【状況別の例文有】ITエンジニアが今すぐ使えるおすすめの転職理由7つ
ITエンジニアとして働いている方で転職を一度でも考えたことがあるということはないでしょうか?
しかし、たとえ考えていたとしても、転職は中々実行に移しづらいものですよね。
転職活動と簡単に言っていますが、その中には面接があり、なぜ転職をしたいのか具体的に話さなければいけません。
なぜなら転職をしたいと考えていても、この転職理由をきちんと話せなければ内定が取れるか否かが決まってしまう重要な要素だからです。
そこで今回は、どなたでも悩んでしまう転職理由について、ITエンジニアに特化しダメな転職理由とよく使われる転職理由をそれぞれお話していきます。
ITエンジニアは転職する人が多い?
ITエンジニアは実力主義であり、現在勤めている企業で収入や待遇が自分の実力にあっていないと感じた際に、そういった問題を転職することによって解決できるため転職がしやすい業種です。
実際に私が企業に勤めていた時にも、転職をする方が比較的多かったですし、逆に別企業から転職してくる方もいました。
では、実際にどのくらいのITエンジニアが転職しているのかをお話ししていきます。
転職理由も大事ですが、まずは転職を考えている人はどれだけいるのかという自分のライバルになり得る割合を知っておきましょう。
1回以上転職している人の割合はIT業界で55.6%ある
IPAが公表している「IT人材白書2017」によると、全体で1回以上の転職をしている人の割合は2016年度で55.6%とほぼ半分近くが転職を行っていました。
画像出典:IPA/「IT人材白書2017」
転職している人が一定数いることが分かったところで、その転職を複数回繰り返していくとどうなるのでしょうか。
基本的に転職を繰り返していくと、普通は悪いイメージを持たれやすくなります。
そのため、なるべく転職回数を抑えることが基本となりますが、ITエンジニアの場合、この転職回数が多かったとしても悪いイメージを持たれにくいです。
なぜ転職回数が多いITエンジニアでも悪いイメージを持たれないのでしょうか?
その理由についてはこちらで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
転職回数が多くても不利にはならない!その理由とITエンジニアの平均転職回数も解説!
IT業界も含め転職は珍しいことではなくなっている
一昔前であれば、一つの企業で定年まで勤め上げることが当たり前でしたが、現在では収入や待遇面の改善のために転職することが珍しくありません。
十分な実力があるのに、それが不当な評価しか行われないのであれば、その企業で働くことが苦痛になりえますし、そこにいるだけで自分の実力が向上しなくなる恐れもあります。
さらに自分のやりたいことができなかったり、待遇面に関して上司に伝えたとしても中々改善されないことが少なくありません。
そういった問題を強引に解決できるのが転職です。
転職することで収入から待遇面まで一気に解決できるので、転職する人が少ないというのはもう過去の話になっています。
しかし、現在の状況を改善することができる転職ですが、安易に行うと手痛いしっぺ返しを貰う可能性もあるので注意が必要です。
それでは次に、安易な転職によって起こる問題をお話していきます。
転職活動では転職理由が必ず聞かれる
当たり前ですが、転職活動を行うということは人事との面接があります。
その際に必ず聞かれるのが転職理由です。
なぜ今の会社を辞めてまで別の企業に転職しようとしているのか「明確な理由」がなければ、相手の企業も採用できません。
- ただ単に人間関係が良くなかったから。
- 仕事内容が自分に合わなかった。
といった曖昧な転職理由では、そもそも採用されることはほぼゼロに近いです。
そもそも新卒で入った時でさえ、具体的に企業を調べてなぜその企業に入社したいのかを話したはずです。
転職活動で内定を取るのは新卒での就職活動以上にハードルが高いです。
だからこそ、新卒の時以上に理由を明確に、今までの経験を踏まえて話すことが重要です。
雇っても同じ理由で転職する可能性があるのかをその場で判断するため
せっかく雇うわけですから、企業としてはしっかりと貢献してもらいたいと考えています。
しかし、面接の際に転職理由を曖昧に答えられると、
「この人はちょっとした問題があるとすぐに辞めてしまうのではないか?」
という印象を持たれやすくなります。
そうなると自分が人事を担当していた場合、採用したくはありませんよね。
自分の状況を改善、またはキャリアアップを行うために転職することは間違ってはいませんが、転職活動を行うということは必ずその理由を聞かれることになるので、なぜ転職を行うのか、今の会社の問題点、転職先に入ることで自分がどうなりたいのか、どのような仕事をしていきたいのか明確にしておくことが重要です。
素直に転職理由を語っても落とされることも
