【現役エンジニアが告白!】ITエンジニアのイメージは半分以上違う?リアルとイメージの違いを包み隠さずぶっちゃけます!
ITエンジニアという業界にどのようなイメージを持っているでしょうか?
そもそも未経験者の場合だと、全く内容を知らずに「何となくすごい」という印象を持ってしまうということも少なくありません。
しかし、実際のITエンジニアはあなたが思っているイメージとは全く異なるかもしれません。
今回はITエンジニアに対して抱きそうなイメージと今までITエンジニアとして現役で活動してきた私がリアルなITエンジニアについて包み隠さずお話ししていきます。
ITエンジニアに抱かれているイメージ
それでは、早速ITエンジニアに抱かれているイメージについてお話していきます。
今回は、実際に私が友人等に職業で「ITエンジニア(私の場合はシステムエンジニアでした)」といった時に、「こういうイメージがあるんだけど」と言われた事についてもお話ししています。
プログラムはフルスクラッチで開発している
まず前提として、ITエンジニアは何らかのプログラムだったりWebページを作るのですが、作成する時に、HTMLだったりPHPだったり、C言語だったりと、何らかのプログラム言語を使って開発をしています。
全くコーディングをせずに開発するということは私自身は一度もありません。
そこで、ITエンジニアについて何も知らない方がよくイメージするのが、
ブラインドタッチでひたすらソースコードを入力してプログラムを開発しているというイメージです。
全て手書き(オープンソースを利用せずに自力)でプログラムを作成することをフルスクラッチと呼びます。
このようなイメージもあるので、それに付随して「頭がいい」だったり、「すごいことをしている」というイメージも持たれることもよくありました。
何をやっているのか分からないというイメージも
こういうイメージもあり、「どんな仕事をしているの?」と聞かれて、仕事内容を少し詳しく説明すると二言目には「なんか難しいことをしているんだね」と、そもそも何をやっているのか分からないというイメージの方もいます。
そもそもITエンジニア自体が営業等の交渉する業務以外では、どのような案件でも常にPCの前で何かをしているので、そのようなイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?
お金を稼げる(高給取り)
次に私自身もITエンジニアとして活動する前にこのようなイメージを持っていましたが、ITエンジニアはお金を稼げるというイメージです。
友人や知り合いに今の職業について話しても、「稼げる仕事なんじゃないの?」ということをよく言われました。
そこで、どれぐらい年収を稼いでいると思うのか?と気になったので、何人かに聞いたことがあるのですが、新卒でも500万円~600万円、ベテランになれば700万~1,000万程度の年収を稼いでいるというイメージを持たれていました。
仕事がきつい(ブラック企業が多い)
次に仕事がきつい、もしくはブラック企業が多いというイメージです。
このイメージについては、ここ数年でかなり増えています。
最近では、過労死だったり、労働時間の多さや、ITエンジニアの派遣についての問題がメディアに取り上げられることが多く、業界全体のイメージ自体がかなり悪くなっている傾向があります。
他にも、先程お話しした稼げるという印象もあり、「稼いでいる=仕事が忙しい」というイメージを持っている方の場合には、仕事が多く毎日忙しい生活をしている業種だと思われることもあります。
相手の業種によっては楽な仕事とも思われることも
しかし、一方では、ITエンジニアの仕事はデスクワークだから楽な仕事だと思われることもあります。
これは私も学生の頃、引っ越し業者でアルバイトをしたことがありますが、圧倒的にデスクワークの方が楽というイメージを持っていました。
そのため、相手の仕事次第でITエンジニアのイメージが完全に分かれてしまう傾向があります。
一定以上のPCスキルが無いと厳しい
ITエンジニアという業種自体がかなり頭が良くないと就職できないというイメージがあります。
例えばですが、下記のようなスキルを持っているのが前提になっているようです。
- タイピング(ブラインドタッチ)
- Office等のPCソフトに対する知識
- プログラム言語
これ以外にも、情報整理能力であったり、論理的な思考が無ければITエンジニアとして仕事をするのは難しいと思われています。
ITエンジニアのイメージと現実の違い
ここまでは、ITエンジニアのイメージについてお話ししてきましたが、そのイメージが本当に合っているのか、現役でITエンジニアとして働いている私が、包み隠さずお話ししていきます。
プログラムをフルスクラッチで開発することはかなり少ない
まず最初にプログラムをフルスクラッチで開発することはかなり少ないです。
なぜフルスクラッチで開発することが少ないのか、下記のような理由があります。
- オープンソースの方が早くて楽
- 誰でも開発できるようにオープンソースを利用する頻度が多い
- 作業工数が少ない
他にも案件の規模が大きければ大きいほどフルスクラッチで開発しない傾向があります。
規模が大きければ大きいほど、参画している企業が多く、誰もがソースコードを読んで理解したり、バグを少なくするために、使用するコードに制限があったり、一部のみを開発するなどの施策が取られています。
オープンソースの方が早くて楽
一つ目はオープンソースの方が早くて楽という点です。
オープンソースとは?
