SES会社がなくならない理由とは?グレーなの?結局どっち?

SESはなぜなくならないのか (1)
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SESとインターネットで検索すると、辛い・キツイ等といったマイナスイメージを持つ言葉がたくさん関連ワードとして出てきます。

SESとは、System Engineering Serviceの頭文字を取ったもので、客先に出向いてエンジニア業務を提供する業務体系のことを意味します。

日本語では客先常駐と呼ばれることもありますね。

これだけ辛い、キツイと検索されているSESを見て、「SES会社って無くならないのか?」と疑問に思われた方もいらっしゃることでしょう。

ですがさまざまな理由によって今後もSESの需要がなくなることはないだろうとされています。

SESがなくならない理由にはIT業界の構造的な問題やSESを利用するクライアントにさまざまなメリットがあるからにほかなりません。

今回はそんなSES会社が無くならない理由からSESとして働くメリットまで幅広くご紹介していきます。

目次

SES会社がなくならない理由とは

SES会社がなくならない理由とは

SES会社がなくならない理由は単純にSESの需要が増加しており、今後もSESがなくなることはないとされているからに他なりません。

SESの需要が伸びるということは、そこにニーズがあるため結果としてSES会社は無くなることはありません。

SESが無くならない理由には需要が今後も増加していくからという理由の他に、業界の構造的な問題もあります。

それでは実際にSESが無くならない理由とされているものを6つ順番にご紹介していきます。

1.採用・教育コストがかからない

SESを利用することによって、クライアントとなる企業は採用活動や社内教育をおこなうことなく、即戦力となるエンジニアを迎え入れることが可能になります。

そのため、費用や時間をかけて企業が採用活動する必要がなくなるだけではなく、コストをかけて雇用した社員にすぐに退職されてしまうというリスクを回避することも可能です。

契約に関しても繁忙期だけの契約などSESの場合には従来の労働契約とは異なるため、クライアントから重宝されることが多いです。

2.人材を必要に応じて入れ替えられる

IT業界全体ではエンジニア不足が話題になっているように、現在はエンジニアを採用することを簡単におこなうことはできません。

そのため、人手が必要な時にはSESを利用して不足している人材を補い、仕事が落ち着いた段階でSESの契約を終わらせるという契約をすることによって、クライアントは状況に応じてエンジニアの人数を増減させることができます。

こうした業務の状況に応じて貴重なエンジニアを入れ替えられるSESは今後も重宝される仕組みであると言われています。

3.簡単に契約することができる

SESの場合、営業担当者がクライアントと面談を重ねてエンジニアに対するニーズを聞き出します。

その後、クライアントのニーズにあったエンジニアを紹介して、両者同意したのちに契約して稼働するという流れになります。

この契約をおこなうことによって、エンジニアを自社の社員と同様に勤務させることができます。

契約自体も難しくなく、クライアントの社員と同様の業務に従事させることができるため、クライアントからすると使いやすい仕組みであり、今後も需要が高まることが予想されます。

4.作業に対して責任がない

SESのエンジニアは成果物に対してではなく、労働時間に対して報酬をもらう業務体系になります。

そのため、常駐先で仕事をした結果として必ずしも成果物を納品しなければならないということもありません。

SESはあくまでもエンジニアとしての労働力を提供することですので、仕事に対するリスクを下げることが可能です。

結果としてSES会社はリスクが少ないビジネスモデルということになり、SES会社は今後もエンジニアの人手不足やSESの需要の高まりによって、まだまだ増加することが予想されています。

5.定期的な売上を見込むことができる

成果物を納品して報酬をもらうビジネスモデルの場合、納品した成果物に不備や過不足などが発生した場合には頂く報酬が遅れることや、報酬自体が下がってしまうリスクがあります。

反対にSESの場合には働いた期間の労働力に対する報酬となるため、エンジニアが常駐先で働いてくれればくれるほどSES会社としては利益を上げることができます。

SES会社としてはクライアントのニーズに対してエンジニアを紹介し、契約し続けることによって定期的な利益を上げることができるのです。

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6.事業縮小のリスク対策になる

ビジネスでは事業縮小を迫られるシーンがあります。

いくら急激に成長しているIT業界といえども、新しいソリューションやサービスをリリースすれば必ずヒットして売上に繋がるというわけではありません。

リリースしたソリューションやサービスが上手く行かなければ経営が悪化してしまい、事業縮小を決断しなければならないときがきます。

こうしたときに正社員としてエンジニアを雇用している場合には簡単には解雇することができず、事業縮小をスムーズにおこなうことは難しいです。

反対にSESの場合には事業縮小をするタイミングで契約を解除することができます。

今回はなぜSES会社が無くならないのか、代表的な例を6つご紹介してきました。

もちろんこれら以外にもSES会社が無くならない理由はあります。

しかしSESがなくならないのは、エンジニア不足である現代で簡単にエンジニアの労働力を手に入れられること、そして必要に応じて柔軟に契約を変更することができることが何よりの理由です。

慢性的なエンジニア不足が解消するとなるとSESは少しは減少するかもしれませんが、今後数年はSESは無くならないと考えていいでしょう。

SESはグレーなの?その理由とは

SES なくならない

キツイ、辛いなどのイメージを持たれているSESですが、グレーなのでは?というイメージを持たれている方もいらっしゃるかもしれません。

ここではどうして「SESがグレーなのでは?」とイメージされるのか、その理由を2つご紹介します。

1.指揮命令権の所在が明確にしづらい

SESの場合、基本的に指揮命令権はエンジニアが所属する会社が保有しています。

そのため基本的にはエンジニアに対してクライアントは直接的な業務指示を出すことはできません。

しかし現場によっては、この指揮命令権をクライアントが保有していると勘違いしているクライアントやエンジニアも多いため、クライアントからエンジニアに対して直接的に業務指示が出ていることもあります。

クライアントからエンジニアに対して業務指示を出すことはSES契約違反となる行為ですが、指揮命令権がどこにあったのかを証拠として残すことが難しいため、違反行為として明るみにすることが難しく“グレー”と呼ばれることが多いです。

2.実態は2重派遣になっていることもある

システムを開発する際には、さまざまな会社からエンジニアが集められてくることがあります。

クライアントとベンダーが派遣契約をしている状態で、ベンダーを通じて他の会社の従業員がクライアントに派遣されるスタイルは2重派遣となるため、法律で禁止されています。

しかし、指揮命令自体がクライアントからあったとしても、クライアントとベンダーがSES契約を結んでいる場合には書面上は違法行為とはなりません。

ここで問題になるのは書面上では違法行為にならないけれど、SES契約を結んでいて指揮命令がクライアントからある場合には派遣契約と同様であるため実態は違法行為となります。

こうした書面上と実態の差異が起こりやすいことからグレーとよばれています。

労働者側から見たSESのメリットとは

SESのメリット

もちろんSESで働くことにもしっかりとしたメリットがあります。

ここでは労働者がSESで働くことのメリットを5つご紹介していきます。

1.さまざまな業種・プログラミング言語の経験ができる

SESの場合にはプロジェクトごとに常駐先が変わるのはもちろんですが、プロジェクトごとに業種や使用するプログラミング言語も異なることが多いです。

そのため、さまざまな業種やたくさんのプログラミング言語の経験を積むことができるので、エンジニアとしてスキルアップが期待できます。

SES会社によってはエンジニアごとのキャリアプランを考慮してプロジェクトへのアサインを検討してくれることもありますので、業務をしながら効率的にスキルアップすることも可能です。

1つの業種、限られたプログラミング言語ではなく、さまざまな業種やたくさんのプログラミング言語の経験を積むことができるのはSESならではのメリットです。

2.未経験からでも正社員になれる

SESの場合、自社開発のエンジニアと比較すると求められるスキルセットが低いことが多いため、未経験からでもエンジニアに挑戦することができます。

IT業界に興味はあるけれど、専門的な知識がなくてあきらめようとしている方でもSESであればエンジニアとしてキャリアを始めることは可能です。

3.人脈を広げることができる

SESの場合にはプロジェクトごとに常駐先が変わり、出会う人も変わります。

プロジェクトの規模によっては1つの会社からではなく、複数の会社からエンジニアがたくさん集まることもあります。

エンジニアとして業界のトレンドや最新技術に関する話題などを共有することができ、エンジニアとしても人脈を広げることができます。

また企業からだけではなく、場合によってはフリーランスエンジニアの方も参画していることがあるかもしれません。

将来フリーランスエンジニアとして活躍したい方は、現役のフリーランスエンジニアの方と交流する機会もあるでしょう。

また常駐先が大企業やメガベンチャーであることもあり、影響力のある人と繋がれるかもしれません。

4.ライフワークバランスのとれた生活を送れる

SESはエンジニアが常駐先へ向かう前に労働条件に関して契約を結んでから稼働することになります。

この契約には労働時間、特に残業時間や休日出勤に関する取り決めがされていることがほとんどです。

そのため契約内容によってしっかりと仕事とプライベートのメリハリを付けることができ、ライフワークバランスのとれた快適な生活を送ることもできます。

5.働く環境が変わる

プロジェクトによって環境が変わることもSESならではのメリットです。

一般的な会社員の場合には異動や転勤などがない限り、労働環境が変わることはありません。

もちろん環境が変わることによってストレスを感じてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、環境が変わってリフレッシュできることや常駐先の人間トラブルからの解放されるなどメリットもあります。

特に同じ環境で作業をすることが好きではない飽き性の方にはSESは向いている働き方かもしれません。

SESと会社員だとどちらの働き方が良いの?

SESと会社員の働き方の違いとは

ここまではSESのメリットをご紹介してきました。

しかしここで会社員としてエンジニアをする場合と、SESエンジニアどちらの働き方の方がいいのだろうと疑問に思われた方もいらっしゃるでしょう。

ここでは会社員エンジニアのメリット・デメリットを、SESエンジニアのメリット・デメリットと比較してそれぞれ3つずつ紹介していきます。

会社員エンジニアのメリット

会社の人とコミュニケーションが取れる

会社員エンジニアの場合には社内の上司や同僚とコミュニケーションを簡単に取ることができます。

そのため、悩みや不安がある場合にはすぐに相談でき、仕事に集中することができます。

SESエンジニアの場合には多くを常駐先で過ごすことになるため、社内の上司や同僚とコミュニケーションを取る機会は少なくなります。

自分の裁量を広げていくことができる

仕事を覚えていくことによって、自分に任せてもらえる裁量を広げていくことができ、さまざまな業務に携わることができます。

会社員エンジニアの場合には自社開発をおこなっていることも多いため、エンジニアだけではなく、プロジェクトマネージャーや上流工程の仕事も経験することができるでしょう。

開発に適した環境を会社が準備してくれる

会社員エンジニアの場合には開発に必要な機材やソフトは会社が準備してくれます。

SESエンジニアの場合には常駐先の開発環境を利用するしかありませんが、会社員エンジニアの場合には自分のスキルや業務に合わせた機材やソフトを準備してもらえるというメリットがあります。

会社員エンジニアのデメリット

働く環境は変化しない

会社員エンジニアの働く環境は変化しません。

もちろん異動や転勤などがある会社であれば、労働環境は変化するかもしれませんがSESエンジニアのようにプロジェクトごとに環境が変わるということはありません。

特定の業界でしか活躍できない

所属している会社によっても異なりますが、会社員エンジニアの場合には特定の業種に特化したエンジニアになるケースが多いです。

そのため幅広い業種を経験することや業務知識を身に付けることはSESエンジニアと比較すると難しいです。

汎用的なスキルが身につかないこともある

自社開発をおこなっている会社の場合には自社専用の開発ツールを利用するため、基礎的なプログラミングに関する知識がなくとも簡単にシステムやアプリケーションが作れてしまうこともあります。

こうした場合には成果物ができるのは早いですが、汎用的な知識が欠落してしまうという恐れもあります。

SESエンジニアのメリット

さまざまな業種に携われる

会社員エンジニアと異なり、SESエンジニアの場合にはさまざまな業種に関わることが可能です。

またさまざまな業種に関わっていく中で自分に合った業界・業種を選択し、そこに特化していくというキャリアプランも描くことが可能です。

プロジェクトごとに常駐先が変化する

プロジェクトごとに常駐先が変化するため、働く環境は常に変化します。

環境が変化することによってリフレッシュすることができるのはSESエンジニアのメリットの1つです。

幅広くプログラミング言語を学ぶことができる

さまざまな業種を経験できるだけではなく、幅広くプログラミング言語を使用することになるため、習得できるスキルも多いです。

SESエンジニアのデメリット

契約がない場合には給与が下がる会社もある

SES会社の中には契約がない期間は給与がカットされてしまうこともあるようです。

そのためなるべく契約期間が途切れないように働く必要があるため、オーバーワーク気味になってしまう恐れもあります。

会社に対して帰属意識が薄い

基本的にはSESエンジニアは常駐先で業務をおこなうことになるため、自分の会社に対して帰属意識を持つことが難しく、会社のビジョンに納得することができず転職活動を始めるパターンが多いです。

開発環境を自分で用意することができない

SESエンジニアは基本的に開発環境は常駐先に準備されたものを利用することになります。

そのためソフトやパソコンが最新のものでないことも十分に考えられます。

IT業界では進歩が目まぐるしいため、最新のソフトやパソコンを利用して最新技術を学びたいという方には少し窮屈な環境に感じることもあるかもしれません。

SESがなくならないことのまとめ

今回はSESがなくならない理由、SESがグレーと呼ばれる理由から、SESで働くことのメリット、会社員とSESどっちで働く方がいいのかという内容についてご紹介しました。

SESが無くならない理由はIT業界の構造的な問題やクライアントがSESを利用するメリットがたくさんあるためということがお分かりいただけたことと思います。

昨今はエンジニア不足が問題になっているため、今後数年はSESの需要が停滞することはなく、今後も需要は増していくことでしょう。

マイナスイメージが強いSESですが、もちろんSESとして働くことのメリットもたくさんあります。

求められるスキルセットが自社開発エンジニアと比較しても低いため未経験からでも挑戦しやすいことや、さまざまな業種を経験することができるなど、これからIT業界にチャレンジしたい未経験の方にはおすすめしたい働き方です。

プロジェクトによって労働環境が変化することや、常駐先の社員の方とコミュニケーションを密におこなうことが求められるため、変化に柔軟に対応できる方やコミュニケーションスキルの高い方は活躍できることでしょう。

ぜひ今回の記事を参考にSESとして働くことを検討してみてください。

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SESはなぜなくならないのか (1)

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