ITエンジニアで年収1,000万円を目指すための5つのシナリオとは?
あなたは、今の仕事でどれぐらいの給与をもらっていますか?
多くの方は日々何らかの仕事をして、毎月一定の給料をもらい、その中で生活をしています。しかしその中でも、今の給料に満足していないという方も多いのではないでしょうか?
今回は、タイトルの通り、ITエンジニアで年収1,000万円を現実的に稼ぐための5つのシナリオ、そして、その年収を狙うために必要な条件や、どのような企業だと達成しやすいのか等を細かく紹介していきますので、ぜひ今後の為に参考にしてくださいね。
そもそもITエンジニアの平均年収は?
まずはそもそもITエンジニア自体の年収はどれほどなのかを知ることで、今自分自身がどの立ち位置にいるのかを理解しておきましょう。
下記は転職サイトdodaが2020年12月に実施した年代別の年収データです。
画像出典:doda「ITエンジニアの年代別平均年収」
上記のデータを見ると、ITエンジニアの30代の平均的な年収約500万円前後だと言われていますね。
通常の企業だと年に一度収入証明書を貰うと思いますが、私が働いていた企業では、システムエンジニアとして新卒から勤続3年目の年収は残業代等を全て入れても約440万円程度でした。
20代前半でこれだけもらえれば、30代で年収500万円達成するのはそこまで難しいことはないだろうと思いがちですが、実は30代になっても年収が数万円~10万円程しか上がらない場合もあります。
20代のうちはどんな企業でも年収はそこまで変化がない(実体験)
私は新卒として中小企業に就職し、私の友人はシステムエンジニアとして大企業に就職しました。
就職した後もよく連絡を取っていましたが、そこで年収の話をすると新卒の場合だとボーナスの有無にもよりますが、年収が20万円~30万円程の誤差でした。
だったらどんな企業に入っても良いのではないかと思われがちですが、そんなことはありません。
始めのうちは昇給率はどの企業でもほぼ変化しませんが、20代後半~30代前半にかけてはどの企業も昇給率が高くなります。
そのため、30代まで働くと仮定すると、中小企業と大企業では毎年約10万円、年収レベルでは120万円以上の差が開き続けてしまいます。
年収1,000万円という目標はどんな人が、何人達成しているのか?
一般的な平均年収を頭に入れたところで、本題の年収1,000万円についてお話ししていきます。
安直に年収1,000万円と言っても全然イメージが湧かない方もいるのではないでしょうか。
そこでまずは、日本で年収1,000万円を達成している人はどの程度いるのか、職種等についても調査してみます。
まずは人数を調査します。
国税庁の「民間給与実態統計調査(令和元年分)」を見ることでほぼ正確な人数が分かりますが、年収1,000万円以上の給与を得た方は約5,255万人の中で約256万人、割合にしてたったの4.8%です。
画像出典:国税庁「民間給与実態統計調査.(第 16 表)給与階級別給与所得者数・構成比」
上記の表を見て頂いても分かる通り、日本で働いている約5,255万人の中でたった4.8%の方しか年収1,000万円を稼げていないことが分かりますね。
年収1,000万円を稼いでいる人はどんな職業が多い?
ではその4.8%にはどのような職業の方がいるのでしょうか?
こちらはマイナビなどの大手サイトが調査しているようで、それを参考にすると、
- システムアナリスト:年収1,635万円
- 経営コンサルタント:年収1,635万円
- システムコンサルタント:年収1,024万円
上位3つの職業が平均的に年収1,000万を超えている職業です。
画像出典:マイナビ転職「2021年版 職種別 モデル年収平均ランキング」
この中の1位と3位がITエンジニアの職業ですが、あまり馴染みのない職業かもしれません。現に私自身もそのような職業があったのかとここで初めて知りました。
稼げる職業の共通点は?
