Twitterで話題になった #SESクソ体験 が現実的過ぎて辛い。
SESと聞くと「辛い」「ブラック」「地獄」等といったマイナスイメージを持たれている方も多いです。
そんなSESを経験された方の中には想像を絶するような経験をされている方もたくさんいらっしゃいます。
あるあると共感を得られることもありますが、そんなことがあっていいのかと目を疑ってしまう投稿がTwitterなどをはじめとしたSNSには数多く寄せられています。
残念なことにネット上に公開されている多くのSESに関する情報の大半は事実です。
今回の記事ではそんなTwitterに寄せられた #SESクソ体験についてまとめてみました。
SESクソ体験 とは?
SESクソ体験 とは2018年に米村歩氏によって投稿された以下のツイートから始まりました。
この運動は瞬く間に広がりを見せることになり、数多くのクソ体験がTwitter上に溢れました。
初投稿から4年ほど経過した現代でもまだまだハッシュタグを付けてツイートされているところを見ると、どれだけSESが闇深いものかがお分かりいただけることでしょう。
SESクソ体験まとめ
では実際にどのような体験がツイートされているのでしょうか?
たくさんツイートされている中から今回は特に衝撃的なツイートをご紹介していきます。
引き継いだ機能の障害あるある
引き継いだ機能であったにもかかわらず、派遣先から評価を下げられてしまうということも当たり前に発生しているようです。
また似たような経験として他社が作成した部分のバグの改修をたくさんおこなったところ、不具合が多かったとして評価を下げられてしまうケースもあるようです。
配属先の言語あるある
こうした案件のアンマッチが発生しやすいというのもSESならではの特徴ですね。
配属先で使用する言語を多分と回答するあたり、信用していい会社なのか不安になってしまいますよね。
マニアックあるある
エンジニアと営業担当者の齟齬によってこうしたトラブルが発生してしまうのもSESの闇の1つです。
営業はそこまでプログラミングに詳しいわけではなく、適当な納期で契約してきてエンジニアが大変な思いをするということもしばしばあるようです。
休みあるある
休暇の制度に対する不満、闇に関するツイートもたくさんされています。
休日や残業時間についてはエンジニアを出向させる前に取り決めがされているはずですが、このようなツイートの場合も多々あるようです。
元請けと下請けあるある
SESのエンジニアは給与が低いとよく言われますが、こうした口止めが理由となってエンジニアの年収が下がっている要因になっているのかもしれませんね。
GWあるある
エンジニアごとに休日出勤や残業時間については個別に契約するとはいえど、こうした会話を耳にしてしまうとSESの闇深さを身にしみて感じてしまいますね。
詐欺研修あるある
こうした経歴を偽ることも当たり前に横行しているようです。
SES企業からしてみればエンジニアが働けば働くほど会社に利益をもたらすことができるため、なんとかしてエンジニアを出向させようとしている闇が影響しています。
プロジェクトのレベルに合わない可能性のあるエンジニアを出向させてしまうSES企業は本当に闇深いです。
その後大変な思いをするのは、出向したエンジニア。こうしたことからSESはブラックだというイメージが生まれたのかもしれません。
雇用あるある
こうした案件のミスマッチが発生してしまうのはエンジニアにとっても、常駐先の企業にとってもデメリットでしかありません。
しかしながらこうしたことも日常的に起こってしまっているのがSESエンジニアの現状のようです。
次の案件あるある
SESの場合には常駐先を取ってくるのは営業の仕事になっています。
もちろん、エンジニア自身が営業して自分の常駐先を決めることなどできません。
この投稿のように、とりあえず営業担当者の評価を上げるために受注してきたプロジェクトであるケースも珍しくなく、エンジニアは大変な思いをすることもあるようです。
社長の対応あるある
こんな嘘みたいな話が合っていいのでしょうか・・・
真意のほどはネット上の投稿のため不明ですが、リツイートやいいねの数が多いところを見ると案外嘘ではないのかもしれません。
エンジニアに還元するために客は上乗せ分を支払ったのに、社長の対応といったら言葉も出ませんね。
こうした企業はできるだけなくなり、しっかりとエンジニアに対して還元してくれる企業が増えることを祈るばかりです。
となりのアイツあるある
シンプルですがなかなか鋭いツイートです。
SES企業の場合にはIT業界は多重下請け構造であるため、業界内での企業の立ち位置によって、中間マージンが抜かれる数が増えていきます。
結果として同じ業務をおこなっていても、上流に位置する企業のSESエンジニアと下流に位置するSESエンジニアでは給与に差が発生してしまいます。
こうした構造上の闇もSESならではのデメリットであるといえるでしょう。
結局やってるのがそこなのかあるある
これもSESにはあるあるです。
向上心を持ってスキルアップを業務だけではなく、業務時間外もおこなったのにもかかわらず、簡単な業務しか担当させてもらえないという常駐先もたくさんあります。
できるだけ常駐先は上司や営業担当者と面談をしながら進めていきたいのがエンジニアの思うところではありますが、自分のやりたいことをうまく伝えられないことや、そもそも自分のスキルアップに見合った常駐先を営業担当者が獲得できていないということも考えられます。
外れのプロジェクトに参画したとしても契約期間が終わるまでじっと我慢しなければいけないというのもなかなかの地獄です。
案件開始前日あるある
こんな嘘みたいなことが起こってしまうのがSESの闇深いポイントです。
下請けの末端の企業であればあるほど、基本設計などの上流工程の仕事が巡ってくるチャンスは少ないです。
それを考えるとひどいとしか言いようがありません。
資格あるある
これもどうなのでしょうか?
