ITエンジニアの資格の重要性は低い?その理由と重要度が高いおすすめ資格3選!
どんな職業に就職する場合でも何らかの資格を持っておくことで有利になるということをよく聞きます。
私自身も学生の頃から、資格を取っておくと就職する際に有利になるからどんな小さな資格でも取っておけと口酸っぱく言われてきました。
では、ITエンジニアではどんな資格が必要になるのでしょうか?
また、実際に資格を持っておくとどのようなメリットが発生するのかを新卒でITエンジニアに就職し、転職も経験したことがある現役ITエンジニアが細かく解説していきます。
ITエンジニアに資格は必要?
それでは早速ITエンジニアに資格は必要なのかについて私自身の実体験を踏まえてお話ししていきます。
まず前提として私の経歴についてですが、大学を卒業し、新卒で中小企業のシステム開発会社に就職、その後3年で退職し、半年後に中小企業に再就職、その後フリーランスとしてITエンジニアとして活動を始めました。
そこで取得した資格は下記の通りです。
- 基本情報技術者試験
- Microsoft Office Specialist Excel
- Microsoft Office Specialist PowerPoint
- CGクリエイター検定
- ビジネス能力検定2級
資格は肩書に過ぎない
取得した資格次第ではありますが、ITエンジニアにおける資格はただの肩書の場合がほとんどです。
工業系のように就職するために「電気工事士」のような法律的に必ず取得しておかなければならない資格はあまりなく、ITエンジニアで多い職業のシステムエンジニアやWebデザインエンジニアのような職種では絶対に取っておかなければいけない資格はありません。
現在もITエンジニアとして活動していますが、資格を持っていないからといって、就職ができなかったり、案件が受注できないといった不都合は今まで一度も発生していません。
在宅型のフリーランスの場合は資格はほとんど必要がない
私は現在、在宅型のフリーランスとして、クライアントから業務を請け負っていますが、資格を持っているから案件を受注する際に有利に働くといったことはほとんどありません。
むしろ資格を見せることもありませんし、資格を持っているからといって仕事の仕方に変化があるわけでもありません。
フリーランスでの資格についてもこの後にお話ししますが、その前にITエンジニアとして働くうえで、資格はどのような扱いをされるのか、それぞれの場合で資格の必要度合いはかなり変わります。
働き方次第で資格の必要性は大きく異なる
大前提として、会社員とフリーランスとでは資格の重要度は大きく変わります。フリーランスの場合は取得している資格を並べるより実績(ポートフォリオ)が非常に重要になります。
フリーランスになりたての最初はなかなか実績を作りにくく、保有している資格を出して品質を担保できるようにしたこともありますが、それ以降、私はクライアントに対して資格を出したことはありません。
これはあくまでも私の働き方であって、フリーランスの全ての方が当てはまるということはありませんが、資格を持っているからといってそれを前面に出しているフリーランスは少ない傾向があります。
そのため会社員と比べてフリーランスでは資格の必要性はかなり低く、働き方次第で資格の必要性は大きく異なります。
対して会社員の場合には、技術も重要ではありますが、決められたルールで業務を遂行できるのかが重要です。
こう見ると、一度会社員になってしまえばITエンジニアは資格なんて必要ないのではないかとも思ってしまいますが、そんなことはありません。
資格を持っていることで、技術的にも成長できますし、さらに収入面でも大きく変化する場合もあります。
ではこれから、資格を持つことで収入がどのように変化するのかについてお話ししていきます。
資格を持っていることで収入面でもメリットがある企業も
これだけ見ると、資格はほとんど必要がないと思ってしまいますが資格を持っていることで給料に加えて資格手当を貰える場合があります。
