【手順有】SES(客先常駐)をバックレするならこれだけは知っとけ!
IT業界と聞くとブラック企業が多いと感じられている方も多いかもしれません。
特にIT業界の中でもSES(客先常駐)というのは、辛い・キツイというイメージを持たれがちです。
そのため、辛い状況からバックレたいとか考える方も一定数いらっしゃいます。
では、バックレたとして気をつけなければならないことは何があるのでしょうか?
特に気になるのは、バックレたことによって損害賠償を請求されるのではないか、懲戒解雇になってしまうのではないかという事ではないでしょうか?
またバックレたことによって次の転職先は見つかるのか、自分のキャリアに傷がつかないのかと将来に対しても不安を抱えることもあるでしょう。
今回の記事ではSES(客先常駐)からバックレする時に最低限知っておかなければならないことを解説していきます。
どうしても辛い状況から抜け出したいときには今回の記事を参考にしてください。
SES(客先常駐)をバックレるのはあり?無し?
もちろん、SES(客先常駐)をバックレることは基本的にはおすすめしません。
しかしながら精神的、肉体的に辛く我慢できない状況であるなら、バックレることによって自分自身を守ることも大切です。
また、バックレ=退職だけではありません。
バックレた方の中には数日置いて何事もなく出社される方や休職する方もいらっしゃいます。
ストレスの度合いにもよると思いますが、一定期間会社から距離を置くことでまた頑張ろうと思える方もいらっしゃるからです。
しかしながら現場が辛く、ストレスを抱えきれないためにバックレて退職したいという方も多くいらっしゃるのも事実です。
バックレて退職したいと思ったときには、以下の4つのことに注目してみてください。
- 仕事よりも自分自身の方が大切
- バックレたいと考えながら仕事をしている人は一定数いる
- バックレたとしてもなんとかなる
- バックレる人は案外いる
それぞれ詳しく解説していきます。
1.仕事よりも自分自身の方が大切
仕事をすることには忍耐も必要と言われる方もいるかもしれませんが、SES(客先常駐)の場合には以下のような状況に置かれることもしばしばあります。
- 1人で客先常駐し、頼れる人がそばにいない
- 常駐先の人間関係に振り回されてしまう
- 年収も上がらず、スキルアップも期待できない
こうした環境は自分がいくら努力をしたとしても簡単に変えることは難しいです。
「まだ大丈夫、頑張れる」と自分に言い聞かせて仕事を続けていくことでストレスをためこんでしまい、最悪の場合自分の身体を壊してしまうことに繋がります。
会社によっては当たり前のように休日出勤を命じたり、残業することが当たり前になっていることもあります。
「IT業界ってこんなものなのかな?」「残業は当たり前」と考えてしまうこともあるかもしれませんが、SESの場合には常駐先に出向する前には休日出勤や残業については事前にSES会社と常駐先で契約を交わしていることがほとんどです。
ですが、現場のエンジニアはこうした休日出勤等に関する取り決めの詳細を知らされていないことも多く、慢性的に休日出勤等が発生していることも少なくありません。
そして何より常駐先の企業にはSESエンジニアに対して業務命令を出すことができないというのも知られていないのが事実です。
あくまでも業務命令指示を出せるのは所属しているSES会社になります。
そのため、常駐先がSESエンジニアに対して業務命令を出すことは契約違反になります。
しかしながらSES会社としては常駐先でエンジニアに働いてもらえばもらうほど利益を出すことができるので、この辺りをあいまいにしてエンジニアに過度な労働をさせていることも事実です。
人生は一度きりしかありません。
あなたの代わりに仕事ができる方はたくさんいますが、あなたの人生の代わりなどどこにもいません。
そして誰も身体を壊したことを保証してくれることもありません。
