【実体験】フリーランスエンジニアが教える案件例と良悪を判断するための特徴とは
ITエンジニアでも自由に活動できるイメージがあるフリーランスエンジニアですが、普段はどのような仕事をしているのか気になったことはありませんか?
会社員と比べて圧倒的に自由度は高く、好きなような案件が請けられるというのはメリットですが、その仕事の中身が分からなければ全然イメージがつかないでしょう。
ITエンジニアでも業種によって変わりますが、今回はどのような案件があるのかの案件例と現フリーランスエンジニアの私自身が請けてきた案件、そして最後には注意しなければいけない案件やクライアントについて解説していきます。
フリーランスエンジニアの仕事は幅広い!
フリーランスエンジニアがどんな案件を請けているのかの例を出す前に、まずはITエンジニアの定義を明確にしておきます。
そもそもITエンジニアとは、このような職種をまとめてITエンジニアと呼んでいます。
- プログラマー(コーダー)
- システムエンジニア
- ネットワークエンジニア
- インフラエンジニア
- データベースエンジニア
ここではメジャーな5つのITエンジニアの職種を出しましたが、厳密にはこの倍近くの職種をまとめてITエンジニアと呼んでいます。
簡単にどんな仕事をするのかお話ししますが、
- プログラマーは、決まった仕様に対してプログラムを構築する仕事。
- システムエンジニアは、プログラマーの上位的な立ち位置で要件定義~開発まで一連の仕事を受注する仕事。
- データベースエンジニアはデータベースに特化しており、サーバー運用や保守などの仕事を行う仕事。
このようにエンジニアの中でも内容はかなり異なっています。
フリーランスエンジニアの案件例
ITエンジニアの定義についてお話ししたように、ITエンジニアの案件例と一概に言っても幅広いジャンルの案件例があります。
例えば、私が働いていた案件を例に出しますが、自動車に関するシステム構築の案件を行っていました。自動車の販売をはじめ、事務用のシステムも構築。それ以外にも空港の出国審査システムの構築という大規模な案件も存在しており、ジャンルで分けてしまうと膨大になってしまうので、今回はジャンルではなく働き方でまとめて紹介していきます。
アプリ、システム、サイト構築
これはフリーランスエンジニアだけではなく、ITエンジニアの仕事の代表格です。例えばこのような案件例があります。
案件内容 | キュレーションアプリ開発 |
報酬単価 | 3万円 |
作業内容 | Swiftを使ったiOS向けキュレーションアプリの構築 |
案件内容 | Webサイト構築 |
報酬単価 | 30万円 |
作業内容 | 自社のサイト構築。 サイトデザイン、ライティングからデザイン、コーディングまで一律しての構築 |
案件内容 | 販売支援系Webシステムの開発 |
報酬単価 | 70万円 |
作業内容 | 営業を行う際に、お客様に対して分かりやすい販促ができるようなアプリ、支援システムの開発 |
ここで一目見て気になるのは、単価の差でしょう。3万円と70万円とかなり異なりますが、
- 案件の規模(何人月かかるのか)
- 請負契約なのか委任契約なのか
この2つで単価は大きく異なります。その中でも委任契約の場合は、1カ月単位で、客先常駐になることが多いです。1人月単価として報酬を決めるので、一般的に40万円~100万円の単価になることが多くで、会社員と同じように、朝からクライアントの企業に出社して、定時まで労働するという働き方になるので注意しましょう。
単価についてお話ししましたが、それ以外の内容として変化するものは、たったの4つだけです。
- 開発言語
- 報酬単価
- 作業期間
- ジャンル
それ以外にも改修や修正があり、そのような案件の場合は新規で作成する案件と比べて単価が低くなる傾向があります。