企業にもよりますが、基本給に加えて資格一つにつき、数千円~1万円程度の手当が毎月支給されることが多いです。
私の場合は基本情報技術者試験に合格していたので、毎月の基本給に追加で3,000円の資格手当を貰っていました。
長期的に企業に属するのであれば狙って取得しておきたい
フリーランス等の個人でビジネスを行う場合には資格の必要性は下がりますが、長期的に企業に属して安定して仕事を続けたいと考えている場合では、資格を持っておくことで収入は大きく異なります。
先ほどもお話ししましたが、私の場合毎月の基本給に資格手当として3,000円を支給されていました。あくまでもこれは最低ラインで、他の資格も持っていればこの手当が5,000円になったり1万円になったりと大幅に変動します。
最初のうちは月単位で見るとあまり変化がないように見えますが、日本の企業では年功序列で1年あたり1回昇給がありますが、微々たるものです。
私が働いていた企業では1年間の上がり幅はたった1,500円~高くて3,000円程度でした。この上がり幅は業績や慣例で決まっていくことが多く、当人がどれだけ頑張ってもなかなか変えにくいのが現状です。
しかし資格手当であれば、自分の頑張り次第で1,000円でも1万円でも上げられます。
例えば資格手当が月に1万円だとすると10年間で追加で120万円も貰えることになります。その10年間でも新しい資格を取得していけばこの手当はどんどん増加していくので収入面で見ると資格の必要性はかなり高くなります。
合格報奨金という制度も存在する
会社員として働いている中で新しく資格を取得した場合には「合格報奨金」として一度限りですが、資格手当とは別に金一封を貰えることがあります。
学生は勉強することがメインでしたが、会社員では平日は朝から8時間(休憩を含めると9時間)は必ず仕事があります。ましてや、ITエンジニアは残業が多い業種でもありますので、勉強できる時間は非常に少ないです。
【ITエンジニアの平均的な残業時間は?】
ITエンジニアは残業時間が多い傾向がありますが、平均的には月に20時間~30時間程度が多いです。
しかし案件次第では50時間を越えたり、トラブルが連続で発生した場合には100時間を超えることもあります。
私が経験した最大の残業時間は月に120時間で、この時間残業をすると、基本的に夜の10時以降まで仕事をし、土日も出勤するという生活を送っていました。
会社員は学生と比べて自由な時間は、日々の通勤時間や帰宅してからの数時間しかありません。
そのため、資格取得の難易度はかなり高くなりますが、資格を取得できれば学生と違い実際のお金としてすぐに反映されるので、学生と比べてモチベーションは高くなりやすいメリットはあります。
ですが、物理的な時間の余裕はほとんどありませんので、息抜きと勉強を上手く織り交ぜることで働きながら取得するという選択肢も考えていいでしょう。
ちなみにですが、ITエンジニアでよく取得する国家資格では、どの程度手当を貰えるのかを相場観を簡単に調査し、まとめてみました。
資格 | 合格報奨金 | 資格手当 |
---|---|---|
ITパスポート試験 | 0円~1万円 | 0円~2,000円 |
基本情報技術者試験 | 1万円~5万円 | 1,000円~5,000円 |
応用情報技術者試験 | 3万円~10万円 | 3,000円~1万円 |
応用情報技術者試験より上位の資格(高度) | 10万円~20万円 | 1万円~2万円 |
高度の国家資格になると難易度は非常に高いですが、その分リターンは大きく合格報奨金だけでも新卒の手取りの給料程の金額を支給されます。
そして毎月1万円~2万円程度、毎月の給与に加算されます。毎年の昇給は2,000円~5,000円にプラスして、この資格手当も給付されるので、中小企業でも大企業並みの給料を得ることも可能です。
大企業と中小企業で年収が大きく異なることは誰もがご存じかと思いますが、20代前半~後半にかけては年収としてはさほど変化はありません。