長い人生で身体を壊して楽しく過ごせなくなることを考えれば、無理せずにバックレて自分自身を守ることも大切な選択肢の1つです。
2.バックレたいと考えながら仕事をしている人は一定数いる
SES会社の上司などは「若いうちは我慢」などといったアドバイスをしてくださるため、自分だけがバックレたいと思ってしまっているのか?と錯覚してしまうこともあるかもしれません。
そんな時にはぜひネットで同じ思いをしている人はいないか検索してみましょう。
インターネットやSNSなどで「SES バックレ」と検索すると同じようにSESをバックレたいという思いを抱えている方はたくさんいることがわかります。
結果としてあなただけがバックレたいと考えているわけではないため、バックレ=悪いことと考える必要はありません。
バックレしたいほどに劣悪な労働環境しか用意することができなかったのはもちろんあなたの責任ではなく、会社の責任です。
労働環境を変えようにも、SES契約を結んでいるのは所属しているSES会社と常駐先であるためエンジニアレベルでは変えることなどできません。
そうした劣悪な環境に耐え忍んでストレスを感じながら仕事をするよりも、バックレて転職して新たな環境で働く方が楽しく仕事をすることができるでしょう。
SESを転職する方には精神的な病にかかった方やバックレた方も一定数いますので、自分の身体を守るためにもバックレることは悪いことではないと認識するようにしてください。
3.バックレたとしてもなんとかなる
バックレてしまうと会社にも迷惑がかかるし、自分のキャリアにも傷がついてしまうのではと不安になっている方も多いです。
そして懲戒解雇や損害賠償を請求されるのではないかという不安や、バックレた後に転職先が見つかるのか?という不安もあることでしょう。
しかしながら多くの方がSESからバックレしていることも事実です。
会社には迷惑がかかってしまうかもしれませんが、劣悪な環境しか用意することができなかった会社にも責任はあります。
そして現代ではIT業界のエンジニア不足がニュースなどで話題になっています。
そのため、キャリアに傷がついてしまい転職することができないということはありません。
辛い環境で耐えしのいで仕事をしていくよりも、バックレて環境をかえてしまう方が楽しく仕事をすることができるでしょう。
何よりも自分の身体が一番ですので無理せずに楽しく仕事ができる環境になるべく早く移ることをおすすめします。
どうしてもバックレることには抵抗がある方は退職代行サービスを利用するのも1つの手段です。
後の章で退職代行を利用するメリットについては詳しく解説しますので、そちらもぜひご確認ください。
4.バックレる人も案外いる
常駐先からバックレたいと考えながら仕事をしている人も一定数いますが、実際にバックレてしまう方も案外います。
バックレた後に何事もなかったかのように出社する方もいれば、体調不良で休職する方、そのまま退職する方などバックレた後の行動は人それぞれです。
もしバックレたとしても、常駐先のプロジェクトに対してそこまでの影響がないことがほとんどです。
SESの場合には成果物ではなく、労働時間に対して報酬が発生する契約であるため、そこまで重要な役割の仕事を担当させてもらえないことが一般的だからです。
そのためSESエンジニアがバックレたとしても大きな影響が発生しないようにプロジェクトチームを編成していることがほとんどです。
どうしても辛い時やストレスを抱えきれなくなったときには休職や退職などの手段を取ることも大切です。
またバックレた方の中にはエージェントに相談して秘密裏に転職活動をしている人もいます。
人生は一度きりしかありませんので、バックレたいと考えているときはバックレることも1つの手段として取っておきましょう。
SES(客先常駐)をバックレると何が起きる?
では実際にSES(客先常駐)をバックレるとどのようなことが起きるのでしょうか?