テクニカルサポート、社員教育
他には、エンジニアとしての能力を活かしたサポート業務もあります。
内容としては、大まかに分けるとこのような案件があります。
案件内容 | 自社内におけるテクニカルサポート |
報酬単価 | 30万円/月 |
作業内容 | 社内のPC環境の設定や他社からの問い合わせに関するエスカレーション |
案件内容 | サーバー運用保守 |
報酬単価 | 50万円/月 |
作業内容 | サーバーに流入してくるユーザーの分析、トラブルに対しての対応 |
案件内容 | 新入社員向け研修講師 |
報酬単価 | 5万円/日 |
作業内容 | 新入社員に対して、システム開発の経験を教える。 カリキュラム等は準備してある場合もある。 |
テクニカルサポートは年間を通して案件数としては豊富なのですが、社員教育の案件は案件内容を見てもらえれば分かりますが、新入社員に対して行う案件が多く、入社から一般企業の研修期間である3ヶ月間、4月~7月に案件として集中します。
4月~7月に案件数は集中しますが、それ以外の期間にも講師としての仕事はあり、例えばこのようなパターンの案件があります。
- 新規事業を行うのでその分野の教育が必要
- 役員や経営者に対して、技術的な教育をし、より正確な見積もりが出せるようにする
サポートや教育は実際に何かを作成するということはありませんが、誰かにノウハウや技術を教えるため、自分自身のスキルの把握であったり、技術向上といった目的にもなるので、一度は体験しておきたい案件の一つです。
【実体験】フリーランスエンジニアである私が実際に請けた案件例
それではここからは実際にフリーランスエンジニアである私が請けてきた案件を紹介します。
ここでは最初に表でどのような内容で、単価はどれぐらいなのかを大まかに出していきます。
WEBサイト構築
案件内容 | WEBサイト構築、改修、修正 |
報酬単価 | 5,000円~50万円 |
作業期間 | 1日~3週間 |
作業内容 | 【WEBサイト構築】 WEBサイトを全くのゼロからクライアントにヒアリングし、顧客の望むようなWEBサイトを作成する 【サイト改修】 既にあるサイトに対して、クライアントが〇〇という項目を追加したい、□□という機能を追加したいという要望に対して、作業を行う 【サイト修正】 既にあるサイトに対して、文言の修正や、ページ内にバグやクライアントが修正したい箇所がある場合に、ソースコード等を触り、修正を行う |
まずはWebサイト構築です。私自身、メインの職種はWEBエンジニアなので、このような案件は毎月のように受注しています。
Webサイト作成の案件は規模の大小があれど、案件自体も多く、サイトの作成以外でも新しい機能や見出しの追加、削除等もあり、報酬単価も大きく幅があります。
この単価の設定は初めてこの案件を受注した際にはかなり苦戦しましたが、最近では作業を細分化し、それぞれの単価を設定することでより納得できるような単価設定ができています。
ノウハウが目に見えて蓄積されていく
この案件を継続的に請けている理由として、職業上と言う理由もありますが、なによりノウハウやスキルが案件をこなしていく度に目に見えて増加する点です。
私自身元々はシステムエンジニアでしたが、Webエンジニアに転向した理由がここにあります。システムでは、内部的なモノなので相手には結果としてのみ見ることができますが、サイト等であれば、実際に作ったものを包み隠さずに誰にでも見てもらえ、それが良ければ評価されやすいので、この業種に転向しています。
他にも新規案件を獲得しようとして交渉する際に、実際のページを見せて一目で判断してもらえる点もメリットの一つです。
Webサイト作成という案件は競合がかなり多いので、参入して生き残るためには、他の人とは違うユニークな部分も用意しておくのがおすすめです。
ツールを使用する場合には要注意!