大企業の場合、毎年の昇給が大きく設定されているので、中小企業と差が出やすいのは30代後半~50代からです。
適当な資格を大量に取得してもあまり意味がない可能性がある
私自身、大学生の頃にCGクリエイター検定などの資格を取得しましたが、これが意味があったのかと今考えると「あまり意味は無かったのではないか」とも考えてしまいます。
「資格を沢山取っておいた方が就職には有利になる」ということを学生の頃から言われてきましたが、実際のところ、10個の適当な資格を取得するより、一つ上位の国家資格(基本情報技術者試験であれば応用情報技術者試験のような)を取得する方が圧倒的に有利に働きます。
履歴書に記載する資格としても有利ですし、就職した後に資格手当として毎月支給されるので一般の社員と比べて数万円程変わります。
ですが、これはあくまでも新卒や初めての業界に就活する際に考えることで、既にITエンジニアとして就職しており、転職を考える方は資格より重要になることがあります。
それについてこれからお話ししていきます。
転職では資格より経歴が重要になる
それでは、ここから既に一度就職をして、同業種に転職する場合についてお話しします。
先ほどもお話ししましたが、転職においては資格より今までの経歴(業務経験)が非常に重要になります。そもそも転職で必要とされる人材は即戦力です。
資格はあくまでも能力を図る指標
新卒の場合は基本的にほとんどの方は何一つ業務経験が無いのでその人の能力を図る指標として資格にかなり重点的になります。
これは私が新卒で中小のITエンジニア企業に就職した経験ですが、入社して約3カ月は実際の実務はほとんど行いませんでした。
基本的にビジネスマナーから実務的な内容についての勉強で約1カ月以上、そして実際に各案件に配属されるのは約2か月後です。
配属されても簡単な雑務から始まりステップアップ式に業務を学びます。私より資格を持っていた同期もいましたが、待遇や業務内容については私とほとんど変わらず、スタートラインはさほど変わりませんでした。
そもそも、どれだけ資格を持っていても、実際の業務とでは大きく異なります。資格を取得する上で学んだルールとは異なる手法で作成しなければならないこともあれば、別の業務と並行しながら作成しなければならないことも日常茶飯事です。
それぞれの案件によってプログラムの作り方や仕様書の作り方のルールがあり、結局はどれだけ様々な案件に従事したのかが企業では重要な指標になります。
企業における業務のルールは意外と面倒なことが多いですが、それがあるからこそ、ミスを未然に防げたり、成果物のクオリティの担保ができたりするので、一概に悪いルールというのは少ないです。
しかし、それに慣れるのではなく、資格等で勉強する新しい知識をノウハウに組み込めば更なる効率化も見込めます。
転職では資格より経歴が重要
転職をする場合、履歴書に加えて職務経歴書を書くことがあります。
その職務経歴書が転職では資格以上に重要な要素です。先ほども言いましたが、資格はあくまでもITエンジニアとしての知識を持っているのか、そしてどれだけの技術を持っているのかを推測しやすい指標として活用されます。
しかし、先ほどもお話ししたように、その指標だけで採用をしてもいざ仕事となれば全くもって勝手が違います。
極端な話ですが、試験ではどれだけ勉強に時間をかけても問題ありません。ですが仕事では必ず案件開始とスケジュール、タスク、納期が厳格に決められています。
そのため、仕事に対しての技術もですが、効率も求めなければならず、資格だけ持っていても仕事ができない方がいるのはそのためです。ただ資格を持っているだけではその要素を掴みづらいので、それを補うために経歴をアピールしなければいけません。
資格は履歴書の中にたった1行しか書くことができませんが、職務経歴書の場合、フォーマットが自由で、どのような仕事を、どのようなポジションで行ったのかを明確に伝えられるのでアピールしやすいというメリットがあります。
フリーランスを目指すなら経歴より実績!