基本的にはバックレると下記のような流れで物事は進んでいくことになります。
1.常駐先を無断欠勤することになる
バックレるとまず常駐先を無断欠勤することになります。
1日程度であれば特に有給なのかな?と思われるかもしれませんが、数日欠勤が続いてしまうと次のステップに進むことになります。
2.常駐先の担当者から電話がかかってくる
まずあなたには常駐先の担当者から電話がかかってくることになります。
そしてこの電話を無視し続けることで次のステップに進みます。
いくら電話をしてもあなたが出ないことにしびれを切らし、常駐先から所属しているSES会社へ連絡が行きます。
3.常駐先から所属しているSES会社へ連絡がいく
この時点で初めてあなたが所属しているSES会社はあなたがバックレたかもしれないということに気づきます。
4.所属会社より出勤について確認が来る
所属会社より勤務状況や出勤状況について直接連絡が来ることになります。
もちろんこの確認の連絡もあなたは無視し続けます。
5.会社から確認が取れるまで連絡が続く
あなたと確認が取れるまで何度も電話がかかってくる状況になります。
6.担当していた作業を所属会社の別社員が分担してフォロー
いくら連絡をしても確認ができない=バックレたと所属会社が判断し、あなたが担当していた作業を別社員で分担してフォローしていくことになります。
ここまでくるとあなたとしては所属会社に対して退職手続きをおこなっていくことになります。
このようにバックレ後は物事が進んでいくことになります。
所属会社からの連絡は直属の上司や同僚から部長、人事部、社長といった流れで電話が何度も来ることもあります。
しかしこれらの連絡を無視し続けることによっておよそ1週間から10日ほどで所属会社はバックレたと認識することになり、あなたは現場に行く必要はなくなります。
バックレた後にあなたがやらなければいけないのは退職手続きのみになります。
常駐先に行かなくなった=バックレたということではなく、退職手続きが完了して初めてバックレが完了したということになるので注意してください。
このようにバックレの進み方を改めて確認してみると、そこまで大きなトラブルなどが発生しないことがお分かりいただけたことと思います。
バックレた後に所属会社はかなりたくさんの対応をしなければならないのに対して、あなたは退職手続きをするだけになります。
SESでバックレた場合に考えられる不利益とは
しかしながらバックレてしまうと何かしらの不利益を被ってしまうのではと考える方もいらっしゃるでしょう。
一般的に被ってしまうのでは?と考えられるのは下記の3つです。
1.常駐先との契約の責任を問われる
これは全く気にする必要がありません。
なぜなら常駐先と契約を結んでいるのはあなた個人ではなく、所属しているSES会社だからです。
プロジェクトの途中だから、納品が終わっていないからなどということを所属しているSES会社が口にすることもありますが、気にすることはありません。
SESの場合には成果物に対して報酬を頂く労働形態ではなく、働いた時間に対する報酬を頂く労働形態になります。
そのためプロジェクトや納品に関してあなたが過度に気にする必要や責任を負う必要はないのです。
2.自分のキャリアに傷がつく
行動次第によってはキャリアに傷がつくこともあるので注意が必要です。
それは、バックレる行為は下手をすると解雇になってしまうケースがあるからです。
日本の法律では「2週間以上にわたり正当な理由なく無断欠勤し、出勤の督促にも応じない場合は、会社側から労働者を解雇できる」と厚生労働省によって定められています。
2週間以上正当な理由なく無断欠勤し、出勤の督促に応じない場合
解雇予告除外認定基準
そして最悪の場合には懲戒解雇として会社から通達されてしまうこともありますので、注意が必要です。
バックレのベストな流れとしては、バックレた後に有給消化もしくは欠勤扱いとして退職日まで過ごし、退職することになります。
しかしながらどのようにしてこの流れにのればいいのかわからないという方が大半だと思います。
そうした退職に関する不安を解消してくれるのが退職代行のサービスになります。
しかしながら、解雇に関して日本の法律はかなりシビアに制定されているため、解雇に関しては厳しい条件が設けられているのが現状です。
加えて精神疾患を抱えている場合や、何かしらどうしようもない理由で就労することができない従業員を会社側から一方的に解雇することは法律によって禁止されています。
もし迂闊に会社側から懲戒解雇するという判断をされて場合には、弁護士を立て異議申し立てをおこなうことによってすぐに覆すことも可能です。
3.懲戒解雇
退職にあたって、懲戒解雇の処分だけは何としても避けなければなりません。
一般的に懲戒解雇に該当するのは下記のような行動を起こしてしまった場合になります。
- 横領
- パワハラやセクハラ
- 経歴詐称
- 殺人や強盗などの重大な犯罪
- 終業についての上司の指示や命令に対する違反
- 業務妨害
- 職務規則違反
懲戒解雇の処分を受けてしまうと、転職する際にホワイト企業から嫌煙されることもあり、転職先を見つけるのが難しくなるなどのデメリットが発生してしまいます。
転職する際にバレないのでは?と考えられる方もいらっしゃるかもしれませんが、転職する際には転職先に離職票や退職証明書などの提出を求められた際に簡単に発覚してしまいます。
もちろんそうした書類の提出を求められなかったとしても、「懲戒解雇された経験はありますか?」と聞かれて嘘をついた場合には経歴詐称になってしまい、懲戒解雇の対象となってしまいます。
懲戒解雇の処分を受けてしまうといいことは1つもありませんので、できるだけ懲戒解雇だけは避けるように立ち回ることをおすすめします。
SES(客先常駐)をバックレる前に知っておきたいこととは?
では、SES(客先常駐)をバックレる前に知っておくべきことはどのようなことがあるのでしょうか?