私自身かなり失敗してきていますが、サイトを作成する際にWordPressを使用するのか、通常のHTMLファイルで作成するのかで作業工数と作業する内容が大きく変化します。
これは実際に発生したことですが、仕事を受注し、通常のHTMLファイルで作成していましたが、作業完了し、納品する時に「WordPressに入れてください」という要望が最後に出てきました。WordPressに組み込む場合には、別途調整をしなければいけません。調整内容としては以下の3つです。
- UIのテスト
- CSSが正常に稼働しているのか
- URL(ファイルの格納場所)の調整
これらの調整、そして、メインのCSSに触ってしまうと、他のページにも影響するものがあるので注意しなければいけませんでした。
ちなみに、今まで何度もWEBページやサイト全体を作成してきましたが、その中の半数近くはWordPressといったツールに組み込む案件でした。
納品後にクライアントが管理しやすいというメリットがあるので、今後もWordPressに組み込む案件は増加していくと考えています。
経理システム構築
案件内容 | 企業向け経理システム構築 |
報酬単価 | 20万円 |
作業期間 | 10日 |
作業内容 | 企業が日々のキャッシュフローや売上等を一目で管理し、正確な経営判断ができるようなシステムの構築 |
ここからシステムエンジニアっぽい案件になりますが、企業向けの簡易的な経理システムの構築です。
経理システムと言っても、請けた当時は会社の経理についてはあまり把握していなかったこともあり、クライアントと常に会話をしながら作成しました。すぐに使いたいということもあり、1日6時間以上実際に画面を見ながら作成し、3日程度で作成自体は完了しました。
当初はExcelの関数やVBAを活用して、日々のデータを入力し、それを基に様々なデータを読み込んだり出力したりして、純利益まで出せるように作成しました。
しかし、数日後には「使いづらい」、そして追加の仕様として、自分以外の役員にも触れるようにしたいということでWeb版の作成を再度行いました。
この案件の単価は最初5万円だったのですが、Web版を作成する際に追加費用として15万円を上乗せしてもらうように交渉も行い、最終的に最初の2日を合わせて10日で作成しました。
仕様変更が何度もあり、交渉ができずに機会損失をしてしまった
この案件を受注したクライアントは数年前から仕事以外でお付き合いがあり、その縁でこの案件を発注してもらっていましたが、経理システムということで、双方とも調べながら計算するということも多々ありました。
相談しながらそれぞれの計算方法や項目数等細かく調整し、システムが完成しましたが、その後頻繁に項目の計算方法や項目の見出し等の修正依頼が届くようになりました。
最初は数分程度で終わるからとりあえずやってあげようと修正しましたが、これが何度も続いてしまった場合には、交渉しづらくなっていました。
これは私の失敗談になりますが、納品後の修正等については事前に決めておくのがおすすめです。どのように決めたらいいのかアドバイスすると、
- 納品後〇日以内
- 納品後〇回まで
- 〇日、〇回以降の修正は別途修正費用がかかる
今まで私が出会ってきたエンジニアの方を参考にしていますが、多くのフリーランスエンジニアはこのように仕組みで納品後の対応をしているようです。
私と同じような案件を請ける際には参考してみてはいかがでしょうか?
大企業の火消し案件
案件内容 | 〇〇プロジェクト(案件名は伏せます) |
報酬単価 | 55万円/月 |
作業期間 | 1ヶ月 |
作業内容 | 詳細仕様定義書の作成 |
これは本来請けるつもりが無かったのですが、フリーランスとして資金繰りがうまくいっていない時に、安定して収入を増やしたいという思いでこの案件を受注しました。
これは以前働いていた企業から、「人数が足りないから1月だけ請けないか?」とオファーを貰い委任契約を締結しました。その頃はお金に余裕が無かったこともあり、月に55万という高単価な案件としか思っていませんでした。
この案件は客先常駐ということもあり、現場に出向いて失敗したと後悔しました。決して快適とも言えず、デスクも狭く今まで経験してきた中で最悪の環境だと今でも思います。
そして極めつけにはこの案件自体がスケジュールから”2週間も遅れている”ことで毎日残業し、土日はどちらか出勤しなければいけない等、かなり過酷な1ヶ月だったのを覚えています。
契約時間ギリギリになると、残業は無くなりましたが、私が会社員のように働いた最後の案件でした。
これ以降二度と客先常駐の案件を請けなくなった
私自身がフリーランスエンジニアになった理由がお金ももちろんですが、”自由”を求めてフリーランスエンジニアになっています。
単価が高いからと、フリーランスエンジニアの多くはこのような案件(私の場合は炎上案件でしたが…)を受注している方も多いです。私の場合はフリーランスエンジニアとしての働き方とイメージがズレていたので、これ以降、今まで客先常駐の案件は一度も請けていません。
自分自身がイメージしているフリーランスエンジニアの理想の働き方とズレている場合は別の案件、別の働き方を模索してみましょう!
