろん重要です。
しかし、フリーランスで最も大事なことは、交渉力含め「コミュニケーション能力」だと考えています。
仕事を発注する場合に重視されていることは能力もそうですが、コミュニケーション能力がある方が重要視されやすいです。
フリーランスになると、知り合い以外の方と付き合う機会は非常に多いので、目指している方は必ず身に付けるようにしましょう。
ちなみに、今の貴方のスキルでフリーランスになったら年収が上がるのか?下記テストでは3分で簡単診断できるので、ぜひ一度試してみてください。
余りにも理不尽なことが多ければ、転職やフリーランスになるという選択肢も持っていい
これまでITエンジニアがきついと言われている理由と私の体験談、そしてどうやったらきつい仕事では無くなるのかについてお話ししてきました。
私自身ITエンジニアの仕事はきついと思っています。
しかし、その分自分自身でゼロの状態から新しいものを作っていく仕事だからこそ、それに見合うやりがいを感じます。
そのためどれだけきつくても、以前の会社でうつ病になってもフリーランスとしてやり続けられています。
会社員の間に余りにも理不尽なことが多かったり、残業や休日出勤が多すぎる、そういう時は精神的にも体力的にも限界を迎えていることが多いです。
酷い場合には電車を待っているホームで自殺を考えてしまうほどです。
厳しいことを言いますが、助けを出すのは仕事仲間や友人、家族ではありません。
自分自身でアラートを出せなければ何も変わりません。
限界を迎えそうになった場合には、ここでお話しした「上司に相談する方法」を試し、それでも難しければ転職、フリーランスになるという事を考えてみましょう。
しかし、それまでのきつかった仕事が何のためにもならないというわけではありません。
少し視点を変えると、これまでにこなしてきたきつい仕事の分だけ自分の能力が備わったという見方もできます。
実際、私自身フリーランスとして独立してから年収は上がりましたし、特に時間に関しては大きなゆとりを持つことが出来ました。
スキルを身につけることが出来た点に関しては、元々の会社に心から感謝しています。
しかし、あのまま同じ会社に勤め続けていたら、きっとスキルも大きくは変わらず忙しい日々に流され「自分が何がしたいのか?」もわからないまま過ごしていたかもと考えると少しゾッとすることもあります。
ある程度実力が備わり、その職場でこれ以上学べることがないと感じてきたのであれば、それ自体が転職のサインかもしれません。
会社の中にいるとどうしても忘れがちですが、今勤めている会社だけが全てというわけではありません。
何のために働いているのか分からない、きついだけで何も得られないというのであれば、自分がフリーランスになれるのか?少し調べてみることからスタートしてはいかがでしょうか?