ここでは代表的なバックレる前に知っておきたいことを6つそれぞれわかりやすくご紹介します。
1.給与・賞与・退職金はもらえるの?
バックレたときに一番気になるのがお金に関する事ではないでしょうか?
結論から言うともちろん、働いた分の給与はもらえます。
それは働いたことに対して会社は報酬を支払う義務があるからです。
しかしながらボーナス(賞与)はもらえない可能性はあります。
それは賞与や退職金に関することは会社ごとに異なるためです。
そのためバックレる前には賞与や退職金に関する会社の規定を確認しておくことをおすすめします。
2.退職は1ヵ月前に伝えなくていいの?
よくインターネットでは退職するのは1ヵ月前に申し出る必要があると記載されています。
しかしながら、民法では下記のように定められています。
「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。」
第627条
民法第627条
1.当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する。
2.期間によって報酬を定めた場合には、使用者からの解約の申入れは、次期以後についてすることができる。ただし、その解約の申入れは、当期の前半にしなければならない。
3.6箇月以上の期間によって報酬を定めた場合には、前項の解約の申入れは、3箇月前にしなければならない。
そのため、結果としては2週間前に会社に退職の意思を伝え、2週間我慢することによって退職することが可能です。
会社によっては就業規則や契約期間の話をされて、2週間ではやめさせないと説明されることもあるかもしれません。
しかしそうしたときには法律で決まっている以上、気にする必要はありません。
退職の意思を伝えてから何週間、何か月も我慢する必要はありませんので安心してください。
3.次の転職先は見つかる?
退職する際に、次の仕事は見つかるのか?と不安になることもあるでしょう。
エンジニアとしての経験が少しでもあれば、現代では転職先は引く手あまたであるのが現状です。
国が発表した予測によると、2030年までに最大で79万人ほどのIT人材が不足するとされています。
2015 年試算によれば、IT 需要が今後拡大する一方で、我が国の労働人口(特に若年人
口)は減少が見込まれ、IT 人材の需給ギャップは 2030 年には約 79 万人に拡大すること
が示されている。
IT 人材需給に関する調査
よく転職を相談した際に次を見つけるのは大変だとか、3年は経験が必要と話をする方もいらっしゃいますが、こうした統計が出ている以上我慢してストレスを感じながら1つの会社にとどまる必要も無くなってきているのが現状です。
4.職場の人との関係はどうなる?
これは普段のコミュニケーションの取り方によるでしょう。
普段から会社の業務に関係なくコミュニケーションを取っている方の場合にはそこまで関係が悪化することはないでしょう。
しかし一般的には会社の人との関係は悪くなるのが一般的です。
それはSESの場合にはほとんど自社に出社することはなく、社員のほとんどが常駐先で勤務しているため顔を合わせる機会があまりないからです。
顔を合わせる機会があったとしても月に数度ある会議にオンラインで顔を合わせる程度でしょう。
そして何よりバックレたいほどの劣悪な環境しか準備していない会社の同僚や先輩と今後コミュニケーションを取り続けたいかと考えるとそうではないという方が多いのではないでしょうか?
退職した後も良好な関係を続けていきたい場合にはバックレではなく、普通に退職手続きを進めていくことをおすすめします。
今まで担当していた自分のプロジェクトや契約がどうなるのかを気にすることもあるでしょう。
5.常駐先との契約は?
しかしながら常駐先との契約はあなた個人が結んでいるものではなく、SES会社と常駐先との契約になるためそこまで気にする必要はありません。
そのため、バックレたからといってあなたに責任は発生しません。
そしてSESで使われる準委任契約には、法律的に下記のような特徴があります。
- いつでもお互いに契約を解除することができる。
- 成果物に対する報酬ではなく、労働時間に対する報酬
- 成果物に関する責任は負わない
準委任契約とは、特定の業務を遂行することを定めた契約のことで、特定の業務の遂行を目的に締結されます。 準委任契約の場合、業務の内容や成果物に対して完成の義務は負いません。 そのため、結果または成果物に不備があったとしても、修正や保証を求められないということなります。
株式会社夢テクノロジー:準委任契約は派遣契約や請負契約と何が違うの?メリットとデメリットも紹介
これらより途中でバックレたことによって、成果物が納品できなかった、もしくはプロジェクトに遅れが出てしまったとしてもそうした成果物に対する責任は一切ありません。
バックレた後、参画していたプロジェクトが大変になるかもしれないと心配をしてしまうこともあるかもしれませんが、プロジェクトよりも自分自身の身体の方が大切ですので、あまり気にし過ぎる必要はないでしょう。
6.懲戒解雇になる?