3つの平均年収1,000万円の職業を出しましたが、この3つの職業には共通している点がいくつかあります。
- 顧客の相談に応じて何かを提案する
- コンテンツを作る以前の工程の職業が多い
このような共通点があります。
なぜこの共通点で年収が高い職業が多いのかというと、顧客から直接案件を請けやすいという点です。
コンサルタント・アナリストは相手からの要望を論理的に経営やシステムに落とし込むことが仕事です。であれば、自然と顧客から直接仕事を請けることが多くなります。
これがいわゆる「1次下請け」と言われています。
下請けになればなるほど自分自身の収入は下がる
まず大前提として、ビジネスは顧客が存在し、顧客から仕事を請ける下請けという仕組みで一部の企業を除き成り立っています。
この要因があるからこそ、大企業は基本的に顧客になりやすい、そして一次請けになりやすいという理由で総合的に年収が高くなります。
さらに1次下請け、2次下請け、3次下請けとなるにつれて収入は下がる傾向にあります。
実際にどの程度下がるのかを調査してみると、20代前半ではあまり違いはありませんが、20代後半~40代になるほど、その差が大きくなっています。
画像出典:国税庁「民間給与実態統計調査.第10表 事業所規模別及び年齢階層別の給与所得者数・給与額」
20代前半の場合は新卒が多いこともあり、どの階層でも人件費があまり変化がありません。しかし、20代後半から1階層ずつ下がるにつれ、100万円前後収入に違いがあります。
年功序列で収入が増加する30代、40代になると、その差が150万以上の格差が広がっています。
年収1,000万円を達成するための条件
それでは、ここから実際に年収1,000万円に到達させるために月収でどれだけ稼がなければならないのか等、どのような条件が達成できれば自ずと年収1,000万円が達成できるのかについて、お話ししていきます。
しかし、まず前提として理解しておかなければいけない点としては、今までお話ししてきたことはあくまでも「正社員、フリーランス」としてです。
経営者については後ほどお話ししますので、まずは分かりやすい正社員・フリーランスでの条件からお話ししていきます。
また、ここでお話しする年収の定義は手取りではなく、保険料や所得税等を引く前のことを指しています。手取りで1,000万円を得るのであれば、働く形態にもよりますが、およそ1.5倍の1,500万円を年収で稼がなければいけません。
ではそれぞれの形態によって、1,000万円を達成するために必要な条件についてお話ししていきます。
フリーランスの場合
フリーランスで達成しなければいけない条件は単純明快ですので、まずはフリーランスの場合から。
単純に1,000万円を12ヶ月で割ることで毎月いくら稼がなければいけないのかという条件が決まります。すると毎月稼がなければいけない条件として、約83万円です。
フリーランスの場合だとこれだけ毎月稼がなければいけません。ITエンジニアでフリーランスとして活動していくのであれば、収入の仕組みが2つあり、
- 1つのITコンテンツを作成~納品で一定の報酬を得る(請負)
- フリーランスとして企業に常駐で働く(委託)
このようになっています。
請負と委託の違いとは?
請負と委託というよく聞く言葉を出しましたが、そもそもどのような違いがあるのか、
- 請負:コンテンツの完成によって報酬を受け取る
- 委託:依頼された業務を行うことで報酬を受け取る
このような違いがあり、委託の方がより正社員に近く、大きなプロジェクトの場合、月数十万円で正社員と同様に常駐しながら働く方式です。
対して請負の場合は、一連のプロジェクトを完遂させた場合に報酬を支払う形式です。例えば、2ヶ月でWebサイトを50万円で受注した場合には、2ヶ月後に納品した場合に50万円が支払われます。
さらに正社員と異なり、どれだけ請けるのかはその人の自由ですので、月83万円を達成するための条件は正社員と比べて低いです。
正社員の場合
次に正社員です。
正社員の場合には月83万円を稼ぐために仕事を受注するということは基本的にできないと考えたほうが良いです。厳密には企業によってはできるのですが、その仕事は副業という扱いになるので、企業にとってもよく思われないことがあります。
しかし、年収1,000万円を稼ぐためには、単純にその会社でもらっている年収が1,000万円を超える、もしくは足りない分を副業をして年収1,000万円を目指すという方法しかありません。