もちろんせっかくの土日を強制的に返上しなければならないという点も闇深いですが、合格していない方が資格試験の講師をするというのはいかがなものなのでしょうか?
しかしながら多くのSES企業ではほとんどの時間を常駐先で過ごすことになるため、こうした社内教育に必要な技術力が社内に蓄積しないというデメリットがあるのも事実です。
その後どうなったのでしょうか、偉い人は現在でも資格の講師をされているのでしょうか?
Yesマンあるある
これもSESではあるあるのようです。
客先にいい顔をし続けるあまり、当初の仕様とかけ離れ過ぎることはプロジェクトによっては日常茶飯事だとか。
なんとかエンジニアが作業を終わらせたとしても文句を言われてしまう、闇以外の何物でもありません。
OJTあるある
どうしてもSESの場合には社内教育体制が整っていないケースが多いです。
ほとんどのエンジニアが常駐先で勤務をしているため、それぞれが忙しく後輩の教育まで手が回らないということも理由として挙げられます。
SESエンジニアの特徴として未経験でもIT業界に入りやすく、活躍できるケースが多いと期待している方も一定数いらっしゃいます。
そうしたときにOJTもなく、一人で常駐先に飛ばされてしまうとなると不安で仕方ないはずです。
しかしながらそうした状況の未経験エンジニアをどんどんと常駐先に出向させてしまうというのも、闇深いポイントでしょう。
元請けの中抜きあるある
多重下請け構造の下流に位置する場合にはどうしても中抜きが多く入ってしまい、手元に残る利益は少なくなってしまうのが一般的です。
クライアントとしてはしっかりと報酬を支払っているため、働きぶりに期待される反面、実際にはエンジニアに給与として反映されていないことも多くあります。
クライアントの期待には応えたいけれど給与が低いという葛藤を抱えながら仕事をしなければならないのも、SESの辛いポイントの1つです。
権利あるある
嘘みたいな話ですが、こうした休みの調整は何気なく元請から依頼されることがあるようです。
SESエンジニアの場合には契約は準委任契約となるため、業務命令を出す権利は所属しているSES企業が保有することになっています。
しかしながら現場のエンジニアや常駐先の社員が契約を理解しておらず、常駐先の指示に従ってしまうエンジニアもたくさんいるのが事実です。
こうした契約に関する教育をしっかりとエンジニアにしていないという業界の教育体制も闇が深いと言わざるを得ないでしょう。
SESを利用するメリットとは?
ではこのようなクソ体験が多数寄せられているSESですが、なぜニーズは減らないのでしょうか?