大塚商会「オープンソース」より引用
ソフトウェアの設計図にあたるソースコードを無償で公開し、誰でも自由にそのソフトウェアを使用、複製、改良、再配布できるようにすること。
フルスクラッチであれば自分で構成を考え、自分で開発して動作チェックも行わなければいけません。
しかしオープンソースの場合は、その根幹の構成を考えて自分で開発する工程の半分以上を省略できます。
ソフトウェアのような既に作成されているものだけではなく、小規模の機能でも、インターネットで調べると、ソースコードを公開している方も多く、それをコピペするだけでプログラムを開発することも可能です。
誰でも開発できるようにオープンソースを利用する頻度が多い
これはこの後にもお話ししますが、一定以上のPCスキルが無いと厳しいというイメージに反して、最近ではPCスキルはあまり必要ではありません。
実際に中小のITエンジニア企業では、就職活動サイト等でも「初心者でも大歓迎」といった文言も多く、初心者でもITエンジニア企業への就職活動のハードルはかなり低くなっています。
作業工数や単価の見積もりに対してもこの傾向があります。
フルスクラッチでプログラムを開発すると、個人の力量に応じて上振れ下振れが発生するので慣れていないと見積もりを変えなければいけません。
そのため、オープンソース等のWeb上のコードを参考にしながら開発することで、見積もりがしやすくなり、見積もり時の事故が少なくなるので、フルスクラッチで開発させるという案件自体がかなり少なくなっています。
ITエンジニア企業のほとんどが、オープンソース以外にも今まで開発してきたリファレンスであったり、ノウハウを用いることもあるので、全て手書きで製作するということ自体が少なくなっている傾向があります。
作業工数が少ない
最後に、そもそもの作業工数が少ないという点です。
これは中小企業に多いのですが、中小のITエンジニア企業は非常に多く、常に価格や納期での競争が行われています。
そこで、受注はできたが費用や作業工数が少ないことが多く、できるだけ今ある仕組みを流用して開発する方法を取ることが多いです。
私自身も新卒で入社し、3年間同じ企業で働いていましたが、システムを全てフルスクラッチで開発したことがありません。
別の案件の仕組みを流用したり、今ある仕組みを流用して、一部の機能を簡単に変更するという業務が多く、1つの案件で50行もプログラムを書かなかったような案件すら存在しました。
社内でもブラックな案件とホワイトな案件が存在する
ブラック企業が多いというイメージや、逆にデスクワークで楽そうだからいいよねなどというイメージを持たれていたり、他にも、ブラックなITエンジニア企業の見分け方等についても聞かれることがありますが、企業で携わる案件によって大きく異なります。
別の記事でもお話ししているのですが、私が働いていた企業では、ホワイトの案件とブラックの案件が完全に分かれていました。
私自身はブラックな案件にアサインされることが多く、定時に帰れるということ自体が稀でした。
酷い場合だと、自分の仕事が終わって久しぶりに定時で帰ろうとして、駅前で電車を待っていると上司から電話が掛かってきて、「他の人が間に合っていない仕事を手伝って」といった、普通ではありえないことを要求される案件もありました。
一方で、全くの別の案件に携わっていた私の同期は基本的に定時で帰っていて、残業時間は月に20時間程度でかなりホワイトな案件に携わっていました。
このように、同じ企業でも携わる案件次第で仕事時間が大きく変わるので、ホワイトな企業といっても一部のブラックな案件にアサインをされると、ブラック企業というイメージを持ってしまいます。
ブラックかホワイトかを見極るならPMを見ろ!