ごくまれに懲戒解雇になってしまうこともあるようです。
懲戒解雇に関しては先ほどの章で詳しく解説しましたので詳細は割愛しますが、懲戒解雇はかなり重い処分になりますので、できるだけ避けるようにしましょう。
SES(客先常駐)をバックレると損害賠償は発生するの?
バックレる前に知っておきたいことを6つご紹介しましたが、6つ以外でも気になるのが会社から損害賠償を請求されるのではという事ではないでしょうか?
考えてみると勝手に途中で仕事を放棄しているため、何らかの理由で損害賠償を請求されるのではないかと不安に感じられる方もいらっしゃることでしょう。
結論から言うと損害賠償を請求されることはほとんどありません。
もちろん損害賠償請求を絶対にされないということではありませんが、日本では
- 「職業選択の自由」
- 「退職する自由」
が法律によって保証されていますので退職に関して損害賠償はあり得ません。
特に労働基準法 第16条には、「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。」と明記されています。
労働基準法16条は、「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない」として、損害賠償額の予定を禁止しています。 違約金とは、労働者が労働契約上の義務を履行しない場合に、損害発生の有無に関わらず支払い義務を負う金銭のことです
ベリーベスト法律事務所:労働契約の不履行について。 賠償予定の禁止事項やその例外ケース
会社側から考えてみても、損害賠償請求にかかる時間やコストを考えるとあまりメリットがないのも事実です。
可能性としては少ないですが、もし損害賠償の請求をされた場合には弁護士や退職代行サービスに相談することをおすすめします。
SES(客先常駐)をバックレたいなら退職代行を利用するのもあり?
懲戒解雇になってしまうか不安、損害賠償請求をされるのではないかと不安に思われる方は退職代行サービスを利用することをおすすめします。
退職代行サービスとは、簡単に言うと会社に対して「退職の意思」を伝え、手続きのすべてを代わりに対応してくれるサービスになります。
最近では退職代行サービスを運営している企業も増え、簡単に利用することができるようになりました。
退職代行サービスを運営している企業は、弁護士や社会保険労務士など法律や労働問題に長けた専門家による監修を受けサービスを提供しているため、引き止めや退職に関する話し合いが長引くこともなくスムーズに円満退職することが可能です。
人手不足であるからすぐには辞めさせない、プロジェクトの契約が満了してからなどと何かと理由をつけてすぐには辞めさせないようにしてくる会社も一定数あります。
そうしたときには退職代行サービスを利用することによってきっぱりとストレスなく退職することができます。
退職代行を利用する際の注意点
一点だけ退職代行サービスを利用する上で注意しなければなりません。
それは未払い賃金や残業代の支払請求などはおこなえない点です。
もし未払い賃金や残業代の交渉がある場合には、労働組合や弁護士による退職代行サービスを利用することをおすすめします。
SES(客先常駐)をバックレた後はどうしたら良い?
無事にバックレた後に何をしたらいいのか悩まれる方もいらっしゃるかもしれません。
ここではバックレた後に何をしたらいいのかについてご紹介していきます。
1.退職手続きに漏れがないかを確認する
バックレは現場に行かなくなったことによって完了するのではなく、退職手続きが全て完了してからバックレが完了したといえます。
そのため書類などに不備がある場合や、手続きが完了していない場合には転職時にトラブルになる可能性もありますので、自分の退職手続きは完了したのか漏れはないのかを確認するようにしましょう。
2.自分の身体を休める期間を作る
休日出勤や残業などで過度な労働をしていた場合、精神的なストレスを感じていた場合にはまず身体を休める期間を設けることをおすすめします。
仕事をしていた時には、
- できなかった趣味に時間を使うこと
- 友人と楽しい時間を過ごすこと
- 行きたかった場所に行く
などして身体的にも精神的にも休息させるようにしましょう。
働いているときは当たり前だと感じていたことが異常な環境であった、バックレて良かったと気づけると思います。
エンジニアはその労働環境から精神的にストレスを抱え込んでしまい、うつ病などになることも多い職業です。
転職するとまた忙しくなってしまい、趣味などに時間を費やすことが難しくなることも考えられますので、しっかりと好きなことをして過ごす期間を一定数設けるようにしましょう。
3.将来のキャリアプランを再度見直す
転職するまでの期間に自分のキャリアプランを再度見直すこともおすすめします。
仕事をしているときは忙しくてあまりじっくり将来について考えられない方も少なくありません。
時間がある時だからこそ、自分は今後エンジニアとしてキャリアアップをしていきたいのか、はたまた別の業種にチャレンジしたいのかなどじっくり考えるようにしてみてください。
キャリアプランを再度考えることによって今の自分に足りない経験やスキルが見えてくることでしょう。
自分の成長のために資格を受験してみること、エンジニアとして経験が欲しいのであればクラウドソーシングなどを利用して簡単なシステムを開発してみることもいい経験になります。
自分は今後どうなっていきたいのか、そのためにやらなければならないことを洗い出しておくことによって転職活動でも有利に働くこともあります。
はっきりと自分のキャリアプランが見えてこないという方には、年収をとりあえず上げることをおすすめします。
前職と比較してどれくらい年収を上げたいのかを決め、上がり幅に応じた転職先を探していきましょう。
そうすると今の自分に何が足りていないのかを簡単に知ることができます。
大切なのは次の転職先ではモチベーションを保ちながら楽しく仕事ができるように、目標を決めることです。
その目標を達成するためにふさわしい転職先に就職するために自分のキャリアプランを見直していきましょう。
4.転職活動
バックレる前から転職活動をされていた方は必要がありませんが、働いていた時に十分に転職活動がおこなえなかった方はここでしっかりと転職活動に取り組んでいくことになります。
一般的には転職エージェントと契約して転職先を探していくことになるでしょう。
IT業界の場合、転職に成功した方の多くはエージェントに平均4.2社登録しているというデータも出ているように、できるだけ多くのエージェントから情報を受け取れるようにして転職活動を進めていくことが一般的です。
特に人気のホワイト企業ほど早めに応募しないと採用されることは難しいです。
ホワイト企業の情報を逃さないためにも、より多くの転職エージェントと契約して情報をたくさん集めるようにしましょう。
もちろん転職エージェントと契約せずに求人サイトやハローワークなどで転職先を見つけることもできます。
しかしながら素人ではホワイト企業かブラック企業かを見極めることも難しく、年収アップも面接後でなければわからないなどリスクがたくさんあります。
反対に転職エージェントの場合には企業の文化や特徴を理解しているため、入社後にギャップが置きにくいです。
また一般的な求人サイトには掲載されていないような非公開求人も紹介してもらうことができるため、自分で転職先を探すよりもたくさんのメリットがあります。
ぜひ転職先を探す際には転職エージェントに相談して自分のキャリアプランにあった転職先を見つけるようにしてください。
SES(客先常駐)をバックレまとめ
今回はSES(客先常駐)をバックレることについて、そもそもバックレはあり?という基本的な疑問から、バックレた後にどのようなことが起こるのか、バックレる前に知っておきたいことなどを詳しく解説してきました。
バックレをすると懲戒解雇や損害賠償を請求されるのではないかという不安、自分のキャリアに傷がつくのではないかという不安も少しは拭えたのではないでしょうか?
懲戒解雇や損害賠償請求はほとんどの場合においてはされることはありません。
しかしながら可能性としては0ではありませんので、どうしても不安な方は退職代行サービスを利用することを強くおすすめします。
また、転職先が見つからないのではと不安になられている方も安心してください。
2030年にはIT人材は79万人ほど不足するとされていますので、少しでもエンジニアとしての経験がある場合には簡単に転職先を見つけることができます。
転職先を見つけることに関しては自分のキャリアプランと見合ったホワイト企業を見つけるためにも転職エージェントに相談することをおすすめします。
バックレは悪いこと、人に迷惑がかかることと認識されている方も一定数いらっしゃいます。
しかし、仕事よりも自分の身体の方が大切なのは事実です。
仕事によるストレスで身体を壊してしまっても誰も保証してくれません。
長い人生を有意義に生きていくためにもバックレることは1つの手段であるといえます。
どうしても今の仕事が辛い、ストレスがかかりすぎている場合にはバックレることも検討してみてください。