就職、転職についてお話ししてきましたが、キャリアプランは他にもあります。
それがフリーランスです。通常の会社員の場合は安定して働くことができ、福利厚生も充実している企業が多いですが、20代~30代の月収は手取りでも20万~25万程度です。
しかしフリーランスの場合は人月単位での契約や案件単位の契約を行いますので、1人月あたり平均40万円~60万円程の収入を得られます。
それでは、金銭的には会社員の倍以上の収入を得られるフリーランスでは資格は必要なのかについてお話ししていきます。
状況にもよるが資格によるメリットは薄い
私は一度転職をした後に、現在はフリーランスとして活動していますが、資格を持っているからといって、それほど恩恵を受けることはありませんでした。また、今後もフリーランスを続けていく上で資格を得ているからといって様々な恩恵を受けられることは数年間で一度あるかないかでしょう。
ではなぜ、フリーランスは資格を取得していてもあまりメリットがないのか?これには明確な理由があります。
それが活動実績です。
転職でも資格より経歴が重要になるということをお話ししましたが、分かりやすい例で言うと例えばWebページを作成する場合です。
Webページは作成者の技術力に応じてクオリティが天と地の差になりやすいもので、あまり技術力がない方が作成したWebページの場合にはレスポンシブ化が甘かったり、バグが発生しやすかったり、そもそものデザインに難がある場合がほとんどです。
この技術力の有無は資格の有無では判断しづらく、多くの資格を持っていたとしても技術力が低いという方も存在します。そこで明確な判断材料になるのが、今までどのようなWebページを作成してきたのかという実績です。
これさえあれば、技術力やデザイン力の指標が一目で判断でき、安心して発注しやすいというメリットがあります。
活動実績がない状態でのフリーランス転向は非常に難易度が高い
逆に一切活動実績がない状態でフリーランスに転向しようとする場合には、クライアントも判断しづらく、他のフリーランスを探して発注をする場合が多く、仕事すら見つからない状態が続くことがあります。
そのため、資格の勉強をするよりどんな小さなことでも良いので、まずは仕事を探し、少しずつ実績を積み重ねることが重要です。
フリーランスになるのであれば、資格取得のために勉強に注力するのは極力避けましょう。
フリーランス=個人事業主ですので、ビジネスの戦略は自分で練らなければなりません。そして最初のうちは勉強する余裕が会社員と比べて圧倒的に少ないです。
業務委託の場合だと実績より経歴が重要になる
これまでお話ししたフリーランスの特徴は請負契約の場合で、1つの成果物を全て作成して報酬を受け取るモデルについてです。
フリーランスにはそれ以外の働き方として、業務委託契約があります。私が以前勤めていた企業でも見かけることが多かったですが、派遣だったり、フリーランスとして、月当たり〇〇万円という契約で仕事をされている方を見たことがないでしょうか?
このような働き方で、転職とフリーランスではそもそもの契約体系が大きく異なりますが、業務内容はさほど変わりません。
そういった場合では転職の時と同じように、実績も重要ではありますが今までどのような案件に携わってきたのか、そしてどういったポジションで仕事をしていたのかという経歴が比較的重要な指標となります。
現役エンジニアが語る、取っておくと有利な資格3選
それではここからは、新卒の方から転職する方全てに言える、取っておくと有利に働く資格についてお話ししていきます。
これはITエンジニアの中でも業種や働き方によって大きく異なりますので参考程度に抑えておきましょう。
1.基本情報技術者試験
ITエンジニアでよく取得されているのがこの基本情報技術者試験です。他の資格はベンダー資格になりますが、この資格については国家資格です。
ITエンジニアといっても、多種多様な職種があります。この国家資格以外の資格のほとんどが一部の職種に特化した資格が多いです。
私が取得しているCGクリエイター検定についても、今までシステムエンジニアとして約5年近く働いてきましたが一度もCG技術については触りませんでした。そのため、無駄な資格になっています。
ですが、この国家資格の場合だとどんなITエンジニアにも最低限身に付けておかなければいけない知識を広く浅く網羅しているため、ITエンジニア全ての職種でも活用しやすいのもメリットです。