これにはSESならではの特徴があり、SESを企業が利用することによってさまざまなメリットを享受することができるからに他なりません。
またもちろん、エンジニアとして働く側からしてもメリットはあります。
ここではSESを利用するメリットを企業側、エンジニア側にわけてそれぞれ4つずつご紹介していきます。
企業側
1.教育コストがかからない
システムやアプリケーションを開発・構築していくためにはプログラミングスキルはもちろんのこと、豊富な知識やノウハウが必要になります。
発注する企業にとってはSESを利用することによって、ある程度の技術力が担保されたエンジニアを教育コストなしで契約することができます。
どうしても自社でエンジニアを育てていこうとなるとコストが必要になるのはもちろん、教育期間もかかってしまうため即戦力として扱うことは難しいです。
SESエンジニアと契約することによって教育コストを省き、即戦力となるエンジニアと契約することができるためにSESは多くの企業から重宝されています。
2.必要な時に人材をすぐに確保することができる
SESエンジニアの場合には自社内に不足しているプログラミングや知識を持ったエンジニアを必要な時に契約することができます。
プロジェクトの規模が小さいのでなるべく受託開発エンジニアではなくSESエンジニアと契約してコストを抑えたい場合や、必要なスキルをもったエンジニアだけを必要としている場合にはSESは最適の雇用方法であるといえます。
3.事業規模に合わせて柔軟に対応できる
一般的に、正社員で雇用した場合に簡単に解雇することは日本の法律では難しいです。
そのため事業規模を縮小したい場合であっても簡単に社員を減らすことはできません。
しかしながらSES契約をしたエンジニアの場合には正社員とは異なり、事業規模に合わせて簡単に契約を終了させることが可能です。
また反対に事業規模を拡大したい場合には必要な人数をSES契約することによって柔軟に対応することができます。
このように自社のビジネスモデルや事業に応じて簡単に人員を増減させることができるため、特に成長スピードが早い企業の場合には大量のSESエンジニアと契約しているケースも多いです。
4.リスクが少ないビジネスモデルである
SES企業にとって、SES事業はリスクが少ないビジネスモデルであり、利益を確保しやすいという特徴があります。
SESの場合には成果物に対する報酬ではなく、エンジニアが働いた労働時間に対する報酬になります。
ですので成果物に対する報酬が出ないため、成果物に対して責任を負う必要がありません。
そのため、成果物のクオリティーに対して値下げ交渉が入る恐れや納期が遅れてしまう恐れもなく、安定して利益を生むことができます。
SESの場合には契約することさえできれば安定した利益を生むことができるため、リスクが少ないビジネスモデルとして人気であり、今後も無くなることはあまり考えられません。
エンジニア側
1.さまざまなプロジェクトに参画できる
SESエンジニアの場合には、プロジェクトごとにさまざまな業界・業種と関わることができます。
プロジェクトの規模によっては大手企業や有名企業で仕事をするチャンスもあります。
常駐先である程度のスキルを認められることによってヘッドハンティングされるかもしれません。
また自分の所属しているSES企業だけではなく、他のSES企業から出向してきたエンジニアと横のつながりができるのもさまざまな情報共有ができるためSESのメリットの1つであるといえます。
さまざまな業界・業種を経験しながら、横のつながりも増やしていけるSESは今後もエンジニアの一つの働き方として人気がなくなることはないでしょう。
2.仕事とプライベートを両立できる
SESの場合には基本的に常駐先で業務をおこなうことになりますが、常駐先に出向する前に労働時間や休日出勤に関して契約を結ぶことになります。
その契約の中で残業時間についてもしっかりと明記されているため、突発的な残業や休日出勤が発生する可能性が低いです。
また、成果物に対して責任を負う必要がないため、納期に間に合わないから徹夜で作業をするといったことも発生しません。
仕事とプライベートを両立させたい方にとってはSESはメリットしかない働き方であるといえるでしょう。
3.未経験でも活躍できる可能性がある
日本では2030年にはおよそ79万人のIT人材が不足するとされています。
そのため、多くの企業がIT人材の確保に注力しており、もちろんSES企業も例外ではありません。
SESエンジニアの場合には、自社開発をおこなうエンジニアと比較すると求められるスキルレベルが低いため、未経験であってもある程度活躍することができます。
エンジニアは専門職であり、今後も需要が無くなることは考えられませんので、とりあえずエンジニアやIT業界に興味がある方はぜひSESエンジニアとして働くことを検討してみてください。
SESのクソ体験に対してのまとめ
今回はSESのクソ体験について、Twitterに投稿されている目を疑うような内容のツイートのご紹介や、そもそもSESを利用するメリットはどんなものがあるのかについてまとめてみました。
闇が深いツイートがたくさん投稿されているSESですが、企業やエンジニアにとっても利用するメリットはたくさんあるということがお分かりいただけたことでしょう。
もしご自身にもSESで大変な思いをした経験がおありの場合には、#SESクソ体験のハッシュタグを付けてツイートしてみると共感を得られるかもしれません。
もちろんツイートのようなヤバいブラックSES企業ばかりではなく、ホワイトSES企業もたくさんありますので、SESとして働くことを検討される場合には所属するSES企業については十分にリサーチすることをおすすめします。