対企業向けテクニカルサポート、サーバー運用保守
案件内容 | テクニカルサポート、サーバー運用保守 |
報酬単価 | 5万円~15万円/月 |
作業期間 | 2年間 |
作業内容 | 【テクニカルサポート】 企業内の社員に対する技術的教育、その他サポート 【サーバー運用保守】 アクセス数や場所を日々確認し、それに対して、報告や対応を行う |
最後に、企業内社員に対する技術的な教育をはじめ、テクニカルサポート、そしてサーバー運用保守の案件です。
私が請けたサポートではほぼ素人レベルの技術者に対して、このような対応を行っていました。
- Excelやスプレットシートの使い方
- 関数やVBAの使い方、チェックや修正点の指摘
- Webページの作り方、サーバーへの格納方法
- Webページに追加したい機能に対してのアドバイス
- 作成したページのチェックや修正
サポートと言っても、本格的なサポートもあればチェックといった雑用的なことまで幅広く行っていました。
単価が5万円~15万円となっていますが、この案件のスタートでは、上記のような質問に対して回答したりチェックしたりするテクニカルサポートのみで、内容としても1日に一度質問があるかないかという程度だったので、月に5万円で請けていました。
実際にここから半年程度は1日あたり1時間程度割くだけで報酬が得られたので、比較的楽な仕事でした。
その後、テクニカルサポート以外の業務も増加、そしてサーバー運用や保守まで担当するようになり、最終的には月15万円の報酬で活動していました。
作業時間にムラが生じる
この案件のメリットでもあり、デメリットにもなったことがありますが、この案件では拘束時間がかなり変動しました。そして、それを自分でコントロールすることができません。
例えば、丸々1日全く問い合わせが無い日もあり、1日中常に誰かが問い合わせをしているという状況もありました。
比較的暇なときには別案件の仕事を受注していましたが、その暇な時間を制御できないのはテクニカルサポートのデメリットでした。
教育やサポートはかなり大変!
実際にこの案件を2年間行った教訓としては、普段の案件以上にストレスがかかるということです。
自分が請けている案件であれば、自分の作業に対してストレスがかかるだけなので、会社員と比べてもストレスのかかり方は遥かに少ないです。
しかしテクニカルサポートは相手の理解度次第で対応時間もかかり、さらにサポートには正解がなく、人それぞれで理解させるためのステップは変化します。理解度の低い方をサポートする際には、一般的な方の倍以上の労力がかかるので、かなりストレスがかかります。
社員のサポートでしたので、ある程度距離感は近かったのでサポートしやすい部類ではありましたが、例えば他社の社員や、顧客のサポートとなると、これ以上のストレスや労力がかかる可能性があるので、今後受注したいと考えている方は注意しましょう。
単価に対して責任が負えない案件は受注しない!
この案件は2年間続けていましたが、最終的に辞めた原因は作業に対しての単価が合わなくなった、そして万が一のことが起こってしまった場合に責任が負えるような単価ではないという理由でこの案件の継続を止めました。
この案件では、社内に1人サーバー責任者がいたので、大きな責任は社内のその人に委ねられていました。
しかし、2年目に近づいた時に、その社員が退職されたので、新しく責任者を立ててくれるのかと思っていましたが、一向にその傾向は無く、しまいには私自身が管理者のような立ち位置にされてしまったので、案件の継続を止めました。
万が一ここで問題が発生した場合、その間にかかったコストの請求や、万が一Web広告を出して集客をしている企業の場合だとその日の広告費用など、単価以上の費用を逆に請求される可能性もあります。
そうなると単価15万円ではそこまで責任を負えません。ここで単価交渉を必ず行いましょう。もし交渉ができなければそのような案件は請けないようにしましょう。万が一の時に大きな損害を出してしまう可能性があります。
フリーランスエンジニアなら知っておきたい良い案件・クライアントの特徴
これまで受注してきたなかで、良い案件、そしてクライアントには共通した特徴があります。
相手の顔や情報を出してもらえる
案件を受注する前に交渉段階で自分のアピールを行わなければいけません。その中でも自分の本名や実績など出したほうがいいものも存在します。
そこで相手も実際に企業名や名前を出し、その後の打ち合わせがあった際にもしっかりと顔を出して対応してもらえるクライアントは今後も継続的にお付き合いしたいクライアントです。
フリーランスになって初めて請けた案件で100万円近くの報酬が支払われないという詐欺に遭ってしまい、その方が一切情報を渡さない、連絡が全く取れないということがありましたので、これは良いクライアントではなく、案件を請ける上で必須の項目かもしれません。
信頼できないと思ったら絶対に請けてはいけない!
ビジネスをする上で重要なのは相手との”信頼関係”です。実際に交渉する時にでも少しでも信頼できないと感じたら継続しないことをおすすめします。
新しいクライアントを見つけるほうが長期的に収入の増加に繋がりますし、万が一のトラブルが発生しづらいです。稀に高単価で相手の情報が全くない案件もありますが、そういった場合には、契約書を交わし、トラブルが発生しても事務的に解決できるようにしておきましょう。
ビジネスとしての礼儀作法ができるクライアント
これは当たり前だと思ってしまいますが、クライアントでもできていない方が圧倒的に多いです。
質問をしても、「仕様書に書いてある」の一点張りだったり、「そんなことも分からないのか?」と下に見てきたり、常にテンプレートと思われる文章しか送ってこなかったりと悪いクライアントが多いのも実情です。
そのため、良い案件では、何らかの疑問が生じたときに相談ができるのは良いクライアントの特徴です。そもそも相談ができないような案件は請けるだけトラブルの元なので絶対に請けてはいけません。
明確に仕様が決まっている案件
Webエンジニアの仕事をしていると、たまに「ざっくりとこんな感じで…」「お任せで…」という案件が流れてきますが、基本的に全て断っています。
もしこのような案件を受注する場合には、要件定義の費用も請求できるクライアントでないと請けることができません。曖昧な状態で受注し、いざ作成して提出しても「ちょっと違う」という曖昧な理由で手戻りが発生する可能性があります。
そうならないように、事前に明確に仕様が決まっている案件であれば、その仕様書通りに作業することで簡単に納品できるので、案件を探す場合には、これを条件に探しておくとトラブルが発生しづらいでしょう。
注意しなければいけない案件・クライアントの特徴
それでは最後に、これまでの案件例や私が受注した案件でもお話ししましたが、注意しなければいけない案件の特徴についてお話ししていきます。
実際にフリーランスエンジニアとして案件を受注する際にはこれからお話しする項目に気を付けながら受注まで進めるようにしましょう。
単価が極端に高すぎる案件
単価が極端に高すぎる案件には注意しましょう。相場より高い場合には、何らかの要因がある可能性があります。例えば、
- 作業に対しての時間が短すぎる(急ぎの案件)
- エンジニア業務以外の作業が発生する可能性
- エンジニアとしての知識以外の専門的な知識が必要になる可能性
このようなリスクがあります。
そして高単価の案件ではこれらの可能性が全て混ざっている可能性も考えられます。
浅く広い知識だけでも通用するかもしれませんが、実際に制作物を作成するとなると、中途半端な知識ではバグを作りかねません。
そのため、案件を選ぶときは単価ではなく、仕事内容を優先的に見るようにしましょう。
安すぎる案件にも注意
これは分かりやすいですが、安すぎる案件を受注してしまうと、総合的に収入が下がる危険性があります。
そしてなにより、フリーランスエンジニアとしての価値を自分自身で下げてしまう要因にもなってしまいます。
フリーランスエンジニアは自分で価値を決めなければいけません。そして、収入を上げるためには案件当たりの単価を上げるしかありません。
だからこそ最初に案件を選ぶのであれば、相場と同様程度の案件を選ぶ方が安全です。
値切り交渉が激しいクライアント
安すぎる案件にも繋がりますが、本来の見積もりと比べて常に、値切ってくるようなクライアントには注意しなければいけません。
予算の都合であったり、とりあえず値切ってくるようなクライアントと長期的にお付き合いするのは、経験上おすすめしません。
ITエンジニアは自分の技術を価値にしてお金を稼ぐ職業です。
専門的な職業だからこそその仕事で数十万円の案件が生まれます。
そのため、自分の価値を安くしてしまうのと同義なので、自分の作業と見合う単価でなければ請けないようなスタンスのフリーランスエンジニアになりましょう。
馴染みのクライアントにも注意
これは私が経験した案件ですが、今までお世話になった方が新規事業をするということで、その案件のサイト作成等を受注させてもらったのですが、「今までの関係もあるし原価で作ってもらえない?」という要望がありました。
原価と言うと、こちらの利益は一切なく、むしろタダ働きするレベルです。それはさすがに断りましたが、最終的に少額の報酬で請けて納品まで行いました。
”お世話になったから”
”面倒を見てもらったから”
と言って安くで案件を受注するのは、ビジネスの本質から外れています。
こういった場合でもしっかりとビジネスとしてお付き合いができるようになれば、より収入も向上します。
案件途中でPMを募集している案件
客先常駐の案件は様々なサイトで探すことができますが、その中で、案件途中からプロジェクトマネージャー(PM)を募集している案件は注意した方がいいです。