基本情報技術者試験で実際にどのような知識を求められるのかを簡単にまとめると
・情報セキュリティ
・ネットワーク
・経営戦略
・マーケティング
・財務・法務
このように、実務が多くなりがちな若い世代から、経営やマーケティングに関する知識が少しずつ必要になる中年層まで全ての年代で活用できる知識を求められます。
資格手当の給付基準になりやすい
最初にもお話ししたように、多くの企業ではこの資格から資格手当として支給されることが多いです。
基本情報技術者試験の下位資格としてITパスポート試験というものもありますが、中小企業ではそもそも資格手当の基準に入れていないこともあります。
私が勤めていた中小企業では基本情報技術者試験から資格手当の給付がされていました。
大企業であれば国家資格以外の資格においても資格手当として設定されていることもありますが、私が今まで見てきた企業の8割近くはこの国家資格を持っていることで月に数千円程度追加で給付されます。
元々ITエンジニアの経験があるほど勉強時間は少なくなりやすい
そもそもこの試験の特徴として、ITエンジニアに必要な知識全般を理解しておかなければいけないという点です。
私が取得した時は学生でしたが、教科書だけでは全くイメージが掴めず、かなり苦戦した記憶があります。結局はほとんど暗記し、効率の悪い勉強法になってしまい、1カ月近く必死に勉強をしていたのを覚えています。
ですが、就職して様々な業務に携わるようになると、ネットワークやマーケティングの知識は嫌でも覚えてしまいます。プログラムコードを書いていくだけでも、エラーにおける対処法などのノウハウが増え、そういった事象でさえも試験では有利に働きます。
そのため、実務経験を持っていたほうが圧倒的に有利で勉強時間は相乗的に少なくなりやすいです。
2.Webクリエイター能力認定試験
ネット上のページのほぼ全てはHTMLやPHPで構成されていますが、これらの仕組みを理解するために取っておくと何かと便利な資格です。
この資格ではWebページを作成する際に必要になるHTMLでのページの構成、CSS等でのデザインの基礎を知っておかなければ合格できません。
そんなWebクリエイター能力認定試験が有利になると考えている理由として2つあります。
ITエンジニア未経験でもこの資格を持っているだけで印象が異なる
まずは転職する場合です。同じITエンジニアでも同じ職種に転職する場合もあれば、全く別の職種に転職することも珍しくありません。
私も新卒ではシステムエンジニアとして、企業のシステムを構築することが多かったです。現在はWebデザイナーとして活動していますが、利用する言語も全く異なります。
ITエンジニアでよく使われていた言語をピックアップすると
【システムエンジニア】
・Cobol
・C#
・Java
・Visual Basic
【Webデザイナー】
・HTML
・PHP
・CSS
・JavaScript
このようにそれぞれの職種で利用する言語が異なるので同職種といえど、全くの別業界とも言えます。
全くの素人で陥りがちなのが、ソースコードに対して慣れておらず見るだけで拒否反応が出てしまう場合です。
まとめてみると意味が分からないように見えますが、1つ当たりの処理の内容は、「1+1=2」というレベルの繰り返しです。
そのため、コードに慣れておくという意味でも、この資格に挑戦しておくと採用されやすい傾向があります。
フリーランスになってもノウハウは使い続けられる
そしてもう一つのメリットは独立しても容易に使い続けられるということです。
最近では企業だけではなく、個人でもWebページを準備することが多くなっています。ブログ等は何もプログラムの知識を使わずとも準備ができますが、Webページの場合はそうはいきません。
起業するにしても会社のHPがあると便利ですが、外部委託をすると数十万円~高い場合だと100万円以上かかります。それを自分自身で製作できるので、初期費用の削減としても将来的に活用できるかもしれません。
そのため、この資格(技術)を持っているだけでITエンジニアとしてかなりのアドバンテージを作れます。
3.Microsoft Office Specialist(MOS)
この資格はITエンジニアの資格の中ではかなりメジャーなベンダー資格です。
Microsoft Officeの製品ごとに試験があり、1つずつ自由に選び、受験できます。
ITエンジニアだけでなく、ほとんどのデスクワークの業種ではExcelやWord、PowerPointの利用頻度はかなり高く、仕事の効率はどれだけOfficeソフトを使いこなせているのかによっても大きく変わります。
そのため、今回のMOSを受験することで、技術的にも成長でき、ExcelやWordについての操作は完璧ということをアピールできます。
実際に私が一時期行っていたシステムエンジニアの上流工程の業務ではプログラムを一切書くことはなく、常にExcelを使っていました。
資格取得難易度は非常に低い
私はMOSのExcelとAccessの試験に合格していますが、他の資格と比べて勉強時間は半分程度でした。
元々Excelは少し触っていたレベルでしたが、合計の勉強時間はExcelでは1日1時間、合計10時間程度、Accessは合計15時間程度で受験し、合格できました。
学生時代に受験をしましたが、20人~30人全員が合格できたので、かなり合格率や難易度は低いです。
【MOSの合格率は?】
MOSにはSpecialistとExpertがありますが、それぞれの合格率について、明確には発表されていませんが、
・Specialist → 80%
・Expert → 60%
最上位のExpertですら半分以上が合格できているので、かなり難易度としては低い資格でしょう。
他のベンダー資格や国家資格と比べて受験料が高額
MOSの試験は下記の5つがあります。そしてそれぞれバージョンごとに試験の内容も異なります。
- Word
- Excel
- PowerPoint
- Access
- Outlook
全部取得するという選択肢も確かにアリですがデメリットとして、他のベンダー資格や国家資格と比べて受験料は高額で、1つの科目につき1万円近くかかります。
そのため、自分がよく利用する製品のみを取得した方が資格が無駄になりづらく、業務の効率化を狙うことができます。
【ITエンジニアはExcelを使いがち】
ITエンジニアでよく聞くのは「仕様書」という言葉ですが、ITエンジニアの場合そういった文書も「なぜか」Excelで作成します。
確かに、改行やインデントを考えずにセル単位で操作できるため、整った文書にしやすいというメリットはありますが、一般的にWordで良いのではないかという書類ですらExcelで作成されます。
おすすめはExcelとAccess
ではITエンジニアで、どの製品の資格を取得した方がいいのかという疑問も出てくると思いますが、私のおすすめはExcelとAccessです。
Excelは先ほどもお話ししたように、毎日のようにExcelを利用しています。文書としてまとめることもあれば、データ管理や表を作成したりと利用用途は幅広く、ITエンジニアには必須のソフトといっても過言ではありません。
そのため、取得するのであれば、最優先はExcelです。
そしてAccessについてですが、ITエンジニアはデータベースを作成したり、SQLを利用してデータベース内をチェックしたりと他の業種と比べて、理解しておかなければいけない要素となっています。
Excelの資格を取得した後におすすめできるのはWordやPowerPointではなくAccessがおすすめです。
Accessは「SQLを覚えて色々と操作しなければいけないのか」と思いがちですが、実はそんなことはなく、意外とExcelに近い画面操作が多いです。
そのため、最初にExcelを取得しておけばその後のAccessの取得ハードルは非常に低くなります。
ITエンジニアは仕事をする上で必要な資格は意外と少ない
今回はITエンジニアで必要な資格についてお話ししてきました。
転職をするのか、フリーランスとして活動するのか、請負契約なのか、業務委託契約なのかでも資格の重要性は大きく異なります。
ですが、ITエンジニアになる上では、
絶対的に必要な資格はありません!
エンジニアに必要なのは技術力です。その技術は資格を取得するための勉強でも得ることはできますが、それ以上に実務を積むことができれば、習得効率は10倍近く異なります。
例えば転職をする際に有利にするために、今までの実務で経験した仕事を資格として取るようにすると、勉強時間さほど必要ないでしょう。それを繰り返していれば自ずと自分をアピールできる資格は集まっていきます。
経歴書と資格を合わせてアピールができれば、採用、発注率はかなり上昇します。
まだ資格を持っておらず、ITエンジニアとして何か資格が欲しいと考えている方は今回お話しした3つの資格の取得を目指してみてはいかがでしょうか?