先ほど転職理由が明確である必要性についてお話しましたが、その転職理由を説明する上で、とにかく素直に話せば良いというわけではありません。
転職するということは現在勤めている企業に対して、待遇面などの何かしらの不満があったり、勤めていてもこれ以上の成長が見込めないといった理由もあるでしょう。
転職理由がポジティブなものであれば問題ありませんが、ネガティブなものだと、素直に語ってもただの文句になってしまいます。
もちろん転職理由を語る上で、なぜ転職をするのか明確にするために素直に話すことも必要です。
しかし最終的には、その理由がネガティブなものであっても、ポジティブに変えて伝えることが最も重要なポイントとなります。
とはいえネガティブをポジティブな意見に変えることはかなり難しい要素になります。
そこで、どのように転職理由を話していけば良いのかお話していきます。
ITエンジニアがよく使う転職理由の種類
転職理由として上げられるのは、
- 給与
- 待遇
- 仕事内容
- 会社、社風
- キャリアアップ、キャリアチェンジ
- 休出、残業が多い
- 人間関係
このような転職理由が挙げられます。
キャリアップを目指したり、仕事内容を変えるため、それ以外にも業界的に休日出勤や残業もまだまだあるため、過剰な労働を避けるために転職するなど様々です。
自己中心的な不満を述べるのは転職理由ではNG
たとえ理不尽な理由であったとしても、それに対する不満をとにかく話すことは控えるべきです。
面接官視点では、
- なぜ自分の企業に転職したいのか
- なぜその企業を退職したいと思ったのか
を知ることでその人物がどのような考えを持っているのか、人間性を図ることができます。
そんな中で、ただひたすらに会社が悪いといった自己中心的な不満を発言するだけでは、現状に不満を持つだけで何も改善しようとせず、全て会社に責任転嫁をし、そこから逃れるために転職しようとしている人という印象を持ってしまいます。
そうならないためにも、退職理由としての理由で正直に話すことはもちろん重要ですが、会社に責任転嫁するような自己中心的な不満を話すことは控えましょう。
転職理由はマイナスな理由であっても最終的にプラス目線にして伝えることが重要
例えば、転職理由が自分のやりたい仕事ではないという場合、ITエンジニアでは要件定義などのより顧客に近い上流工程と、プログラミングやテストを行う下流工程に分かれています。
より収入を増やしたい場合には下流工程ではなく、上流工程に携わることでキャリアアップが狙えます。
しかし、ただ単純に下流工程しか携わらせてもらえなかったことが転職理由だとしたら、なぜその企業では下流工程しか携わらせてもらえなかったのかを考えましょう。
- そもそも案件として上流工程が少ない
- 上流工程に必要なスキルやノウハウが本人には不足している
- 下流工程の人員が不足している
このような理由が考えられます。
だからこそこの中から企業はどのような状態だったのかを考え、それをふまえて、なぜ自分自身が上流工程の業務につくことができなかったのかを総合的に判断します。
そして、そこから自身のキャリアプランを上司に相談するといった行動に起こすことも重要です。
ただ単に頭の中で思っているだけで行動することもなく、ただ不満を持っている場合、採用したとしても仕事に不満があれば何の相談もなく辞めてしまう恐れがありますよね。
例え転職理由が自分がやりたい仕事ができなかったとしても、なぜ不満に思ったのか、その不満を解消するためにどのような行動を行ったのかなどを説明し、それをふまえて改善されなかったこと、そして面接では、自分がその仕事をすることで企業にとってどんな貢献ができるのかを説明ができるように準備しておきましょう。
【状況別の例文7つ有】ITエンジニアが使えるおすすめの転職理由
これまでにIT業界の転職率やITエンジニアが転職時に気をつけるべき転職理由の話し方などをお話してきましたが、実際に面接で転職理由を話す際におすすめの理由をご紹介します。
収入・待遇面での転職理由
企業によってはどんなに頑張っても収入が上がらなかったり、上司に訴えかけても待遇面が改善されるということは必ずしもありません。
そんな収入・待遇面での転職理由をご紹介します。
例文1.どれだけ仕事を頑張っても評価がされず、収入が固定になっている
以前の企業に勤めていた時には、大小関わらず様々なプロジェクトを行ってきましたが、どんなに大変なことでも手を抜かず、納期・品質はプロジェクトチーム内でもトップレベルの方でした。その成果もあり、その後は他のメンバーの納品物もチェックして全体の品質を担保する役割も増え、プロジェクトの成功に貢献してきました。
私としては、将来プロジェクトリーダーやマネージャーといったポジションに就きたいと思っていたので、査定の面談の際にも上司に話したのですが、毎年「検討する」という言葉ばかりで結局何の変化もありませんでした。
むしろ、進捗が遅れていたり、何らかのトラブルが発生している案件ばかりにアサインされるようになり、自分は火消し要因として扱われているのでは?と、ふと考えてしまいました。
だからこそ、自分が将来考えているプロジェクトリーダーやマネージャーになるためにはこのままではいけないと考え、転職することを決断しました。
御社では、実力と結果に応じてキャリアアップの制度も充実しているということでしたので、もし内定を頂けるのでしたら、以前の企業で培った品質管理などのノウハウを存分に生かし御社に貢献していきたいと考えております。
よくある転職理由ですね。
ポイントとしては、
- 以前の企業でどのようなことをしていたのか
- その問題を解決するためにどのようなことをしたのか
- 以前の企業と面接先の企業ではどのような違いがあるのか
転職理由なので最初の2つを盛り込んだ回答でもいいですが、全て盛り込んだ回答にすることでより丁寧になります。
例文2.スキルアップの仕組みがなく、昇進のチャンスを掴みづらい
以前の企業では、新しいスキルを会得するための環境が揃っておらず、例えば、リーダーとなるために必要なノウハウであったり、コーディングのやり方や仕様書の書き方のスキルは「見て、経験して覚えろ」というスタンスでした。
だからこそ、分からないことは自分で参考書等を買ったり土日にITエンジニアのための教育セミナーなどに実費で参加していました。
しかし御社では、スキルアップのための環境、そして資格に対する追加手当制度も充実しており、そのスキルを全員が把握でき、どんどんチャレンジできるような環境であると確信していますので、是非ここで働きたいと思い転職を希望しました。
最近では、スキルアップのための制度をホームページ上に記載している企業も多く、募集要項にもどのような資格を取っていれば追加手当があるのかということも細かく記載がありますのでよく確認し、この転職理由を用いましょう。
また、不明点があれば面接前にメールなどで質問するということも視野に入れましょう。
例文3.毎日のように残業が多く、体調を崩してしまいそうになった。
以前の企業では、アサインされた案件の問題もあるのですが、ほぼ毎日終電近くまで働き、週休2日制のはずでしたが休日出勤も当たり前、代休も必ず取れないという環境でした。
さらに、根幹となる要件も固まっていないという問題があり、手戻りの量が多く、場合によっては泊まり込みで作業することもありました。
さすがにこのままだと精神的にも体力的にも限界が来てしまうと思い、上司にも相談したのですが、「今頑張ればあとから休めるから」というだけで根本的に改善していただける見込みがありませんでした。もちろん上司も死に物狂いで働いているということは分かりますが、このまま続けてしまうと、最悪の状況も発生するのではないかと考え、退職を決断しました。
どの企業でもこのように大変な時期はあるかと存じますが、御社ではフレックスやリモートワークなど、自由に働き方を選択できることが魅力的で、常に働き方を改善されていると感じましたので、ぜひ、働きたいと感じ転職を希望いたしました。
最初だけ見ると、かなり自己中心的な理由ですが、これで体調を崩してしまい、鬱などの病気になりやすくなってしまうとそれこそ本末転倒です。
だからこそ、どのタイミングでその決断をするのか、そして転職先ではそれが起こらないためにどのような施策を取っているのかを確認し、自分以外の目線を取り入れることで自己中心的な理由を薄めることができます。
キャリアアップ・キャリアチェンジでの転職理由
自分がなりたい将来のために行っていくキャリアアップ・キャリアチェンジ。
技術を磨くためだったり、別の職種に転職したいといった際にどのような転職理由を話せば良いのかお話していきます。
例文4.もっと挑戦できるような仕事に就きたい
以前の企業では、運用・保守がメインの業務で、私の将来のビジョンとして、運用・保守ではなく、新しいモノを作る最前線に立ちたいと考えております。
運用・保守も大事な業務ですが、将来のビジョンを考えたときに、ここにいて、ずっと仕事をすることが将来の最短経路なのか疑問に思ってしまいました。であれば、もっと新しい技術を身に付け、どんどん事業として広げていっている企業に転職することが私のやりたい道に変わっていました。
そこで御社では、様々な提携先に加え、常に新しいモノを開発する機会が以前の企業より多く、さらに運用・保守という今まで培ったノウハウを活かせるのではないかと考えたのが理由になります。
ここでのポイントは、今まで行ってきた業務を否定しないことです。
その業務はニーズがあるから仕事として成り立って以前まで給料をもらえてきています。
だからこそ、その業務を尊重しているが、自分のキャリアプラン上、もっと別の道を行きたい。
という理由付けを行うのがおすすめです。
例文5.別の業種に挑戦したい!
以前までは、システムエンジニアとして活動していたのですが、内部がどれだけ素晴らしいプログラムを作っても、UIが良くなければ、お客様に購入されることもなく、売上に直結しないことが分かりました。
そこで、独学でWebデザインを勉強し、様々なサイトを参考にしたり、自分で作ったりもしてきました。そしてその難しさも体験していますが、Webデザインに対しての興味が格段にあがり、このスキルで仕事をしたいと考えるようになりました。
Webデザインもでき、システムエンジニアとしても仕事ができるようになれば、御社でも最大限貢献できると思っております。
なぜその業種に興味を持ったのか、どのタイミングで興味を持ったのかを明確に伝えることがポイントです。
「以前の企業に入社する前から興味を持っていたのであれば、なぜ最初からその業種に行かなかったのか」と面接官は疑問に思ってしまいます。
今までの仕事をしてきて感じたことを交え、新しい業種に挑戦したいという構成の転職理由にすると自然な形になるのでおすすめです。
例文6.もっと貪欲に取り組む人と一緒に仕事をしたい
以前所属していた企業では、向上心を持っている方が少なく、とりあえず今安定した給料をもらっているので現状に満足しているという方が多かったです。
ですが、私自身それで満足しておらず、何らかの実績を出しさらに上を目指したいと思っております。向上心を持たずとも与えられた仕事だけこなす人では相乗効果が生まれずに、満足のいく結果を出すことが難しいのではないかと考えています。
だからこそ、もっとみんながガツガツと貪欲に仕事に打ち込んでいるような企業に転職を決断しました。
御社では成果主義ということもあり、全員が目標達成のために貪欲に取り組んでいるということを拝見し、私もそこで貪欲に上を目指せるのではないかと思っております。
今回は少し簡潔に記載していますが、そもそも貪欲に取り組む人はどんな人をイメージしているのかも合わせることで、相手に対して説得力を増す材料にできます。
この理由だけではなく全ての理由に共通しますが、この転職理由を話すことで、相手はどのような疑問が生まれるのかをイメージしてみましょう。
会社の事業での転職理由
会社に所属していると業績が悪いなどのどうしようもない理由によって、事業自体が凍結されたり、消滅してしまうことも珍しくはありません。
そういった場合にはどのような転職理由を出すのかをお話しします。
例文7.会社の事業転換により自分がやりたい仕事ではなくなった。
以前は様々な業務改善ツールの企画、作成を行い販売をしていましたが、業績の悪化ということもあり、事業が凍結され、一般的なシステム開発業務に携わることになりました。
ツールの企画、作成ではどのようなモノを作成すると相手が喜ぶのか、といったマーケティング的な要素も培え、やりがいのある業務だったからこそ、今後もそのような路線で活動していきたいと考えたのが、今回転職した理由となります。
御社では、ホームページ等を拝見させていただいたところ、企画、開発がメインの業務であること、そして業務改善のためのシステムやツールの開発ということで、私が以前培った知識も総動員して、即戦力として活動できると思い、今回志望しております。
事業転換が起きると、今までやったことのない仕事をすることが多くなります。
しかしポジティブに考えると、新しい知識やノウハウを得るきっかけになりますが、本当にやりたいことが消えてしまった場合にはこの転職理由を用いるのがおすすめです。
転職理由が明確かつポジティブなら転職が不利になることはない
ITエンジニアの転職理由についてご紹介しましたが、
「会社に不満がある」
「スキルアップのために転職したい」
など、様々な理由で一度は転職を行いたいと考えている方も少なくないでしょう。
ただ転職をしたいと考えていても、多くの人が躓いてしまうのが転職理由です。
この転職理由を明確に説明することができれば、転職活動が不利になるということはありません。
しかし、ただ単にその会社が合わない、収入や待遇が悪いから転職するといった安易な考えで転職に踏み切るのはやめましょう。
なぜなら転職理由をポジティブに説明する必要があるからです。
所属している企業のネガティブな情報だけを伝えたとしたら相手からの印象が悪くなりますよね。
転職するということはその会社を離れたい理由があるはずですので、悪いイメージを持たれないためにもなぜ転職したいのか、改善しようと行動したのか、転職した際のメリットなどを伝え、転職を有利に進めていきましょう。