最初でもお話ししましたが、年収1,000万円以上を稼げるのは、今働いている約5,255万人中たった、4.8%程度しかいませんので、正社員だと非常に厳しい条件になってしまいます。
副業で不足分を稼ぐ場合の注意点
先ほどもお話ししましたが、副業が企業にとってよく思われない場合があるということについて、そもそも企業次第では副業が禁止されています。
最近では副業をしても問題がないようになっていますが、それでも副業で稼ぐのは非常に難しいです。さらに本業は正社員で働いている方ですので、そちらが疎かになってしまうと本末転倒になり、年収1,000万円を稼ぐという目標がどれだけ作業をしても遠ざかってしまいますので注意が必要です。
さらに確定申告等、一般的に企業が行ってもらえることも自分自身で行わなければいけませんので、その分の負担も増加します。
年収1,000万円を達成するための5つのシナリオ
それでは、ここから実際にどのようにすると年収1,000万円を達成できるのかを紹介していきます。しかし、これらのシナリオはメリットやデメリットがありますので、それについてもお話ししていきます。
最初の3つは就職した状態で年収1,000万円を達成するためのシナリオ、それ以降は就職せずに年収1,000万円を達成する方法を紹介していきます。
シナリオ1.大企業で数十年間働き続ける
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まずは年功序列の仕組みを利用することです。年功序列は年齢を重ねることによって給料は上がります。毎年数千円でも10年間働くとそれが数万円、働き続けることによってその伸び率は上昇しますので、新卒と比べて十数年で10万円以上上がります。
そして、それだけの期間働き続けることができれば、おそらく立場上も何らかの役職を貰っている可能性があります。その場合には役職手当等も付与されるので一気に年収1,000万円の目標が見えてきます。しかしこれはあくまでも大企業に入っていることが条件です。
私が初めて就職した中小企業では、役職持ちで40代、50代の方でも最大で50万円程度しかもらうことができません。業績がよくボーナスが3ヶ月もらえたとしても年収1,000万円には届きません。
誰にでも年収1,000万円が達成できる可能性がある
それではこのシナリオの最大のメリットです。大企業と言いましたが、中小企業でもかなりの売上を上げている場合でも同様です。
誰にでも年収1,000万円を達成するチャンスがあります。役職を貰えるか否かにもよりますが、それはその人の普段の仕事や業績次第です。役職を貰えるチャンスは仕事をしているうちに何回もあります。
だからこそ誰でもチャンスは存在します。
期間が長すぎる
これを読んでいて真っ先に思ってしまうのは、
「何年間働き続けなければいけないんだ!」
ですね。
多くの人は40代、50代にならないと1,000万円を稼ぐことができないのかと感じてしまうことでしょう。
それが、このシナリオの最大のデメリットです。人生の最盛期の20代~30代が非常に平凡な生活になります。そのためいざ年収1,000万円を達成してもそれは自ずと老後の蓄えとなってしまうことでしょう。
シナリオ2.外資系企業に就職・転職する
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これも大企業ではありますが、外資系企業に就職・転職する方法です。
日系企業と違い、外資系企業は年功序列という風潮自体が薄いです。
そのため、給与体系が出来高制に近いのも大きな特徴です。
また、日本企業と比べて日本にある外資系企業はかなりの資金力を持っている場合が多く、そもそもの給料自体が高い傾向があります。
実際に外資系企業の「日本マイクロソフト株式会社」を見てみると、
2021年度の初任給実績は
- 大卒:月収517,000円
- 大学院卒:月収534,000円
技術職・技術営業職・営業/マーケティング職:募集にあたり
日本マイクロソフト株式会社では、従来より新卒採用を重要な人材戦略の一つと位置づけ、積極的かつ継続的に新卒採用を行ってきました。今後はさらに積極的な新卒採用を実施し、採用数も増加拡大する予定です。
<省略>
2019 年、2020年 4 月入社の新卒初任給を学卒基本年俸 620 万円 (月例給与 517,000 円)、院卒基本年俸 640 万円 (月例給与 534,000 円) に改訂しました。
一般的な日系企業の平均初任給、約20万円前後と比べてみても倍以上違っています。
そのため、一定の成果を出すことができれば、極論ですが20代前半でも年収1,000万円を達成することができます。
早い段階で年収1,000万円を達成できる
日系企業では、年功序列という仕組みを利用して生涯をかけて年収1,000万円を稼ぐようなイメージでした。しかし、そうすると年収1,000万円を稼いだ頃には、もうすぐ定年ということになってしまいます。
対して外資系企業であれば、まず就職さえできれば若いうちでも給料は日系企業の倍以上です。そして年功序列ではなく、成果を出してその分の評価によって翌年の給料が決まるので、1年あたりの上がり幅もほぼ上限が無く20代の若いうちでも年収1,000万円を達成することは十分可能です。
非常に高い技術力が必要
デメリットとまでは言えませんが、前提として外資系企業は非常に高い能力を持っていないと、就職することすらできません。
ITエンジニアだと、高度な国家資格を持っていたり、どのようなことを行ってどのような技術を身に付けているのかといった即戦力、かつ技術や能力が一般レベルより高い方しか就職することができません。
いざ就職することができたとしても、能力が低ければその分年収1,000万円の達成が遅くなってしまいます。
給料が下がる可能性がある
ここからお話しするのが、このシナリオのデメリットです。
外資系企業では、年功序列が薄く、基本的に出来高制に近い仕組みということをお話ししましたが、そうすると年収が下がる可能性も十分考えられるということです。
プロ野球選手をイメージすると分かりやすいですが、年俸1億円で契約しても、その年で結果を出せなければ年俸が半分以下に下がることも普通にあり得ます。
このように成果を残すことができなければ、たとえ年収1,000万円を達成していたとしても、翌年は年収1,000万円以下ということもあり得ます。だからこそ、この前にお話しした高い能力が必要という前提が必要になります。
シナリオ3.収入が上がりやすい企業に転職
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デメリット |
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次に多くの人が行っている方法です。どこかの会社に勤めていれば、年に一回誰かが転職をするということは経験したことがあるのではないでしょうか?
一部の方は「転職=悪いこと」と考えがちですが、転職する理由として、
- 「スキルアップのため」
- 「今の収入に満足できない」
という理由があります。
転職をするかどうかというのは個人の自由です。
そのまま働き続けてシナリオ1のように年功序列で稼ぐ方法を選択するのか、またはシナリオ2でお話しした外資系企業、もしくは収入が上がりやすい企業に転職する方法のどちらでも自身がこの道が良いと思った方を選びましょう。
自分の行きたい道を選択するように!
これはメリット、デメリットの問題ですが、
- 「あれはやめたほうがいいよ」
- 「その選択肢はオススメしないよ」
など、上司や友人から言われたことはありませんか?
私自身、普通に学校に行って、普通に就職していました。
そこから退職してフリーランスになっていますが、その際に多くの人から、
- 「オススメしないよ」
- 「失敗するからやめたほうがいいよ」
と言われた経験があります。
しかしその方法で進路を決定すると、基本的に失敗・後悔することが多いです。
理由は様々ですが、逃げ道もあり、責任転嫁ができるという気持ちもあるのかもしれませんが、何故か上手くいきません。
ここで私の経験上のアドバイスです。こういった選択肢で迷うことが何度もあるでしょう。
他の人からどうしたら良いのかを聞くことは情報収集において非常に重要ですので、どんどん参考にしても良いですが、最後は絶対に自分自身で進路を決めましょう。
他の人からの提言は基本的にアドバイスです。
そのアドバイスに沿って行動して失敗してもアドバイスした相手の責任にするのはお門違いですし、自分自身の責任です。
自分の人生は自分自身で決めて行動したほうが納得もできるし、濃密な経験ができます。
だからこそ常に自分自身がやりたい道を選びましょう!
様々なスキルを得られる
少し話が逸れましたが、3つ目のシナリオに戻ります。
転職はデメリットに思われがちですが、実はメリットが多いです。
そのメリットは、
- 常に自分を成長し続けられる
- 様々な人に出会うことができる
- 自分の評価が適切にされる
これ以外にもありますが、大きなメリットとしてはこの3つです。
同じ企業に長く勤務することも良いですが、転職をすることによって、様々な人に出会え、その場その場で必要なノウハウを盗むことができます。
さらに、今の会社ではあまり評価されていないスキルや知識でも別の会社では非常に重宝される人材になり、そのおかげで収入が上がるということも珍しいことではありません。
そうすることで一気に年収1,000万円を達成するまでの道が見えてきます。
私はこの後に紹介するシナリオのように会社を退職して、すぐにフリーランスになりましたが、転職するより難易度は高いです。
地道にコツコツと歩んでいきたいが、どこかで一段飛ばしをしたいという方にオススメのシナリオです。
見る人によってはマイナスに捉えられる可能性がある
先ほど転職はメリットが多いということをお話ししましたが、当然デメリットもあります。それは最初にもお話ししましたが、転職の捉えられ方の幅が広いということです。
最近では、転職するのは当たり前という風潮が出てきていますが、それはまだまだごく一部です。
会社員として働き始めたばかりで転職する人は、「ここが嫌になって辞めて別のところに逃げるんだな。」とも思っていました。実際にこのような思考を持っている人は転職をプラスに捉えられる方より多いです。
このマイナス面を払拭させるために、必ず明確な目標、今回だと年収1,000万円を稼ぐためのプランでは、次のステージに上がってさらに学ぶことが必要という目標を言うことができれば、基本的にどんな方でも納得してもらえるはずです。
シナリオ4.フリーランスとして活動する
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次にフリーランスとして活動するというシナリオです。実際にフリーランスで年収1,000万円を目指すのであれば、様々な仕事を請けることができれば十分にその目標達成が可能です。
例えば20万円の請負の仕事を月に4本請ける、半年間の長期で500万円の請負契約を結ぶ、このように年収1,000万円を稼ぐために様々なパターンがあります。
年収1,000万円を達成するための道がいくつもある
先ほどもお話ししましたが、フリーランスで年収1,000万円を目指すメリットとしては、年収1,000万円までのプランの多さです。
今までお話ししたシナリオだと、勤続年数、就職先、転職とパターンが非常に少ないです。
そして実際にこの条件を達成できる人はほんの一握りでしょう。
しかしフリーランスの場合、仕事はいくらでも探せます。その中の仕事の組み合わせで月換算83万円を稼ぐだけで年収1,000万円を達成できます。
能力が高いほど早い時間で終わらせることが可能
私が考えるフリーランスの最大のメリットですが、例えば、10万円でツールを作成したいと発注があった場合、簡単なツールだと1日で終わることもあります。
1日当たり10万円の売上、こう聞くと非常にそそられますよね!
このように作業が早ければ早いほど稼ぎやすくなり、年収1,000万円を稼ぐようになっても自分の時間を自由に取ることができます。
収入に増減がある
フリーランスになるシナリオは先ほどまでのお話しを見る限り、かなり有力なシナリオに見えるかと思います。しかし当たり前ですが、そんなうまい話だけではありません。デメリットもあります。
それは収入の増減が顕著に起こるということです。
実際に私の場合ですと、今まで定期的に月10万円~20万円の業務委託契約を請けてきた企業があったのですが、相手企業の都合や、最近では新型コロナウイルスの影響もあって、その契約が更新されなくなったこともあります。
そうなってしまうと、今まで10万円~20万円を稼げていたのが、一気に無収入になり得ます。新型コロナウイルスは飲食店等が多大な影響があるだけかと思っていましたが、ITエンジニア業界でもかなりの影響がありました。
そのため、もし収入が無くなっても大丈夫なような地盤を作っておく必要があります。
シナリオ5.経営者になる
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最後に経営者になる道です。
経営者の場合で年収1,000万円を目指す場合には、
- 自社商品を開発し、爆発的なヒットをさせる
- いくつもの仕事を受注し、部下に仕事をさせる
このようなシナリオが考えられます。
経営者の場合には、年収というよりも売上や利益という考えになってしまうので、他のシナリオの年収1,000万円と比べて手取りの金額は経営手法によって大きく異なります。
今回の場合は年収1,000万円ではなく、収益が1,000万円に達成するためと置き換えてお話ししていきます。
例えば売上が1,000万円だった場合でも、その際にかかった他の方への委託費用などを差し引くと、半分近くの利益になることもよく起こりえますし、ましてや逆に赤字になることも少なくありません。
これだけ聞くと、経営者になるシナリオは無いかなと考えがちですが、別のシナリオと組み合わせることで大きなシナジーを生み出せます。
フリーランス×経営者で年収1,000万円に大きく近づくことができる
シナリオ4でお話ししたフリーランスをしながら経営を行えれば、さらに収入を増加させることも可能です。
60万円で受注した案件を20万円で別のフリーランス、または自社のメンバーに依頼することで、そこで得られる収益はおよそ40万円です。
その間に自分自身で行っている仕事は依頼や問い合わせ程度です。
その間に新規案件の獲得や、自社でコンテンツを作成して販売したりと事業規模を大きくすることで、フリーランスで稼ぐ以上に収益を増加させることができるのです。
規模の拡大が安全に行える
今回は年収1,000万円という目標についてお話ししてきましたが、この目標を達成している方はそれ以上に2,000万円、3,000万円と稼ぐ金額を上げています。
ではフリーランスで年収1,000万円が達成した場合に年収2,000万円にするためには、月に倍(166万円)を稼がなければいけません。
自分の価値を上げて見積もり報酬を高く設定する方法もありますが、それでも自分一人の作業量ではどこかで行き詰ってしまいます。
しかし経営者として活動することで、自分以外の人材を利用しながら収益を得ていく方法になりますので、収益を増加させたいとなった場合には、新規案件を受注しやすい状態にできます。
技術ではなく経営手法を学ばなければいけない
経営者の場合だと、フリーランスのように自分の技術を表に出して、その分の対価を貰うだけではなく、その技術をどのように使用することで売上や利益を最大にできるのかという、技術ではない経営戦略を考えなければいけません。
技術だけを利用して年収1,000万円を達成できれば良いのであれば、フリーランスで働くことをおすすめします。
しかしそれ以上を目指すのであれば、これらのマインドや経営スキルは自ずと必須になっていきます。
まずはフリーランスから始めてみる
経営者のメリットやデメリットについてお話ししてきましたが、経営者というシナリオは特殊で年収1,000万円を達成するための選択肢には入りますが、今回お話しした内容だけでは知識量として圧倒的に不足してしまいます。
そこで、実践を基に学ぶのであればフリーランスが最善の方法になり得ます。
フリーランスの場合、自分自身で自分を経営しながらどのような戦略で仕事をするのかを考えなければいけません。
年収1,000万円を超えれば、経営者としても十分始めることができるでしょう。安直に年収1,000万円を達成したいから経営者を目指すのであればまずはフリーランスから始めてみてください。
年収1,000万円の達成だけではなく、そのお金で何をするのかが重要
これまで年収1,000万円を達成するためにはどういう条件があるのか、そしてITエンジニアで年収1,000万円を稼ぐためにはどのようなシナリオがあるのかについてお話ししてきました。
今までお話ししてきた中には、あくまでも稼ぐためのシナリオを提示しただけです。ですが、それ以前に根本的な条件が一つあります。
それは「なぜ」年収1,000万円を稼ぎたいのかです。
お金は目標ではありません。あくまでも何かをするための手段としてお金を利用します。
だからこそ、例えば毎日外食がしたい、ものを買う時に我慢せずに購入したい、夢を叶えるためにはこれだけの年収が必要という明確な目標を出すことが非常に重要です。
年収1,000万円を達成するのは生半可な気持ちでは絶対に達成できない目標です。
あなたも今の環境を変えたい、未来の明確な目標に向かって走り出したいのであれば挑戦してみてはいかがでしょうか?