私の経験上、このような案件の大半は炎上している可能性があります。途中からPMとして入り成功へ導ける人はエンジニアの中でもトップ層です。交渉もでき、見積もりや技術もトップクラスの方でないと解決まで導くことはかなり難しいでしょう。
PMの仕事は技術より経験が有利に働く
そもそもPMの仕事は、何かを制作するような仕事より、進捗管理や様々な申請業務といった仕事が多くなります。そして進捗管理についても、万が一遅れた場合でのリスク管理や、見積もりなども準備しなければならず、それは知識だけで賄うことができません。
今まで働いてきた案件で、どんなトラブルが発生したのか、そしてどのように解決したのかを経験しておくことで、それが実際にPMになってから活きてきます。
今後PMとして案件を獲得したい方は、まずはプロジェクト開始前の案件を受注するようにしましょう。
クライアントからの返事にタイムラグが発生する案件
これは注意すべき案件ではなく、「絶対に請けてはいけない案件」として出しておきます。
どんな仕事でもクライアントとの信頼関係が無いと仕事はできません。
信頼関係が無い状態で仕事をしても、失敗しか起こりません。
実際に私も返信だけで1日以上かかるようなクライアントと仕事をしたことがありますが、報酬を払わずに逃げられました。
これは極端な体験談になりますが、それ以外でも、相手からの連絡が遅くなると、デメリットしか発生しません。
請負で規模が小さい案件の場合には、クライアントからのヒアリングだけでモノを作成することがありますが、その場合、作成中に何かと不明な点やクライアントに委ねなければいけない仕様が起こる可能性があります。
そういった時に、相手からの返信が遅いと最悪の場合、作業が止まってしまいます。
このようにクライアントからの返事が遅いと何かとトラブルが発生しがちになるので、注意しましょう。
返事が早いと信頼関係の構築に繋がる
私自身も必ず気を付けていることですが、何か連絡があった際の返信は24時間以上空けることは絶対にないようにしています。
返信や対応が早ければ早いほど信頼関係の構築は早いです。
信頼関係は目に見えないので、あまり変化が分からないかもしれませんが、そもそも、この返信はできる限り早めに行うということは、ビジネスの基礎です。
だからこそ、まずは自分自身が気を付けましょう。そうすると、気を付けなければいけないクライアントがすぐにわかるようになるでしょう。
契約書の締結に時間がかかるクライアント
フリーランスエンジニアで案件を受注する場合には、必ず契約書が必要になります。
契約書を締結しておかないと何かトラブルが発生した場合に、先ほどもお話ししましたが、報酬が支払われずに泣き寝入りをするという最悪の事態も発生してしまいます。
そのため、契約書を締結しますが、良いクライアントの場合はすぐに契約書が締結できます。
しかし信頼できないクライアントになると、
「契約書はとりあえず準備しておくから、作業を開始しておいてもらえますか?」
ということを言われます。
実際にこれは私が言われたことを出しましたが、このような案件は受注してはいけません。もし受けるとしても、契約書が締結してから作業を始めましょう。締結前に初めて、締結後に話が違うということが起こってしまった場合には、そこまでに行った作業は無駄になってしまう可能性もありますので注意しましょう。
まずは案件を受注してみることが重要!
これまでフリーランスエンジニアの案件例をはじめ、私が実際に受注した案件での後悔した点等、これさえ見ておけばどんな案件が分かるようにお話ししました。
基本的には最初にお話しした案件例が基本で、ジャンルや働き方、条件が変わる程度です。その中で自分が得意なジャンルや働き方があると思いますので、ここからは実際の案件を探してみましょう。
また、テックフリークでは、「なかなか案件を探せない」という方に対して、最適な案件を紹介しています。働き方に関してもフリーランスエンジニア経験者に相談ができるので、リスクを最小限まで落としたいという方にはオススメのサービスです。
一度目を通してみてはいかがでしょうか?
そして、私から最後にアドバイスですが、案件を探すよりも、まずは案件を請けることから始めてみましょう。
まだフリーランスエンジニアとして活動したばかりであれば、失敗しない案件を探したい気持ちも十分に分かりますが、それ以上に案件を受注したという実績と経験が重要です。
一度何でも案件を受注すると、どんな要領で進めていくのかというノウハウが培われます。
私自身も様々な案件を受注してきて、色々な失敗をしてきています。しかし失敗したことに対して後悔はなく、むしろその失敗があったからこそ、今もフリーランスエンジニアとして活動ができています。
まずは行動から始めてみるのがおすすめです!