このようにお話すると、結局は運なのではないか?と思われると思いますが、実はブラックな案件とホワイトな案件の見分け方があります。
それはプロジェクトマネージャー(PM)をチェックすることです
案件には必ずプロジェクトマネージャーと呼ばれる方が見積もりをしたり、スケジュールを立てたりしますが、ブラックになるかホワイトになるかは完全にプロジェクトマネージャー次第です。
私が月に120時間以上残業をした案件では、プロジェクトマネージャーが破綻したスケジュールを作ったり、上部の言いなりで交渉自体ができていなかったりしていました。
しかし途中でPMが変わり、スケジュールや交渉などが完璧に行われるようになると、残業時間が半分以下、最終的には私の同期と同じように平均20時間前後まで落ち着きました。
このように、スケジュールの組み立てや交渉などができないPMの下で働く場合は、ほぼ確実にスケジュールが破綻していたり、何らかの見落としがあったりというトラブルが発生します。
だからこそ、まずはPMをチェックし、この人であれば安心して入れるという案件を決めることができれば、比較的ホワイトな働き方ができます。
他の業種と年収はさほど変わらない
次にITエンジニアの給料についてお話していきます。
まず先に言っておきますが一般的なITエンジニア、例えばシステムエンジニアだったりWebエンジニアやプログラマーなどは他の業種と給料はほとんど変わりません。
私が新卒で入ったシステムエンジニアの中小企業であれば基本給が19万円、通勤手当や住宅手当などを含めても手取りで20万円に届くか届かないかです。
そこで3年程度働いていましたが、結局、月の給料は手取りで20万円から22万前後でした。
大企業だと昇給の上がり幅が大きくなる
大企業でもほとんど変わらず新卒であれば20万前後、高くても23万円程度が普通です。
しかし、大企業であれば、年間に1回程度ある昇給での上がり幅が高くなるので長く勤めれば勤めるほど大企業の方が年収は高くなっていきます。そして、賞与についても大企業の方が高い割合になる可能性も高くなります。
ですが、最初にお話ししたイメージで出ていた年収700万から1000万前後というのはITエンジニアの中でもほんの一握りの人しか到達できない年収です。
難易度の高い国家試験をクリアしていないと就職できない職種等では給与が高くなる傾向があります。
PCスキルはさほど重要ではない
途中でもお話ししましたがこの業界ではPCスキルはさほど重要ではありません。
これはいくつか理由がありますが大きな理由としては人材不足という点です。そのため、初心者でも採用してそこから研修などでスキルアップをさせていくという施策を取る企業が多くなっています。
成長していく意思が無いと初心者でも難しい場合も・・・
PCスキルはあまり重要ではなく初心者でも大丈夫ということを話しましたが、それでもITエンジニアとして活動していくには難しい場合もあります。
私が新卒で入った時の同期に一人だけローマ字入力ですら難しくタイピングにも時間がかかり基本的な操作もおぼつかないような初心者がいました。
最初のうちは、苦戦しながらも研修に臨み、少しずつ頑張っているようでしたが、半年経っても入社した状態からほとんど変わらず、最終的には完全な事務作業ばかりしていることが多かったです。
1年後には上司から自主退職を勧められ別の企業に転職しています。
仕事ができないからといって企業からクビにされるということはほぼありませんが、入社してから一定以上の成長が見込めない場合であればこのように自主退職を勧められることもあります。
しかし、成長していく意思とそれに付随する能力の向上があれば、基本的に初心者でも全く問題は無いでしょう。
ITエンジニアは意外と手を出しやすい業種の一つになりつつある
世間的に抱かれているITエンジニアのイメージ、そして、現役のITエンジニアがそのイメージに対する現実を包み隠さずお話ししましたがいかがだったでしょうか?
最後の自主退職についてはあまり聞くことは無いかもしれませんが、ITエンジニアの業界では意外と多い現実です。
これは私自身の意見になるのですがITエンジニアはパソコンを使ってのデスクワークに忌避感がなければ全くの初心者でも活動していけると思っている業種の一つです。
今までであればプログラム言語を覚えていなければいけなかったり、他のPCスキルがなければそもそも仕事ができないような業界でもありましたが、最近ではオープンソースや企業独自のリファレンスを利用することも多なっています。
そのため、PCスキルやITエンジニアに必要なプログラム言語等のスキルがなくても採用されるような企業も多くなっています。
そして、自宅でもITエンジニアの仕事や勉強ができるため他の業種と比べてもかなり手を出しやすい業種の一つになっています。
最初にお話ししたようなイメージと比べて、現実は地味なように思えてしまいますが、これは世間一般的なITエンジニアの現実です。ここからキャリアアップやフリーランスとして活動できるようになっていけば、最初にお話ししたフルスクラッチで開発できるようになったり高給取りのITエンジニアになることも難しくはありません。
まずは挑戦してみることが重要です。ここで第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか?